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【漫画企画】エロ×エモ=地球を救う?

■キャッチコピー
人生も漫画も、キーワードは「エロ・エモ」だ!

■あらすじ
 漫画など読んだこともない、大手出版社の文芸編集部に勤める主人公が、ある日突然、漫画編集部へ異動を命じられる。
 書庫でたまたま見つけて出会う、エロを描かせたらピカイチの老漫画家。
 そして、文系部時代にコンテストに応募してきた、飛び抜けた文才に恵まれし、小学4年生の女の子。
 主人公は、この二人の共作を思いつく。

 イケメンだが陰キャで妄想系ムッツリ、純文学で昇天する変態主人公と、エロしか描けないバイセクシャルでコスプレマニアの老漫画家、他人に憑依する異能力を持つ、レズビアンの女子小学生作家がタッグを組み、エモくてエロい漫画で頂点を目指す。その漫画で描かれるのは、かつて世界を滅亡寸前まで追い詰めた、超絶美形”魔女王”と、彼女が愛してしまった亡国の王子、そして、かつて魔女王に付き従っていた男女12人の魔法使いとの、エロパワー全開バトルである。少子化問題何するものぞ、天上天下エロが独尊。そして主人公と漫画家、作家それぞれが抱える性の悩み、孤独を持ちより、新しい家族の形を探る、エロエモ・エンタテインメント!

■第1話のストーリー
 段ボール箱を抱えた若いメガネ美男子が、独り言をつぶやきながら、会社の廊下を歩いてくる。移動先の「第一編集部」の扉を開けると、若者向け漫画雑誌の校了間際の殺気だった雰囲気。
 「邪魔だ」だの「どけ」だの言われながら、何とか編集長席に辿り着き、挨拶する主人公。
編集長は30代前半の女性。「女王」の異名をとり、冷徹な雰囲気を纏いながらも、スタイル抜群のフェロモン全開美女。
 挨拶もそこそこに、編集長は、一人漫画を読みふけっている20代の女性を呼びつけ、主人公の教育係を申しつける。この教育係の女性も、モデル体型のスレンダー美女だが、編集部のエースでもあった。彼女に言われるまま後を付いていくと、行き付いた先は、薄暗い書庫。頭の中で、その美女編集者に迫られる妄想を描く主人公。明りが点いて我に返ると、膨大な棚すべてに漫画の単行本が収納されていた。
 彼女は、一週間で1000冊読めとだけ言い残すと、とっとと書庫を出て行ってしまう。
 漫画なんてと、あれこれ欠点を論い、どれを読んでも面白いと思えない主人公。だがついに、ある作品に出会う。
 浮気性だが憎めない男性主人公に、なぜか魅かれてしまう数々の女性。その性生活を赤裸々に描いただけの、僅か2巻で終わってしまう漫画であったが、出てくる女性たちはどれも魅力的で、性癖も様々。一人一人の肉体的魅力の描写は、一度目にしたら忘れられないものばかりであった。
 背景も精緻かつ丁寧に描き込まれており、漫画を知らない主人公でも、画力に関しては申し分ないと分かるものであった。唯一、ストーリーについては、目新しさがないどころか、ところどころ破綻しているのが気になった。
 その作家の別の作品を書庫の中で探し回るが、手に取った作品以外は見当たらなかった。教育係の女性編集者に、その作家について問うと、1作品しか描けなかった一発屋であることを告げられる。
 どうしても、その作家に今一度漫画を描かせたいと思い立った主人公は、ダメ元で編集長に直談判。すると、あっさりと許可される。
 理由を聞く主人公に、編集長は、「会えば分かる」と意味深に告げるのだった。

■第2話以降のストーリー
 古い書類から、老漫画家の住所を突き止めた主人公。ボロいアパートに辿り着き、チャイムを鳴らすと、エヴァの綾波レイに扮した老人が顔を出す。主人公の悲鳴に、女装老人も叫びを上げる。 
 ようやくコスプレ老人が目的の漫画家であることが分かり。招かれるまま中に入ると、部屋中があられもない姿の美女、美少女のイラストで埋まっていた。話を聞くと、成人向け週刊誌の挿絵を描くなどして食いつないでいるという。今一度漫画を描かないかと誘う主人公に、黙って原稿の束を渡す老漫画家。漫画自体は描き続けていたらしい。
 原稿一つ一つに目を通す編集者。どれもひたすら男女の性生活を描いたものばかり。誘惑的な美女や美少女のイラストが乱舞する。だが、ストーリーそのものは信じられないほど陳腐で面白味に欠けていた。
 他のジャンルの作品はないのかと問う編集者に対して、老漫画家がブチ切れる。曰く、現実では見られない世界を描くのが漫画であり、その中でもエロこそが、「見たくて見れない」世界共通言語ということらしい。
 その場で頭を抱え、策を練る主人公。その時、ふと文芸部在籍中、最後のコンテストに応募してきた作家のことを思い出す。
 その作品は、三島由紀夫の「春の雪」のような格式の高さを維持しながら、川端康成の「眠れる美女」のごとき艶めかしさを叙情的にまとめあげた、従妹同士の男女の物語であった。
 共作を持ちかける主人公。老漫画家は、エロが描けるなら何でもいい、それよりもと、お前良い体してんなと主人公に迫る。心配するな、オレはバイだとグイグイと体を寄せてくる老作家に、とにかく一度作家に会ってくれと、逃げ出す主人公。

 元居た文芸編集部で、コンテストへの応募作品を漁る主人公。変人老作家の厚化粧の顔を浮かべては、オエオエ言いながら、目的の作品を見つける。応募用紙を確認すると、どういう訳か、名前と住所しか書いておらず、連絡先が分からない。
 住所を頼りに、作家に会いに行く主人公。
辿り着いたのは、孤児院。住所と現在地をスマホで確認しても合っていたので、庭にいるスタッフらしきミニスカ美人に欲情しながら、名詞を渡し、作家名を告げ、会わせてくれないかと頼み込む。
 訝しながら、少し待つように言われて佇んでいると、ふいにシャツの裾を引っ張られる。
振り向くと、ショートカットの顔立ちの整った少女が立っている。
 何か用かと尋ねる主人公に対し、それはこっちの台詞だ、オレに何の用だという少女。
応募作の原稿用紙を掲げながら、本人かどうかを問うと、だったらどうしたと言う。それでも信じられない主人公は、小学生がどうやって、こんな生々しいシーンが書けたのかと訊くと、ふいに頭の中で少女の声がする。
 目の前に少女がドヤ顔で立っている。こうやって、誰かに憑依することで、様々な体験をして書いたのだと明かされる。論より証拠とばかりに、主人公の体を操る。スタッフのミニスカ美女に壁ドンして、胸を揉み、Cに限りなく近いBだねと、主人公の意思とは関係なしに告げた瞬間、強烈なビンタを食らわされ、気を失う。
 目を覚ますと、少女が見下ろしている。
 上体を起こし、辺りを見回す主人公に対し、改めて何の用だと問い直す少女。
慌てて正座し、漫画の原作を書いてほしいと頼み込む。しゃがんで、主人公の目をしばらく見つめる少女。
 それは金になるのか、と問う少女に対し、売れればと応える主人公。逆に金儲けしてどうするんだと少女に問うと、目を輝かせながら、大奥を復活させると宣言する。やっぱり変な奴だったと頭を抱える主人公に、少し間をおいて、そして家族を作るんだ、と寂しげに告げる少女。回答につまりながら、主人公がふと周りを見渡すと、図書館のような部屋で布団の上にいる。近くには、小さなデスクに椅子とパソコン。立ち上がって、本棚を見ていくと、名著と言う名著が並んでいた。オレの部屋だという少女に、驚いて振り向く主人公。まさか、ここに在る本は、と尋ねると、当然といった顔で、全部読んだという。それで、あの小説が書けた理由をすべて理解した。
 さて、どんな話にすればいいのかと少女は問う。とにかくエロい話を、と老漫画家の言葉をそのまま伝える。エロ?と問い直す少女に、エロだと真顔で応える主人公。

 プロットを書くから一週間待てと言われた主人公。編集部の自席で、すでに後悔し始めている。
 回想部。編集部エースのスレンダー美女に報告を求められるが、思わず美女編集者の胸に目が行き、何カップかを妄想してしまう。
手に残っている昨日のミニスカ美女の胸の感触の余韻に浸っていると、おい、と目と鼻の先に美人編集者の顔。老漫画家と少女の話をし、共作を考えていると伝えると、耳を掴まれ、編集長の前に放り出される。顔を上げると、肉感的な編集長の組んだ足が目の前にある。そのままスカートの中を覗こうとゆっくり顔を上げる途中で、編集長に蹴り上げられる。
 口と鼻から出血したまま、直立不動の主人公。目の前には、エース編集者の突き出したお尻。編集長の席に、片手をついて、主人公がやろうとしていることを端的に伝えるエース編集者。怜悧な笑みをこぼし、売れなきゃ即クビだと編集長が告げる。
 スマホの着信音で回想部が終わり、電話に出ると少女からで、プロットが出来たから漫画家と会わせろと言う。原作担当の少女と、老漫画家に、編集部に来るよう伝える主人公。

 小学校が休みの土曜日で、校了明けで編集長とエース編集者以外数名しかいない編集部。
ソワソワと二人の到着を待つ、主人公。教育担当のエース編集者と編集長に、どう紹介したものかと頭を悩ませる。
 まず老漫画家が姿を現す。作務衣に草履、長髪を束ねた姿に、ほっとする主人公。そこに警備員が訪ねてきて、変な女の子が、漫画編集部に用があると言うので連れてきたと言うと、警備員の後ろから、ひょこっと顔を覗かせる、小学生作家。彼女は、Tシャツにオーバーオール、大き目の帽子と男の子っぽい服装。
 編集長席に行くと、ちょうど美女編集者と編集長が会話を交わしているところであった。
二人とも薄いブラウスが透けて、ミニスカート。思わず二人がまぐわう姿を想像してしまう主人公の頭の中に、お前ド変態だな、と少女の声が響く。誰が変態じゃっと思わず大声を出してしまう主人公。うるせぇっと、編集長と美女編集者にハイキックを食らいそうになりながら、チラッと見えた下着に、避けられるが避けたくないと、思った瞬間ブラックアウトする。
 誰かが人工呼吸をしていると、うっすら気が付くと、その相手は老漫画家であった。明らかに意図的に人工呼吸を続ける老漫画家の昇天寸前の顔に、また意識を失う-

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