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翻訳のニーズ

翻訳という業務は、「外国語から日本語」「日本語から外国語」に置き換える作業であることは、よく知られていますが、その具体的な内容は、意外に知られていないようです。ここでは、簡単に翻訳業務のニーズについてお話します。

翻訳業務は、大きく2つに分かれます。

 1.メディア翻訳
 2.実務翻訳

1.のメディア翻訳では、小説や雑誌、新聞など大勢の人たちの目に触れる媒体を翻訳します。映画の字幕翻訳もこちらの分野に入ります。小説や映画の翻訳の場合、翻訳者の名前が表示されることも多いので、翻訳の仕事というと、メディア翻訳をイメージする人が多いようです。

2.の実務翻訳は、メディア翻訳に比べると仕事としてのイメージが薄いかもしれません。

例えば、外国製のクッキーやドッグフードのパッケージに貼り付けてある日本語の成分表シール、地下鉄やホテルに置いてある外国語のパンフレットも実務翻訳に含まれます。

コンピュータや機械の取扱い説明書、企業間で取り交わされる契約書、日常的にやり取りするビジネスメールなど、様々なお仕事があります。

翻訳の仕事としてのイメージが強いメディア翻訳とどちらかと言えば、お仕事としてあまり意識されていない実務翻訳。

どちらのほうが需要が多いかというと・・・。

実務翻訳のほうが、圧倒的に需要が多いです。その比率は、メディア:実務=1:10と言ったところでしょうか。。

出版翻訳と実務翻訳の両方で活躍されている山岡洋一さんによれば、翻訳書の年間出版数は、4~5000点とのことですが、1点当たりの実売部数が大幅に減少している点から見て、翻訳書の出版点数も減少するだろうとのことです。

一方、実務翻訳は、分野によっては爆発的に増加し、全体で見ても増加を続けていくとのことです。特に近年、外国人旅行客が急激に増えていますので、その需要は今後もっと増えていくと思われます。

また、一般企業においては、「翻訳者」そのものの求人でなくとも、「英文事務、英文経理、貿易、セクレタリ(外国人つき秘書)」など、語学を必要とする職種の募集が多数みられます。

このようなニーズも含めれば、実務翻訳がカバーするニーズは、思った以上に高いことがうかがえます。



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