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無職(仮)10日目①

本日、会社の面談に行って来ました。産業医面談と言って、メンタルを病んで休職した社員が復職する際に受けなければならない面談なのですが、私は今の会社に復職する予定はないし、そのことも人事の方へ伝えていたので、正直「何を話せば良いんだ?」と疑問に思いつつ、欠勤期間の手続きとして必要とのことだったので、素直に受けることにしました。

受付前のソファで人事の方を待っている時、私をパワハラしてたマネージャーが、目の前の会議室へ入って行きました。私のことは絶対目に入ったはずだけど、無視されました。でもそれ以外何をされても不快だし、彼の対応は正解でした。二度と私に関わらないで欲しいと思っているし、彼もまたそれを分かっているのだなと思うと、何とも言えない気持ち。

人事の方がやって来て、一緒に産業医の方がいらっしゃる部屋の扉を開けると、中にいたのは髭の生えた仙人のような爺さんでした。失礼だけど、こんな老人がこんな狭い部屋でたまに面談してお金貰えてるの?いい商売だわね…という感情がまず第一に湧いてきました。

そしてこちらを振り返り、のけ反りかえって偉そうな感じで私に言いました。

「でさ、どういうつもりなの?貴方は病気になったからといって休職して、今まで私のところへ何の連絡もして来てないでしょ。それで元気になったから退職するって言われても許可出来ないよ。」

特に挨拶もなく、開口一番がコレ。それをこの面談で話すんですけど?と、ブチ切れて言い返したい気持ちをグッと堪えて、第2シーズンのバチェラーが強面の小口那奈子さんのお父様と清里のお家で接待していた時の下僕のような態度を思い出し、背筋を伸ばして「ハイ(強い眼差し)」と深く頷きながら、爺さんの言うことに相槌を打ち続けました。

でも、段々話を聞いていくうちに、この爺さんの言いたいことが分かってきました。私のことをメンタルが弱い人間だと思っていて、次の会社へ行ってまた同じ状況に陥った時に病んだりして休職を繰り返すのであれば、今の会社できちんと復職プログラムを受けて、しっかり体調を整えてから退職するかどうかを判断するのでも遅くないのではないか、そういうことだった。

でも私は、大して興味のない仕事を10年以上1度も病まずに続けて来た。メンタルが弱いなんて、初めて会った爺さんに勝手に判断されたくはなかった。

だから、今はすっかり元気になってかかりつけ医からもそう診断されていること、休職前からこの仕事に違和感があって退職の機会を伺っていたこと、既に次の会社から内定が出ていて、自分のやりたいと思っていた仕事に就けそうな状態であることを伝えた。

爺さんは私の話ぶりから伝わるものがあったようで、「この仕事が合っていなかったんだね。君は若いんだから、新しいことにチャレンジしなさい。」と、すっかり表情を変えて、背中を押す立場になってくれました。

話せば分かって貰えるという感覚が、転職活動の面接からずっと続いている。これはパワハラを受けていた当時の私には、一切得られていなかった感覚だった。話したところで何も解決しなかったあの日々を思い出すと、私はこの選択に何一つ後悔がなかった。

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