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こうしす!4コマが、はてブで900users超えして考えたこと

今週は@ITに原作提供している4コマ「こうしす!@IT支線」の最新話を公開しました。

そして、はてなブックマークで900users超えという稀に見る大ヒットとなりました。これって、こうしす!第1話のブックマーク数の15倍ぐらいです。びっくりですね。今回、作画してくださったリンゲリエさんに感謝です。

そこで考えたことをちょっとまとめたいと思います。

結論

「皆が知らないことを伝える」よりも「皆が知っていてモヤモヤしていることをズバリ指摘する」ほうがウケる。

でも、啓発活動において価値が高いのは「皆が知らないことを伝える」こと。

だから、ウケ狙いとそうでない作品をバランス良く出すことで、ウケ狙いの作品から本来目的作品への流入を期待するのが良いのではないかと思った。

詳細、あるいは雑多なこと

今回思ったのは、「皆が知らないことを伝える」よりも「皆が知っていてモヤモヤしていることを指摘する」みたいな話の方がウケやすいんだろうなということです。例えば「裸の王様に裸だと指摘する」みたいなストーリーです。

これまでのパターンに当てはめると、アニメ版「こうしす!」第1話がウケた理由は「サポート期限切れのXPを使い続けるのは危険だと皆知っている→使い続けている現状も皆知っている→皆モヤモヤ→ズバリと指摘→共感が広まる」ということでしょうか。

第2話、第3話Part1が第1話に比べるとウケが微妙なのは、知っている範囲が狭かったり、まだ一般常識と化していないところがあると考えられます。

でも、こればかりを追い続けるのも良くないことです。

まず、セキュリティの分野では「ズバリ指摘」が正しくない場合もあります。「これは絶対に効果がない」とか「これだけやっておけば絶対安全」とかいう分かりやすい答えというのはなかなかありません。

例えば、XPをスタンドアロンで使う場合はどうか、じゃあ7を使っていたら絶対に安全なのか――。

正確性を期すなら、本来は歯切れの悪い答えしか出せないということになります。にもかかわらず、無理矢理分かりやすい答えを出していれば、本物の専門家からの信頼を失うということにつながりかねません。

次に、皆が知っていることを指摘しても、啓発活動としては、それほど意味がないということです。もちろん、物語を通じた仮想体験で行動につなげるという意味では一定の価値はあります。ですが、あまり認知度が高くないことについて知識を広めるということのほうがもっと価値があるといえます。

例えば、こうしす!第3話で描いている「ゼロリスク主義・恐怖政治はセキュリティ上害悪である」ということは、専門家の間では常識でも一般的にはそれほど認知度が高くないですが、伝えていかなければならないことです。

したがって、時々ウケ狙いの作品でヒットを狙いつつ、本当に伝えたいことを描いた作品を合間に出して行く、そのバランスを考えていけば、良い感じになるのではないかと思いましたとさ。

これから試していきたいですね。