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【囲碁】9路盤利かしのテクニック【踊る碁会所】

こんにちは。囲碁講師の井場です。
踊る碁会所チャンネル』で活動しています。
今回は9路盤対決の2局目
プロダンサーのKazuhoMonsterが快勝した1局を見ていきます。

対局の様子はぜひこちらをご覧ください。

実戦進行(1~10)

互先コミ6目半 黒YUSHI IBA 白KazuhoMonster

今回は僕が黒番です。普段囲碁クエストで打つ時は初手は4×4の位置に打ちますが、この対局では天元を採用しました。

黒3と素直に広げた所で、白4,6は黒に弱点を残す良い手です。
このあたりはKazuhoMonsterの筋の良いところがわかります。

そして白10とノゾキを打たれたところで黒はしびれました。白10はとても筋の良い手で、KazuhoMonsterの強さが出ました。
それではここまでの進行を詳しく見ていきます。

9路盤初手天元の狙い

9路盤の初手天元は最も地の主張が強い手です。
その分主張した黒地のスペースが大きいため、白は黒地に侵入して生きを目指す事が多いです。
白の眼を上手く脅かす事ができれば簡単に勝つ事もできます。

参考図1~11

例えば黒3,5のような手です。下辺の白はだいぶ狭いため、生きを確保するためには白10まで必要ですが、その間に黒11と右側に大きな黒地が出来上がるため、この進行は黒勝ちとなりやすいです。

前図白10で白1は?

白1と侵入してくれば、黒6を利かして、下辺白を攻めれば
白には生きがなく、白が取られてしまいます。

4手目変化図

実戦黒3手目の狙いも同様で、実戦白4手目で白1と入るような手は
黒2から下辺の白を動いてもらい、黒14まで自然と白1を苦しい展開にしていけば黒が成功です。

白の対初手天元の作戦

実戦4手目の狙い

その思惑を理解しているKazuhoMonsterは白1とある程度白地のスペースを確保してから、白3と黒地に入りました。

こちらの記事でもあった通り、白番では2箇所生きれば勝ちやすいという事と、「黒地に入る時、片方の白地は生きを確保している。」が重要です。
そういう意味ではKazuhoMonsterの選んだ手は適切といえます。さすがですね

実戦白6手目変化図1~6

生きを確実に確保するために白1と打つ事も考えられますが、黒2とつながれてしまうと、真ん中の黒の壁が強くなってしまいます。
白3と入ると今度は黒4と強気に攻められ白が苦しくなります。
黒2の隙間を残す事で左上のシノギに役立てるというのが白の狙いでもあります

黒の狙いを封じ込めた好手

実戦7手目

黒1,3は白Aのキリを強調した手です。
ここでは黒が好調かと思っていました。

黒の狙い。1~14

続いて白1と打てば、黒2のキリから捨て石作戦です。
右下の黒石は捨てますが、黒12まで上辺白に対して壁ができ、
黒14と打てば白が一気に苦しくなります。
攻めたい石の逆から石を持ってくるのは死活を絡めた作戦として非常に有効です。

実戦8手目。白の良い様子見

そこで実戦の白1とノゾキで様子をみた手が良い手です。

白の狙い

黒2とツナギを打たせてから白3が白の狙いです。
黒4のキリの価値が落ち、捨てやすくなります。
白7までは白地が先行して白優勢です。

利かしを打たない図

もし白1と単に打てば、ありがたく黒2,4と頂きます。
黒6と堂々と広げる事ができ、これは黒勝ちです。

大変な利かし

AとBを利かしていれば、黒1に対して白2,4という反撃が生まれます。
黒地を効率よく広げる事ができず、黒地が足りません。
KazuhoMonsterの打った手がいかに筋が良いかよくわかりますね。

黒としては素直に受けるわけにはいかないので、ここから反撃していく必要があります。次回その戦いを見ていきます。

お知らせ

それにしてもKazuhoMonsterは相当な実力者ですね。
『踊る碁会所チャンネル』の活動を通して彼の碁を楽しめる事を嬉しく思います。

新しい対局動画を投稿しています。
囲碁クエストレーティング2400と2200である
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