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カオスと秩序の戦い(J2第40節 栃木SCvs大宮アルディージャ プレビュー)

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このプレビューを書くために、甲府vs栃木(36節)と岡山vs栃木(38節)の前半をそれぞれチェックしました。

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①はじめに

≪AWAY≫大宮アルディージャ
台風の影響で36節福岡戦が11月6日(水)に順延したため、今節の栃木戦は中三日の三連戦の最終戦。
前節の福岡戦では前々節の柏戦と全く同じスタメンで戦ったためコンディション面に不安が残る。
前節の福岡戦で勝利したことで自動昇格圏の2位に浮上した。
直近7試合で6勝1敗と好調で、敗れた試合も好調徳島相手に2-3と接戦を演じている。
欠場者の情報は特になし。
シモビッチが直近2試合でベンチから外れているため、出場が怪しい。

≪HOME≫栃木SC
シーズン当初は3バックと4バックを併用していたが、33節の鹿児島戦から442を継続的に採用している。
大きな変化は本職がボランチのヘニキを最前線で起用している点。
屈強なヘニキへのロングボールを元にしたボールの前進と442から繰り出されるプレッシングが特徴のチーム。
直近5試合では1勝2分2敗という成績だが、前節の新潟戦では今シーズン最多の20本のシュートを放ち、見事勝利した。
右サイドで起用されている川田(拳)は契約の関係で出場不可。
また、元FCソウルのGKのユヒョンや元松本山雅のMF岩間はケガで欠場。
GKユヒョンの代役として起用されているGK川田(修)は大宮ユース出身で古巣対戦となる。大宮サポーターの前で成長した姿を見せようと気合が入っているだろう。

②栃木のロングボール戦術

栃木SCの攻撃は、敵陣空中戦ランキングで2位にランクインするFWヘニキ(182㎝/79kg)へのロングボールを起点に行われる。

最終ラインは442の陣形が整うと、FWヘニキへとロングボールを供給する。
そのとき、周囲の選手はヘニキの前後に立ちセカンドボールを回収する役割と相手チームの最終ラインの背後を狙う役割に分かれる。
セカンドボールを回収するのはSHとDHの選手で、FWヘニキの周囲を扇形にポジショニングする。
最終ラインの裏を狙う選手はFW榊とSHの選手で、ヘニキの背後にポジショニングする。

FWヘニキへのロングボールによってボールを前進させ、セカンドボールを回収してから3パターンの方法でPA内へとボールを供給する

①裏抜けするFW榊や大崎にボールを供給し、深い位置からクロス
②低い位置でフリーのSBからアーリークロス
③ロングスローでヘニキを狙う。

サイドでヘニキがボールを競ること、FW榊とSHが裏抜けを狙うことはセットプレー(FK・CK・ロングスロー)の獲得が狙いだろう。
SBからのアーリークロスは相手の布陣が整う前にボールをPA内にいれることで身体的不利を補い、事故を狙うという意味合いが強いと思われる。

ロングボールでの前進、セットプレー、アーリークロスという栃木の戦術は上位チームに対して相手の陣地でヘニキを使ってカオスを作り出したいという見方もできる。

大宮側からすると問題となるのは、チームコンセプトである前線からのプレッシングとショートカウンターの組み合わせが発動しづらいということにあると思う。
相手陣地でプレッシングを仕掛けてボールを奪おうにも、ボールは空中を移動してしまうのでボールに触ることが出来ない。

茨田や奥抜が羽でも生えていれば話は変わるのだけど、そんなことはあり得ない。
人間だもの(たぶん)。

③栃木の442守備

栃木は守備時に442という布陣を採用する。
442ブロックで中央を封鎖しておくことで、サイドへとボールを誘導させる狙いがある。
サイドへとボールが渡ると一気に各選手がボールサイドへと縦横にスライドしてボール奪取を狙う。

FWの2人が相手の最終ライン(CB)に対してプレッシングを行うこともあるが、優先するのは相手のDH2人を捕まえておくことである。
相手のDH2人を仲間のDHに任せるとその背後にいるOHを捕まえる選手がいなくなるため、基本的には中盤で待って相手のCBににらみを利かせていることが多い。
ボールの位置によって442ブロック全体が左右に移動するが、左右のCBにボールが渡るとFWが縦関係となってボール奪取を試み始める。

FW2人は横関係で相手のDH2人を捕まえている状態から縦関係となり、ボールを持っている左右のCBから中央にいるCBとDHへのパスコースを遮断する。
このとき、SHとSBが1列ずつ前に出て相手のCBとWBにアタックしてボール奪取を試みる。
他の選手はボールサイドに寄りながら周囲の選手ににらみを利かせておく。

栃木陣内にボールが前進すると、442ブロックは全体的に低い位置まで後退して相手がプレーできるスペースを消してしまう。
このとき、4バックがPA内の幅でプレーしてSHがSBの脇のスペースに降りて守備することもあるので622のような形に見えることもある。
また、DHの選手もボールサイドに寄って守備することがあり、そのときには2トップの選手がバイタルエリアを埋めるので640のように見えるときもある。

④大宮が狙うべきエリア

大宮はボール保持時に普段使用している325ではなく、WBがボランチと同じくらいの高さでプレーする3421の布陣で戦うことになると思う。
大宮が狙いたいエリアは栃木のSHが大宮の左右のCBにアタックしてきたときに生まれる4つのエリアだ。

①SBの裏(栃木のSBが大宮のWBにアタックしたとき)
②SHの裏(大宮のOHがサイドに流れて栃木のSBを動けなくしたとき)
③DHの裏(栃木のDHがWBにアタックしてきたとき)
④逆サイド(全体の布陣が片方に寄ったとき)

簡単なのは逆サイドだ。
ボールサイドに寄る傾向のある栃木の442ブロックの選手がいない逆サイドのWBへとボールを展開することで一気にボールを進めることが出来る。
このときポイントとなるのはOH(茨田・奥抜)のPA内方向への斜めのランニングとWBのボールを扱う技術だろう。

なにもしなければ、大宮の左右のCBに栃木のSHの選手がアタックすると同時に栃木のSBの選手も大宮のWBへとアタックしてくる。
しかし、WBが低めのポジションをとっておくと栃木のSBがアタックしてくるまで若干のラグが生まれる。このときにSBの裏のスペースにボールを流し込めばチャンスとなる。
SB裏のスペースを活用するのはDH(三門・石川)、OH(茨田・奥抜)、FW(フアンマ)辺りだろう。

執拗にSBの裏が狙われたり、事前に大宮のOHの選手が栃木のSBの選手の前に立っていると栃木のSBの選手は大宮のWBに対してアタックできなくなる。
すると空いてくるのはSHの裏のスペース。ここで大宮のWBは余裕を持ってボールを持つことが出来る。
そのまま前にボールを運べば、サイドでOH+WBの2人vsSBの1人という数的有利を駆使ししてサイドを攻略することが出来る。

そのような状況はマズいと、栃木のDHの選手が大宮のWBにアタックするようになると空いてくるのはWBからFWへの斜めのパスコースだ。
中央でフアンマが相手選手に前後で挟まれずにでボールを触れる状況が生み出される。

ちなみに、この状況は奥抜のランニングによって生み出された柏戦の茨田のゴールや福岡戦のフアンマのゴールの状況と同じである。

まとめると、この試合のポイントはこの辺りだろう

①WBのポジショニング
低い位置ならば時間的余裕が生まれる。高い位置ならばよりSBを釣り出しやすい。
②WBがボールをもったときのOHとFWの連携
OHがどのようにランニングできるのか、FWがボールを受け取って時間を作れるか
③同サイドでの攻撃に詰まったら逆サイドも見てみる
④攻めているときにもカウンター対策は忘れない。試合をコントロールするのは自分たち。

⑤さいごに

栃木は残り3試合で自動降格圏から抜け出すには勝ち点差4の19位町田と20位鹿児島を抜かなければならない。
しかし、J3の自動昇格枠にJ2ライセンスを持たない藤枝が入れば、21位でもJ2に残留することが出来る。22位の岐阜とは勝ち点差は3だ。
そのような状況で上位チームの大宮と対戦するので、栃木からすれば勝ち点1を獲得できれば良いと考えるのが自然だろう。

一方の大宮は柏と福岡に連勝したことで、横浜FCを抜いて自動昇格圏の2位にまで順位を上げてきた。
残り3試合で3連勝を達成すれば、自力で自動昇格を決めることが出来るだけに下位チームとの対戦となる今節は絶対に落とすことが出来ない。

この3連戦はそれぞれ異なるテーマを持ってアルディージャは戦っている。

≪柏レイソル戦≫
上位チーム相手に、攻撃的なプレッシングで相手のビルドアップを破壊してショートカウンターで得点する。
≪アビスパ福岡戦≫
541で守ってスペースを消してくる相手に対して、ボールを動かして相手の守備ブロックを主体的に攻略する
≪栃木SC戦≫
442ベースのチームに対して、位置的優位性を利用しながら主体的に相手の守備ブロックを攻略する。

栃木戦に勝利してこの三連戦を全て勝利で終えることが出来れば、高木監督のもとで積み上げてきた戦術が一定のレベルにまでチームに浸透したと言えるだろう。

前節の福岡戦は平日のナイトゲームながらNACK5スタジアム大宮に9600人のサポーターが詰めかけて、チームを後押した。
今シーズンも残り3試合しかない。
今節の試合が行われるグリーンスタジアムまでは大宮駅から宇都宮線で1本でいける場所にある。

1人でも多くグリーンスタジアムに集まってグリーンスタジアムをオレンジに染めよう。大声援で大宮戦士を後押ししようじゃないか。

残り3試合、選手と共に走り抜けようぜ。

仲間を、自分を、積み上げたものを信じろ。

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カオスと秩序の戦い(J2第40節 栃木SCvs大宮アルディージャ プレビュー)

あるちゅー(ちくき)

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あるちゅー(ちくき)

大宮アルディージャについての記事を投稿します。気が向いたときにはレガネス(スペイン)含めてた海外のチームについても投稿します。 twitter(https://twitter.com/Soka_ardija0331?s=09
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