平川正紘(エーマン)

2013年に富山から台湾・台北に移住し、日台交流や地方の価値を台湾に伝えるお手伝いをし…

平川正紘(エーマン)

2013年に富山から台湾・台北に移住し、日台交流や地方の価値を台湾に伝えるお手伝いをしています。 また台湾から富山の伝統産業を世界展開する、DENSANプロジェクトに挑戦中。座右の銘は51%。

最近の記事

切欠をつくる仕事から市場に入り込む仕事へ@台湾

今までの僕の主な仕事は「台湾での一歩目のお手伝」で、例えば市場調査、展示会出展、企業マッチング、イベント企画等々でした。また経済交流等でも医薬品業界のMOU、デザイン・工芸業界のMOUの切欠にも携わられて頂きました。 あくまでも切欠を作ることが主で、その後事業が発展するか、交流が継続的に発展するか、などには関わることは少なかったのが現状です。 なぜなら求められる能力/人物が異なるからである。 「一歩目」に必要なことは「ガッツと運と現地にいること」である 一方で本格的に台湾市

    • 海外で日本人が日本人を騙すということ

      海外では日本人が日本人を騙すということは一定数存在する。この業界で仕事をしていると良くも悪くも色んな話を耳にする。 ただし、何をもって「騙した」と定義するのは実は難しい。 と言うのも明確な詐欺行為を行っているわけでは無く、多くの場合は市場相場と乖離した費用請求、ほぼ成果が出ないまたはほとんど実体のない請負業務など「本当のことや大事なことを開示していない」というケースの方が圧倒的に多く、依頼者側の知識不足によるところも大きい。 実は知人が勤務している会社においても中々のことが

      • 2021年下半期、台湾旅行業界の今【ゼロコロナ】

        今年5月に発生した、台湾国内での感染拡大から半年以上が経過した今、台湾は再び「ゼロコロナ」に戻りました。 百貨店は中秋節から週年慶にかけて多くの消費者が駆け込み、 学校のオンライン授業も3カ月後には登校が可能となり、半年後には校内イベントが開催される等、生活は以前とほぼ同じような状態になり、平穏な日々が戻りました。 それもこれも台湾政府のスピーディーな意思決定と「今は耐える時」とルールを守り続けた台湾国民の皆様の努力の賜物です。外国人としては本当に感謝しかありません。一方で政

        • 台湾市場を開拓 | モメンタムファクトリー・Oriiの挑戦①

          僕は2020年より「モメンタムファクトリー・Orii」の台湾展開を担当させていただいています。 具体的には現地での販路拡大やプロモーション、例えば展示会に参加したり、企画展の運営をしたり、ウェブサイトやSNSの運営を行ったり、B向け(特にデザイン会社)の顧客対応をしたり、などなどです。 実績は日本の1%にも満たないかもしれませんが、お陰様で引き合いも徐々に増えており、ようやく手応えを感じられるようになりました。一方で見えてきた課題もあり、今回は建築材料の展示会に参加した際の

        切欠をつくる仕事から市場に入り込む仕事へ@台湾

          マーケティング編 | 日本のモノを台湾で売る①

          本題に入る前に、まず「マーケティングとは」を改めて考えたいと思います。 「日本のモノを台湾で売る」場合、僕は「商品と現地の生活習慣の共通点を見つけること、そしてそれを大きくしたり、深く掘ってみたりする」ことが販売する上では大切だと思っています。 日本で売れ行きが良い商品でも、引き続き台湾でも売れ行きが好調な商品もあれば、一方で台湾では大苦戦をする場合もあります。 その違いはそれぞれの商品が、そもそも現地の生活習慣と重なる部分があるかどうか、またそれに適した見せ方で訴求でき

          マーケティング編 | 日本のモノを台湾で売る①

          準備編 | 「台湾市場における伝統産品・デザイン用品の販売(セミナー文字起こし)」

          2021年9月7日(火)に開催された「日台パートナーシップ強化セミナー@佐賀(主催・共催:ジェトロ佐賀、台日産業連携推進オフィス、公益財団法人日本台湾交流協会)」でお話をさせて頂いた要約を備忘録をかねて公開します(企業の例を使用した具体的は省く)長いのでご一読される方は覚悟してご覧ください! 1.はじめに 今回の内容は「聞いたから、知ったから直ぐ商品が売れる」というわけではありませんが、これから台湾への販路開拓に取り組みたいと思っている方の「失敗の確立を下げる」ことを目的に

          準備編 | 「台湾市場における伝統産品・デザイン用品の販売(セミナー文字起こし)」

          良くある質問 | 現地での販売価格を抑える方法はありますか?

          台湾の貿易会社と日本と同じ下代で取引をしていますが、台湾では日本上代の約2倍で流通しています。送料等の経費が掛かっているのはわかりますが、もう少し現地での販売価格を抑えられないかと思っています。 回答: 下代の条件にもよりますが、代理店の立場で考えとコストを積み上げていくと、現地価格は日本上代の2倍程度になることも珍しくありません。コスト構造を分解してみましょう。 現地では数字として見えやすいもだけで無く、見えにくい様々なコストがかかっています。取引先と協議する際は現地で

          良くある質問 | 現地での販売価格を抑える方法はありますか?

          良くある質問 | 代理店との関係性。注文が少なくても代理店を継続させるべきでしょうか?

          台湾の代理店と取引がスタートしました。(伝統工芸品のブランド) 初年度は発注金額が約10万円×4回ありましたが、2年目以降は1年に1回、注文金額も3万円程度という状態で約3年が経過。今後の展開を模索中です。 回答: 1.既存代理店との年間の最低取引額の交渉、2.新規代理店の開拓、を並行して進行 代理店から見た場合、このブランドのポジションですが 『展示品程度を保有し、顧客からの問い合わせに応じて、発注する商材』 となり、多くの経営資源を投入するつもりはありません。こうなっ

          良くある質問 | 代理店との関係性。注文が少なくても代理店を継続させるべきでしょうか?

          体験談 | 台湾でお店を開業し閉店するまでの3年半を棚卸

          はじめに 2021年4月末、2017年10月より続けていたお店(伝統工芸品/小売り)をクローズ致しました。 最初にお伝えいたしますが、撤退は経営難によるものでは無く、当初の役目を終え、次なるステップに向かうためです。とは言っても店舗経営は順風満帆だったわけでは無く、沢山の失敗をしました。 特殊な立地であること、またコロナ前であることから、再現性は無いかもしれませんが、今後の皆さんの台湾展開に対して少しでもお役に立てば幸いです。 店舗情報 店舗名称:能作台北マリオットホテル

          体験談 | 台湾でお店を開業し閉店するまでの3年半を棚卸

          伝統産業を継承する方法

          高岡銅器の着色とは 富山県高岡市は、全国の生産量の9割を占めると言われる鋳物の町だ。その歴史は古く、江戸時代初めに加賀前田藩が高岡城を開城し、城下の繁栄を図る産業振興策として、鋳物発祥の地である大阪から7人の職人を招いたところまで遡る。仏像や梵鐘、全国の観光地で見かけるアニメキャラクターの銅像も、そのほとんどが高岡で作られており、今もなお鋳物や漆芸などの伝統産業が息づく工芸の街である。 「銅器は錆を鑑賞する工芸」と言われるほどで「着色」はその表情を決定づけ、保存性を高める最終

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          伝統は死んだ

          映画「デンサン」は一歩踏み出すことの大切さを思い出させてくれます。 監督:金森正晃、主演:西野明廣、制作:映画デンサン実行委員会 多くの人は挑戦って素敵なこと、大事なことと思っていますよね。 ですが年齢を重ね社会的地位が高くなると、わかっていても挑戦の回数は減り、大きなリスクを取れなくなる、それが大人の挑戦を取り巻く環境だと思います。 挑戦を阻むものは何かを改めて考えてみると 今までの挑戦がルーティーンになったり、動機であったコンプレックスが成功により既に解消されて

          準備編 | 台北での催事や出店エリア

          ニーハオ、台北でクラフト・工芸品の代理販売をしているエーマンです! クラフト・工芸品の販売をしていると、立地×ターゲットの重要性をとても思い知らされます。なぜなら安易に集客のある地域に出向いても売れるわけでは無い、という現実を突きつけられるからです。 台北の商圏例を記載すると(実際に何かしら商売経験のある代表的な場所だけに割愛) 「集客力はあるが購入割合や購入単価が低い地域」と「絶対数は少ないが富裕層が集まる地域」に分けられます。 【集客力のある地域】 台北のデザイン発

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          体験談 | お金と信用の関係

          「お金とは信用を数値化したもの」「信用経済」という言葉を初めて聞いたのは今から約3年前。頭や理論ではわかったつもりではいるけれども、僕自身の行動に変化があったわけではありませんでした。 先日これらを体験する機会が、その感謝を忘れないように、ここに記したいと思います。 「信用は複利で増える」 1. まず最初に「お返しは等価交換では無い」 業務上のことなので詳細を記載することはできませんが、あるお客様が僕の為に、理論上や戦略的に考えると「少し変わった選択」をされました。 この

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          準備編 | 日本のモノを仕入れて台湾で売る【日本展編】

          ニーハオ、台北でクラフト・工芸品の代理販売をしているエーマンです! 日本のメーカーさん、自治体の方から「富山のクラフト・工芸品をどんなところで売っているの?また売れているの?」とご質問を頂きますので、個人的な主観を元にお伝えいたします。 百貨店の見極めが大切 台北では週年慶が盛んになる9月以降、毎月のように「日本物産展」が各百貨店で開催されています。大変ありがたいことに「日本」は集客力のあるコンテンツということです。 ただし、どの百貨店が、正確には「誰が」プランニングする

          準備編 | 日本のモノを仕入れて台湾で売る【日本展編】

          準備編|仕事の話は仲良くなってから

          中華圏では人間付き合い(人脈)が大事とよく言われます。勿論、日本でも人脈が大切ですが、日本と中華圏ではその比重が違うのかもしれません。 毎晩、飲み歩いても許してあげてくださいね。 もしかすると、中華圏へ出張に行っているスタッフは毎晩毎晩、顧客や取引先と飲みに行っていませんか? 「飲むのも仕事というのはわかるけど、早くメールの返信してほしい、見積書まだかな?」って思ったことありませんか?ましてや「本当に必要なの?この経費何?」って絶対言ってはいけません。(*何時まで飲むとか、

          準備編|仕事の話は仲良くなってから

          「裸でも生きる」が教えてくれた、言葉の重み

          約10年前、この本に出会ったことで、漠然と日本を出てみたい、出なければいけないと思うようになりました。バングラディッシュで戦っている同世代の女性がカッコよすぎました。 ――――――――――――――――――――――――― 26歳の夏、フィリピンの地に立った。 東京での最後の1年間は、飲食業の楽しさを忘れていた。 自分とのキャリア・レベルがかけ離れたシェフ、賃金未払いのオーナー、何より最後の3か月間は、周りのスタッフが結果を出す中、僕は結果を出せなかったのだ。 そんな折のリー

          「裸でも生きる」が教えてくれた、言葉の重み