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ナッちゃんはね…… ~暴風雪から娘を守るため10時間抱き続けた父の最期~


今回のお話は覚えている方は多いのではないでしょうか。

2013年3月3日、北海道湧別町で2日から行方不明になっていた同町の漁師岡田幹男さん(当時53歳)と長女の夏音さん(当時9歳)が雪の中から見つかったというニュースです。

岡田さんは暴風雪の中、10時間以上も娘の夏音さんを抱きかかえて体温で温め、いつも歌って聞かせていたという童謡「サッちゃん」の替え歌を歌いながら、最後は夏音さんに守るようにしてお亡くなりになりました。夏音さんは凍傷を負ったものの無事でした。

まずはYouTube動画からご紹介します。

YouTube

このニュースを元に作られた動画がいくつかありましたので、一部を紹介します。※ご紹介する以外にも動画はあるようです。

(2ch)ひまつぶしチャンネル『LAN』

【2chショート】菊太郎

ニュース記事

ご紹介する記事は「朝日新聞 2013年4月3日5時44分」からの転載になります。
※記事はすでに削除されています。
※記事中の年齢は当時のものになります

吹雪の中、お父さんの歌が聞こえた 助かった9歳少女

猛吹雪の中、自らの命を賭して少女の体を温め続けた父は童謡「サッちゃん」の替え歌を歌って、少女を励まそうとしていた。北海道で9人が命を落とした3月2~3日の暴風雪被害から1カ月。少女が「お父さん」との最期の時間を語った。

 「死ぬのかなと思って、覚悟を決めてそのまま寝た」。足に凍傷を負い、約10日前に退院した岡田夏音(なつね)さん(9)は、地元・湧別町の親族宅で3月2日の出来事を振り返った。

 地吹雪の中で、たどり着いた無人の農業倉庫前。うとうとし始めると、父幹男さん(当時53)の歌声が耳に入った。

父の初めての月命日が巡ってくる。猛吹雪の中、自ら覆いかぶさって体を温めてくれた父は童謡を歌って励ましてくれた。北海道で9人が命を落とした3月2~3日の暴風雪被害から1カ月。「あんまり泣いてはいけないよ」。先に亡くした母の言葉と、父のぬくもりとともに、9歳の少女は前を向こうとしている。

「学校に行きたい。けど、まだ、あんまり指が動かせない。どっちの足も」 足に凍傷を負った岡田夏音さん(9)
約10日前に病院を退院した。数年前に母を亡くし、父幹男さん(当時53)と2人暮らしだった自宅から、使い慣れた布団やクマとキリンのぬいぐるみを運び、地元・湧別町の親族宅で暮らしている。

親族の女性(63)は、携帯ゲーム機で遊ぶ夏音さんを見守りながら言った。「私たちには涙を見せないんです。幹男ちゃんは、この子を助ける気力を、逆にこの子から持たせてもらっていたんではないかと」

夏音さんは、親族の女性とともに、当時の状況を話した。 地吹雪の中で、たどり着いた無人の農業倉庫前。
「死ぬのかなと思って、覚悟を決めてそのまま寝た」。うとうとし始めると、着ていたジャンパーで体を覆ってくれた幹男さんの歌声が耳に入った。「ナッちゃんはね……」。父が酒に酔うといつも歌って聞かせてくれた童謡「サッちゃん」の替え歌だった。

「ナッちゃんはね、ナッちゃんはね……」。幹男さんの声に力がなくなり、途切れ途切れになった。
「夏音っていうんだほんとはね」が続かない。幹男さんが首から提げた携帯電話がブーッとひっきりなしに鳴った。
「取ろうよーと思っても、できないんだ」。夏音さんは電話に手を伸ばしたが、手がかじかんでうまく取れなかった。目が覚めたのは、病院のベッドの上だったという。

悲報が報じられると、夏音さんのもとには、町役場を通じて、全国から激励の手紙が約130通、メールが約210通届いた。 「知らない人ばかりだけど、うれしかった。私、泣き虫だったからさ、お母さんが『あんまり泣くな』って。でも、今はほとんど泣いてないもん」。夏音さんは無邪気に言った。

今月8日の始業式で、4年生になった友だちと再会するのが楽しみだ。小さめだった服も新調してもらった。
「学校でもオヤジギャグとかで笑わせる。人が笑ったら面白いなあ、うれしいなあって。芸人になろうかなあって思ってる」

気丈に振る舞う夏音さんが前触れもなく、ポツリと漏らした。「もうできないなあ」。海岸で磁石を使って砂鉄を取ろうと、幹男さんとしていた約束のことだった。

さいごに・・・

私のnote記事は営利を目的とはしておりません。
単純に涙した話を皆さんと一緒に共有したいと思い記事にしています。

しかしながら「著作権」などの問題がある場合は削除致しますのでお知らせください。

なお、掲載している画像は いらすとや 様から頂いています。

最期になりますが、岡田幹男さんのご冥福をお祈り申し上げます。

娘の夏音さんは一般人ですから、以降は表立って出ることはないですし、今現在はどうされているかはわかりませんが、今後のご活躍とご多幸をお祈り申し上げます。


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