紙のストローとスティックシナモン
あっという間に三連休が終わった。
ふりかえればひたすら奔走した三日間で、朝は仕事の日より早く出ることになり、家に戻るころにはヘトヘトになっていた。
三日間に詰め込んだ予定の中で、隙間時間に喫茶店などに寄った。ジメジメと蒸し暑い体を冷やそうと冷たいコーヒーを頼むと、いくつかのお店では「紙のストロー」で提供された。
プラスチック削減の流れ。店によってはわざわざ、「こちら紙のストローでございます」と念までおしてくるような次第。これからもっと多くのお店でもシフトチェンジが行われてゆくのだろう。
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一方、今日よった喫茶店でカプチーノを頼んでみると、トラディショナルにスティックのシナモンが添えられていた。
一瞬何かが判別できなかったけど、朝ドラかなにかの漫画で読んだ知識がズズッと引っ張り出されて解決した。
そういえばむかしは、スティックのシナモンでコーヒーをかき混ぜていたらしいぞと。
近年はものごとの価値の賞味期限が異様に早まったように思う。
日々新しいニュースや話題が繰り広げられては、昨日の価値が吐き捨てられてゆく。そんな中でもひっそりと、変わらない価値を守り続けている場所もある。
紙のストローとスティックシナモンは、まるで対の存在だ。
紙のストローで飲んだコーヒーはいつもと何にも変わらないけど、シナモンの香りがほんのりうつったカプチーノは、ぼくには少しはやいきがした。
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