とてもざっくりな星読みの話 基礎構造編

この記事は、占星術って何? とか、ホロスコープ出してくれるサイトで図を出してみたけど、読み方が全くわからない……という方に、ちょっとした手がかりを提供できたらな、という気持ちから始まっています。
もしかしたらシリーズ化するかもしれません。
その場合の最終目標としては、
西洋占星術ってこういうものらしいよー、と話のネタにする
推しにはもしかしたらこういう面もあるのかなあ……と思いを馳せる
創作で自キャラの誕生日に何かそれっぽい根拠を付ける
あたりです。

お読みになる方にお願いがあります。

占いを元にして誰かに勝手な妄想を押しつけたり、
現実の物事を無視して行動することはおやめください。


このnoteは、占星術の知識を創作に生かしたり、思考の材料にしたりすることを目的に書いています。現実に応用する場合、ここに書かれているよりももっと広範な知識や知恵が必要です。

あくまで入り口、こういうものがあるよ……という、いわば紹介の範囲にあたるものだとお考えください。

お役に立てれば幸いであります。

記事中のチャート画像は、microcosmというソフトを使用しています。
ソフト提供元サイト:http://microcosm.ogatism.com/


1.まずはサインの話

どのサービスを使うかによってデザインは微妙に違いますが、どこで出しても基本は一緒です。ここではフリーソフトのmicrocosmを使って作った画像を提示します。(一部加工しています)

灰色で塗ったところにご注目、星座のマークが入っていますね。

マーク自体は割とよく創作のモチーフに使われますので、どこかで何となく見かけたことがあると思います。

これが何を意味するかといえば、『空の領土』です。地球をぐるっと取り囲む空(地面の下で見えない部分含む)を十二個に分けて、それぞれの土地に『ここは○○座の土地です』という標識を立てました、という感じですね。
これを占星術用語でサインと呼びます。

それぞれの国にお国柄があるのと同様、空の領域であるサインにも、ローカルな特徴があります。よく言われるイメージだと

牡羊座
:やりたいことやるのが一番!考えるより先に走っちゃえ!
牡牛座:生めよ増やせよ地に満ちよ、おいしいもの万歳!
双子座:知りたい、調べたい、喋りたい、あれ何?
蟹座:地元大好き、大事なものは身のうちに抱えて守る!

……以下、魚座まで十二種類、お空のお土地柄がある訳です。

2.サインの世界を歩く星と星同士の仲について

そんな十二の土地をうろうろしているのが、それぞれの星たちです。
灰色の円の内側に、星のマークがありますね。
下の図の、黄緑の○がついている部分です。

この十人もとい十個のうち、月~冥王星については、セーラームーンのアニメをご覧になった方なら知ってるであろうアレですね。もしご存じでなかったら、惑星記号で検索してみると、どれがどの星かすぐ出てきます。この記号は覚えるしかない代物なので、覚えちゃってください。
(余談ながら、占星術をかじってからアニメのセーラームーンを見返したら、それぞれの星の特徴がものすごく出ていてびっくりしました……)

この星たちが、何を意味するかといえば。
ここでは一番身近な、誰かが生まれたときの時間で出した場合としましょう。その場合この星たちは、その人の中にある側面を示します。たとえば、

太陽は『仕事場や学校での顔』
は『部屋着でごろごろしてるときの顔』
水星は『話したり書いたり、勉強するときの顔』
金星は『楽しいこと、好きなこと、趣味に夢中になってるときの顔』
火星は『俄然やる気出てきたぜ! というときの顔』

……という具合に以下、冥王星まで十個の星が、一人の中にあるそれぞれの顔を分担している訳です。正確には『個人』では収まりきらない面子もおりますが、取りあえず基本原理ということで。

ついでに、この図の中にある星以外の記号、Kの下に○がついたのとか、Ωみたいなのとかも、この『うろうろしてる面子』の一種です。ただ、これは有名どころからどマイナーなものまで大量にありまして、そもそも星だったり星じゃなかったりして扱い覚えるのが大変……なので最初のうちは、太陽から冥王星までの十個をがっちり把握しておくといいんじゃないかな、と申しあげておきます。

それぞれの星たちは、自分が現在いるサインに染まります。
この図のお方で言えば、太陽は水瓶座金星は魚座ですね。

水瓶座は、全く新しい理論を取り込んだり、理想の為に議論をしたり、思考や論理を元に世界の認識をひっくり返す、革新的なお土地柄
そこに太陽、つまり仕事の顔があるとするなら、この人は新しい理想を求める活動家とか、見たこともない道具を作る発明家あたりを、表の顔として選んでいるかもしれません。

同時に、この人の金星、つまり趣味・楽しいこと・好みは、魚座にいます。
魚座は、見えない愛やら感情やらを世界に広げるのが好きなお土地柄で、論理やルールはいまいちピンとこない場所。彼の好みはそこにあるのです。

よって、この人は論理と革新性の世界(水瓶座)でバリバリ仕事をしている表の顔(太陽)とは裏腹に、優しくて情感溢れた世界(魚座)が大好き(金星)なのかな、……と言うことが出来ます。

そして、こんな感じでサインの色を背負った星同士が複数いたら、そこには関係性が発生します。これがアスペクトという概念です。
図の中央部分、赤や黄色の線が入っている箇所をご確認ください。


この線があるということは、線で結ばれた星同士が何らかの関係性を結んでいる、という意味です。

その関係性にもいろんな種類がありまして、仲間のような気安い仲とか、先輩後輩のような頼り頼られの仲とか、ギスギスしがちな利害対立とか、相互不理解で落ち着かないとか……。

これもいろんな種類があるのですが、ここでは超ざっくり
緊張感に満ちた破壊力ばっちりハードアスペクト
ゆったりスムーズソフトアスペクト
この二種類に大別できると思っておいてください。どちらの種類であっても、関係性を結んでいれば、その星同士は連動します。

再び図の中から例えを上げましょう。魚座の金星のところから、双子座の海王星のところに黄色い点線が繋がっていますね。


魚座の金星は先の通りとしまして、双子座海王星とはどんな輩か?
双子座は、知ること・話すこと・学ぶことが第一なお土地柄。そして海王星夢や幻覚の力です。人間の限界をちょっと超えちゃったような、ふわふわした不定形の、しかし膨大な精神の力も示します。

だからこの人が、愛や感情の世界に染まった楽しいこと(魚座の金星)に力を注ぐと、言葉の世界(双子座)に漂う形のない夢(海王星)一緒に発揮される……ということがあり得る訳です。

更にこの図において、黄色い線はソフトアスペクトの一種を示しています(そういう設定で図を出しております)。ゆったりスムーズです。
なので、言葉の世界に漂う夢(双子座の海王星)は、この図の持ち主の愛や情感の世界に染まった楽しいこと(魚座の金星)を、無理なく支援してどんどん拡大させていくのだろうな……と読めます。

尚、どっちがどっちをどんな風に支援するかは、星の組み合わせと、アスペクトの種類と、それぞれ個別の場面によって変わります。

3.サインと星が発揮される場所

それからもう一つ、点線の区切りの部屋ごとに振られた数字にご注目。
水色の丸をつけた部分です。

これはハウスと言いまして、思いっきりざっくり言うならその星orサインが現実に発揮される分野を示します。
1ハウスなら才能、生まれ持ったものとして。
2ハウスならお財布の中身、自分で稼ぐ私有財産として。
3ハウスなら知識を集めたり、学んだりする事柄として。
……以下、これも12種類に分かれています。

このハウスには、いろんな種類があります。プラシーダス、コッホ、キャンパナス、ソーラーハウス、等々。どれが一番正しい、とは決まってません。参考までに、私が知っている範囲ではプラシーダスかコッホで見る人が多いかな……という印象ですが、人それぞれですね。

注意点としては、ハウスはだいたいの場合、出生地と出生時刻がはっきりしないと正確に出せないってことです。緯度の影響があるのと時刻が四分違うとズレちゃうので。

私は人を占う場合、出生地は○○市まで、出生時刻は分まではっきりしている人のみプラシーダスを使用。分からない場合は、暫定的にソーラーサイン(太陽のいるサインの0度=1ハウスの起点として三十度ずつ十二分割)で出します。でも実際読んだ限りでは、ソーラーサインだと“そのまま出る”とは限らないかな、という印象……。

そして土地と時間がはっきりしないと、という性質上、歴史上の人物やフィクションの登場人物にハウスを適用するのはだいぶ難しいです。歴史上の人物なら、該当人物の人生上の事件を元に、出生時刻を推定する技法(レクティファイといいます)があるんですが……そうなると膨大な史実を当たらねばならず、しかもそれで正確な答えにたどり着けるとは限りません。

それでも私は! 推しの! 全てが! 知りたい!という不撓不屈の意志をお持ちであるならば、挑んでみるのもアリかなぁ、とは思います。
ただ、私はレクティファイには慎重派でありまして、というか……占星術以外の方法で補えばいいんじゃ? と思ってしまう方なので、レクティファイについてはそういう技法があるということ以外、語れることは特にないのです……。

以上、超ざっくりと、基礎構造のお話でした。
あとは星の意味と、アスペクトの種類と意味、それからハウスの意味を把握できれば、出生図の基本的なところは読めるようになるかなーと思います。

 参考文献

 『最新占星術入門』松村潔 学習研究社
 『星読み+』石井ゆかり 幻冬舎
 『石井ゆかりの星占い教室のノート』石井ゆかり 実業之日本社

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