最近の若者は…
先月28日、衆議院が解散した。
僕は特定の政党を支持しているわけではないし、政治通でもないが、”感情論”で政治を見ないようにだけは意識して気をつけている。個人的に、行き過ぎた民主主義(ポピュリズム)は共倒れを招くと思っているからだ。公約、そして結果(数字や実績)、それ以外は見ないようにしている。不倫や税金の無駄遣いなどはどうでもいい。
本質的には関係ないし、税金の無駄遣いを指摘できるほどの額も納めていないし、無駄をカットしたところで額は大したことない。総合的に判断して、投票するのは今だと自民党だろう。
政治についてはこの程度だ。デモや政治運動には参加しようと思った事も参加した事もない。正直、真剣に考えた事はないのだ。
こういった調子だからなのだろうが、先日年配の方からこんな事を言われた。
「全く最近の若者は、政治に全く興味を持っていない。俺たちの時代は学生運動が盛んで、皆、血気盛んに政治運動をやっていた。君たちは日本がどうなってもいいのか!?」
ここまで熱くはないが、こんな感じの事を言われた。言われてみると、確かに血気盛んに政治活動はしていない。やる気もないし、ひょっとすると昔の若者達よりも政治の事に疎いのかもしれない、そう思った。
しかし、よく考えてみると昔の若者達より、今の若者達の方が圧倒的に賢いはずだし、別に政治を全くもって知らないワケでもない。なので、どちらかといえば、興味関心がないのではなく、そもそも国に期待していない、これが正しいと思う。
それじゃあなんで、と御年配の方々は思うだろう。
それは、現在において、”公共を誰が担っているのか”を考えると分かる。もっと分かりやすく言えば、身の回りで無いと困るモノの多くは、国(行政)が提供しているのか、それとも民間の企業が提供しているのか、ということだ。
圧倒的にアメリカ西海岸のテック企業がその機能を担っている。
これまで行政が担っていた多くの機能は、この40,50年で、殆どが民間の企業が担う機能に置き換わってしまっている。独禁法に触れる事例も多い。
”最近の若者”が、昔の若者と比べ、政府や国民国家を意識していないのも、これでなるほど頷けるのではないだろうか。
そして今後それが加速していくにつれ、企業→個人へとパワーシフトしていく。
いや、もう既にそうなっている。
サハラ以南のアフリカ諸国に10万羽の鶏を寄付し、養鶏業のノウハウを伝え、貧困を撲滅しようとしているのは、国連でもアメリカでも日本でもなく、ビル・ゲイツ、個人だ。
教育改革や疾病対策、平等な共同体づくりへ動いているのも、国際機関でも国家でもなく、その他多くの個人や個人財団だし、今世紀中にすべての病気の治療を可能にしようとしているのは、Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOとその妻であるプリシラ・チャン氏である。
政府→企業→個人になるにつれ、意思決定は高速になり、”ノブレス・オブリージュ”の精神の下、彼らは強制的に、しかも急速に世界をより良い状態にしていっている。
所得再分配の機能は行政にあったはずなのに、しまいには国や中央銀行の通貨発行権も、ブロックチェーンによって奪おうとしていることや、事実上、教育も丸々彼らが担っている事も押さえておきたい。
さらに、アメリカでは既に、大統領選挙の投票率より、AmazonPrimeの加入率の方が高くなっているという。これはアメリカ国民が、自分達の生活を支えているのはホワイトハウスではなく、Amazonであると考えている何よりの証拠だ。
しかしだ。
当然法治国家なので、これらのテクノロジーを推し進めていく為には、政府との連携なくしてはイノベーションは途中でかき消されてしまう。
前回のアメリカ大統領選挙で、リベラル一色なシリコンバレーの中で、唯一逆張りでトランプを支持したピーター・ティールは、見事に一人勝ちを収めた。その結果、トランプ政権とシリコンバレーの橋渡し役を担う貴重なポジションに立ったが、流石としかいいようがない。やり方が正し過ぎる。
この流れは当然日本でも速くなっていくのだ。
話は戻るが、昔の若者より、最近の若者の方が圧倒的に民間の企業が担う機能に依存している事をお分かり頂けただろうか。
日韓関係がどれだけ悪化しても、日本のJK達は電車の中でK-POPアーティストのPVを見ているし、LINEも使うし、SNOWで写真を撮りまくる。
行政のサービスを受けている、という認識が薄いが為に、血気盛んに政治活動をする若者は少ない、ということだ。
別に日本がどうなってもいいとは思っていないが、”日本が”と考える事自体、この時代には少し筋違いなのである。
ビジネスの場では、よく企業が消費者に置いてけぼりにされている事があるが、国や行政が置いてけぼりにされているのも一理ある。
そして、若者達自身に意識は無いが、彼らの行動は非常にグローバルで多様性に満ち溢れているのである。
そんな僕ら若者が政府に求める事は、
”規制緩和”
それしかない。特に、フィンテック関連の日本の状況下では、いつの間にか各国が規制に走り、日本が一気に世界から抜け出るビッグチャンスになっている。(先日の暗号通貨についての税制は残念だったが…)
そういった意味でも今回の選挙はとても大切だし、自分を含めた若者達は、法の下で生きている事をもっと認識し、投票に行かなければいけないのかもしれない。さもなくばイノベーションは失速していき、我々の生活は急激に息苦しくなっていく。いつだって政治は無視出来ない事を忘れないようにしたい。
僕自身、現在21才なので、最近の若者として思った事を書いてみた。
故郷の母と父に、何か買って送ってあげたいと思います。