はじまりとおわり|500文字のエッセイ
はじまりとおわりは、いつでもいっしょにやってくる。
なにかが有った日々のおわりは、なにかが無い日々のはじまりなのだ。けれどいつでも、おわりの悲しみや、はじまりの喜びにふりまわされて、いっしょにやってきたはじまりやおわりに気がつかないまま通り過ぎてしまう。
おわりの悲しみに気を落としてしまいそうならば、それといっしょにはじまることを考えるといい。
はじまりの喜びに浮き足立ってしまいそうならば、それといっしょにおわったことを思い出すといい。
はじまりとおわりは、いつでもいっしょにやってくるのだから。
梅雨がまもなく終わろうとすると、夏がひょっこりと顔をのぞかせている。やっぱりはじまりとおわりは、いっしょにやってくる。
日々はこま切れになってしまうことはなくて、はじまりとおわりという接着地点をもって、明日や明後日にむかって続いてゆくのだ。
あ、そうだ。朝のおわりと夜のはじまりとの間にある夕焼け空が人のこころを打つように、はじまりとおわりのあいだには、きっとドラマがひそんでいるのだ。
今日の文字数:437文字
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