だれも正しくない夜がくる
夜がくる。だれかが耳元でささやく夜がくる。
あの人はああ言った。この人はこう言った。
正解を出さなくちゃと、期待に応えなければと、夜道をずんずんと。進めば進むほど、何のために生きていたのかわからなくなった。
わたしの人生を歩んでいたはずなのに、わたしの意見などどうでも良くて、人から認められるように、わたしのことなど押し殺している。
人生における正解なんて、だれも知らないのに。ましてや他人の人生の責任などだれも持っていないのに。
だれも正しくない夜がくる。西の空に沈むのはわたし