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大学卒業前に一人己の人生を省みる③大学三年生(+自分のハマったもの)

 タイトルよりも少し前の話になるが、大学二年生の十二月にあるアニメ映画を観た。『ジョゼと虎と魚たち』という映画だ。

 観たきっかけは、たまたま自分の空いていた時間とこの映画の上映時間が被っていたという、本当にただそれだけで、市川にあるニッケコルトンプラザのTOHOシネマズで観た。当時の自分はアニメにあんまり興味がなく(熱心に観ていたのは『けいおん!』とか森見登美彦原作とかだけだった)、この映画も正直「まぁ、さわやか青春ストーリーなんかなぁ……ニガテかもな」くらいにしか考えていなかった。「いっぱい映画をみよう」と思っていた時期だったから足を運んだ、くらいのきっかけである。

 結論から言うと、この映画に自分でもびっくりするほどどハマりした。近所の映画館での上映は早々に終わってしまっていたが、どうしてももう一度観たくてお台場まで足を運んだりもした。イラスト、劇伴、ストーリー、そして声(清原果耶さんと中川大志さんのアフレコが上手すぎた)どれもドストライクだった。
 この映画を観たことで、「とりあえず興味持ったものに片っ端から首を突っ込んでみるか」みたいな意識が芽生えた。多分今までの自分なら、「どうせ青春キラキラアニメだろ!」みたいな、そんな穿った見方で鑑賞もせずに放っておいた映画かもしれない。そんな勝手な決めつけだったり、知りもしないのに無責任な言動を取ることだけはやめよう、と強く思うきっかけとなった映画だった。そんな経験を経て大学三年生になった。

大学三年生

学生生活

 学生生活は、二年後期にものすごい数の単位を落としたこともあり比較的真面目に過ごした。三年生からは対面での授業も徐々に再開されて、大学に行く機会も増えた(早稲田はこの点に関して言えばかなり寛容だった気がする。入校に関して、書類を書いたり検温したりというのはあまりなかった。いつだったか三田の慶応正門前を通った時、検疫所みたいな簡易テントが入口に出来ていて驚いた記憶がある)。 
 1、2人の友人と大学近くのラーメン屋に行ったり、ただ喋ったりするだけのことが本当に楽しかった。やっぱり、自分の好きな人たちと直接接するのは精神衛生上必要不可欠だ。コロナ禍に学生生活を送ったことで、身をもってその大切さを感じられた。
 そして三年の春学期からゼミも始まった。小説をひたすら読んで書く、という一風変わったゼミだ(詳細はひとつ前の記事も参照されたい)。活動としては、

  1. まず教授が選んできた文学作品一作を読み、合評

  2. 生徒各々がその作品を受けて自分で作品(ジャンル、形式は問わない)を創作、提出

  3. 毎週数作ずつ、ゼミ全体でその作品について合評

 前もって話は聞いていたが、教授はびっくりするくらい講義をしない。ひたすら作品の感想を述べるに終始する。ただそのほとんどは肯定的なもので、生徒としてはとても嬉しい。そして、ふとした言葉の節々から覗く圧倒的な量の知識(軽く恐怖を覚えるレベルだ)。他のゼミ生も基本的には褒めてくれるので気分は良い。ただ危険なのは、「自分の書いた作品のよくないところは、教授や他のゼミ生の話を俯瞰して自ら発見しないといけない」ということだ。耳あたりの良い言葉にだけ浸かることもできるが、それをしてしまうと何の進歩もないままゼミを出ていくことになってしまう。とんでもないゼミである。能動的に自分の欠点と向き合わざるを得ないので精神的になかなかしんどいことも多かったが、技術云々はともかく精神面や考え方の面で多少なりとも成長できたのではないかと思う。自分は意識しないとすぐ森見登美彦の劣化みたいな文章を書いてしまうので、それを意識的に遠ざけるのが一番難しかった。安部公房をそのままパクったような文体の小説を書いてみたり、戯曲風なものを書いてみたり、他の授業で読んだ小説の良さげなフレーズをそのまま持ってきて作品を書いたり、アホなりにいろんなことを好き勝手やった。
 サークル活動に関しては、三年の自分達が運営していく立場になったが、うまくいかない場面が多かった。その中で、幹事長一人にかなり負担をかけてしまった。この記事を当人は読んでいないかもしれないが、本当に申し訳なかったと今でも思う。そして、今何とかサークルが存続しているのは間違いなく幹事長のおかげであるので、感謝してもしきれない。本当にそう思っている。このことだけは、折に触れて重ね重ね言っておきたい。これを読んだビーマ部員は、彼に足を向けて寝ないように。

ハマったもの

『ジョゼと虎と魚たち』を観て以降、少しでも気になるものは片足を突っ込んでみるようにした。その結果として、この時期ハマったものを簡単に述べていく。

  • 乃木坂46

高山一実、大園桃子にどハマりしたが、二人ともなんか推し始めてすぐ卒業した。高山氏は(一応)同郷(県レベルの話だが)ということもあり、車を走らせて南房総まで行ったりもした。アイドルに憧れて憧れて乃木坂に入って、思っていたのとは違う姿だとしてもしっかり自分のキャラクターを見つけそれを全うできる、本当にすごい人だと思う。
乃木坂駅に掲示されたサイン入りのポスターを見に行った。キャプテンももう卒業か……
知り合いのツテで生田絵梨花卒コンのチケットを何とかゲット(高山氏の卒コンは当然のように全落ちしていた)。人生最初で最後かもしれない関係者席で見られた。生田氏、ドレス似合ってて本当に綺麗だったなー。ピアノもうまい。乃木坂で一番好きなのは高山氏だが、一番最初に好きになったのは生田氏。4期生と「I see…」やった時本当に盛り上がってたなー。
  • アニメ『小林さんちのメイドラゴン』

人間とドラゴン、絶対に分かり合えないとわかっていながら、それでも何とか歩み寄ろうとする両者の姿をつぶさに描いている本当に「尊い」アニメ。京都アニメーションってすごい。この作品が好きな人と結婚したい。
  • 水曜どうでしょう

いまや紅白司会。高校時代にもっとしっかり見ておけばなぁ!
わざわざ乗りに行った。もはやここまでくるとマゾである。
自宅で内向きに過ごしてきた反動だと思う。出雲に縁結びのお願いに行ったりした。今のところご利益はなさそうだが、恋愛関係じゃないところで本当にいろんな人と出会えたのでまあよしとする。

 書き出してみると意外と大したことない……が、ともかく、自分の中ではこの一年でかなりいろんなものに手を出したと思う。この時に知ったいろいろが、ふとした折に自分を助けてくれたりもするはずだ。人生、逃げ場はいくつあってもいい。
 余談だが、のちに訪れる就職活動において「尊敬する人は?」とか「会ってみたい人は?」という質問がなされる度に、高山一美さんです、と答えていた。その理由として、まず底抜けに明るいキャラクターがあげられる。高山氏といえば、「アメイジング」というフレーズと共に両手を上に伸ばす仕草が有名だが、私は「ポジピース」という仕草がとても好きだ。両手それぞれの人差し指と親指でL字を作り、胸の前に出すという仕草で、それをやりながら「ポジピース!」と高い声で言う。氏曰く、場の雰囲気が悪くなったりしたときに使うらしい。そのような場面で、万人がこうした仕草を許されるわけではないと思う。高山氏だからこそなせる技だろう。そして、千葉県出身であることも理由にある。私自身がかなり千葉愛のある方だと思うので、千葉県出身と言われただけでもう既にちょっと好きになっている。この他の理由を書いているとだいぶ長くなりそうなので涙をのんで割愛する。

 そして、ここまで読んで「大学三年生なのに就活のこと書いてねーじゃん!」と思ったそこのあなた、貴殿はとても優秀だ。しっかり先を見据えて行動できるのは、何よりも重要なスキルだ。そうでないと、この時期に卒業をかけて講義をガッツリ週四で受けている私みたいになる。
 そう、世間の学生は三年のうちから就職活動へ意識を向ける。しかし、あまりにも交友関係が狭かった結果、私は就職活動に関する情報をほぼ全く入手せぬまま、サークルとゼミだけで三年を終えてしまった。そして普通にバイトもしていた。年明け以降、右も左もわからぬまま、私はなんちゃって就活を始めることになる……次回に続く。
 
 相変わらず完全な自己満足の記事ですが、ここまで読んでいただいた方々、そしてこれまでの記事にいいねだったりコメントをくださった方々、本当にありがとうございます。書いてよかったと思いました。次も読んでいただければ幸いです。




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