はじまりとおわりの意味 | 500文字のエッセイ
卵が先か鶏が先かの議論になるが、はじまりとおわりは、どちらが先にあると思うだろうか。
まぁ、ごく普通に考えればはじまりの方が先にあるに決まっていると言われるだろうし、たしかにその通りだろうとぼくも思うだろう。
ただし、多くの場合でそうであるかと問われれば、案外そうではないかもしれないと一方では思うのである。
すなわち、終わりのあとにやってくるはじまりもある、いやむしろ、終わりがあるからこそはじまることのほうが多いのではないかとすら思えてきてしまう。
別れがあり、出会いがある。
諦めがあり、挑戦がある。
行き止まりがあり、新たな道への活路がうまれる。
いくつもの殻を破りながら成長してゆくように、今の自分にはいつかおわりがきて、そのおわりはきっと新しい自分へ至る転機になるのだろう。
逆に、新たな自分を手に入れようとするならば、きっと何かに終わりを告げる必要があるのだと思う。
それがたとえ居心地の良い殻であっても、自ら破りすてる覚悟が必要なのだ、きっと。あるいはそれを、克己と呼ぶのかもしれない。
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