3月26日(2019年没)は、ショーケンこと萩原健一の忌日。
そう、彼が居なくなって5年も経ちました。
世界はショーケンが居なくても平気な顔で回ってく。

今月14日には、寺田農(てらだ みのり)さんが亡くなった。
"みのり"と読めなくて、ずっと"てらだのう"て呼んでいた不埒者です。
僕の中では、"前略おふくろ様"の修兄さん。
ショーケンと骨格が同じでホントの兄弟みたい。
会うといつも大喧嘩して、甘ったれのサブを諫める。
必殺シリーズやラピュタのムスカの声、圧倒的な存在感の素敵な役者でした。

ショーケンの抜け落ちたパズルのピース、「祭りばやしが聞こえる」次作ドラマ。
制作には、"ニーディ・グリーディー"の名前もある。まだ在続していたのですね。
つまり彼にとって苦肉の策で出演せざる得なかったのかもしれない。

『死人狩り（しびとがり）』

フジテレビ1978~9年　全5話
原作: 笹沢左保
監督: 工藤栄一、田中徳三
出演: 萩原健一、常田富士男、丘みつ子、宇津宮雅代、
小林稔侍、中村嘉葎雄、山﨑努（特別出演）

引き続きいい顔をしてる30代手前のショーケン、かっこいい。
刑事役としては「太陽にほえろ!」から5年ぶりという。
奥さんに丘みつ子、前略の若女将じゃないですか、そう実際さほど年齢は変わらない。
相棒の刑事には、常田富士男、映画『股旅(1973)』でショーケンと共演してる。
人情味あふれる先輩刑事を好演、「まんが日本昔ばなし」で市原悦子の相棒だ。
（しかしいい時代、wikiれば労せずどんどん情報が繋がっていく）
上司刑事に中村嘉葎雄、しかし時代とはいえすげぇタレ目グラサンしてますな。

原作ありきなので、ショーケンも無理な芝居はせず賢明。
福島県（原作では伊豆）を舞台に、バス転落事件を追う。
乗客27人の中には、主人公の妻子も含まれていた。
転落直前に何者かによる散弾銃による銃撃を受けていたことが判明し、怨恨の線から犠牲者たちの背景を洗っていく、それを”死人狩り"という。
乗客27名それぞれを追っていくことで緊迫感が増し、点と点がやがて線となっていくという仕掛けだが、全5話でまとめるには足りていないので性急だ。

2話のゲスト、山崎努と共演。
女房を熊に殺られたマタギを好演。
どぶろく呑むか、てショーケンにつぐシーンは良かった。

音楽は、柳ジョージ&レイニーウッド「雨に泣いている Weeping In the Rain」
"ウッピニンザレン"て口ずさみたくなっちゃう。その後、"フっ"てコーラスいれてさ。
その後、ショーケンと柳ジョージの絡みはバンド活動へと繋がっていく。

宇津宮雅代のお店、"COON ST." 壁には
マイルス・デイヴィス、ジェームス・ディーン、3枚目は誰なんだろう？

70年代終わり、20代後半のショーケン、やっと見られたドラマでした。80年代に入ってから、いしだあゆみと結婚するが、83年から怒涛の、大麻・交通事故・離婚という"54日間,待ちぼうけ"状態で30代、脂が乗り切った時期を棒に振る。
彼らしいっちゃそーなんだけど、いやそんなとこが好きなんだけど、まぁしょーがねーな。

「君は海を見たか（1982）」泣き崩れました。
キャンディーズのランちゃん名演！
「風の中のあいつ（1973）」もう一回ちゃんと観たい！！
NHK大河「勝海舟（1974）」岡田以蔵・役を観たい！！！
「宣告（1984）」いつ観られるんだろうか・・・

まだまだピースは揃わず、萩原健一のパズルは未完成がつづくのだ。