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Krewella – Alibi

Krewella(Jahan Yousaf/Yasmine Yousaf)の新曲「Alibi」がリリースされました。静かに始まり、音の数を抑えながらも、やがてドラマチックな展開を見せる曲です。サブスクリプション・サービスでの配信開始とともに、ミュージック・ビデオも公開されています。

僕はChorus部分の最後、♪Stay with me tonight I’ll be your alibi♪ と歌うところが好きです。メロディも歌い方も良いですね。そして、このフレーズを合図にシンセサイザーとキックの音が飛び出して、身体を刺激するダンサブルな音を奏でます。このパターンはEDMらしいとも言えます。彼女たちはEDMから離れて独自のアプローチを続けていますが、その音楽の一部としてEDMの要素は存在し続けているのだと感じます。

かつてKrewellaにはパーティー・ソングのような明るさを感じていましたが、2人になってからは雰囲気が変わりました。より広い視野で音楽を、そして社会を捉える姿勢は、歌詞やビジュアルに反映されています。ジャケットに関していえば、例えば「Ammunition」ではノーメイクで写り、「Team」では数々の国旗を背にしていました。彼女たちのルーツに加え、それぞれの主張、そして2人になった経緯など、さまざまな要素が組み合わさってKrewellaの音楽が生まれています。

「Alibi」で歌われている ♪Stay with me tonight I’ll be your alibi♪ の含意とは何か。それを読み解くのは難しいのですが、しばし考えてみると「同じ世界で生きる別の誰かの言葉をなぞっている」という解釈が浮かびました。現実に起きていることを、誰かの口を借りて、えぐり出します。歌詞に登場する “alibi”、“bulletproof”、“die for you” などの言葉は、直接的に捉えるべきか、メタファーとして捉えるべきか。身体に響くサウンドや歌の中で、およそポップではない言葉が強烈な存在感を放ちます。

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