無職(仮)10日目②

産業医面談の後は、人事の人との面談があった。

退職時期について、向こうから提案があったので一先ず聞いてみると、「12月に新しい会社へ就職されるとのことなので、11月まで有給欠勤ということで如何でしょうか?」と。

ゑっ!!!!!

と思わず旧字が飛び出すほど、ヤッピー。マジ?なんで?どうして?と質問攻めにしたい気持ちをグッと堪え、万物がこの状態から1ミリも覆らないように静かに話した。

氷女「11月までお給料、頂けるんですか?」

人事「はい。特例ですが、有給休暇が消化出来ると部長も勘違いして話をしてしまっていたようでしたし、10年以上勤続されている場合は6か月間の有給欠勤が認められますので。」

氷女「ありがとうございます。助かります。(まじ卍)」

万物 (Stay)

という訳で、無職期間が1日も発生せずに転職することに成功。氷女33歳後厄、命拾いなんてもんじゃない。10年間、耐え難きを耐えた者への報い、褒美を無事げとである。余っていた有給は27日にも関わらず、病欠明けからの3か月分の給料が働かずして得られることになった。こりゃ参った。人に言って回ってはいけない話かも知れない。

しかし会社からすると、管理が行き届いていない過失が有る訳で、労基署云々になると不味い訳だから、これくらいの対応はして然るべきなのかも知れない。私も堂々と請求させて頂こう。

その後は、「今後のために、退職理由になった事柄や経緯を聞かせて頂けますか?」と言って頂いたので、普段は大人しい氷女も、ここぞとばかりに問わず語りの神田松之丞氏をイタコのように憑依させ、上司からのキツいパワハラがあったこと、仕事量が尋常ではなく、内容も難易度が高かったこと、チームメンバーが少ないかつ頼りなかったこと、自分自身の他者を巻き込む力が不足していたことや、限界が分からずアラートが遅れたことなどをドヤアと話した。

仕事をやりっ放しで全部投げ出して放棄したのだから、もう現場の人々には何も言えないし、求めることも特になかったはずなのに、実際の社員の人に実名で話を聞いて貰っていると、気持ちが昂った。もう辞めるんだから何をどう思われても良いけど、いた時の事実を捻じ曲げられるのだけは嫌で、この人はこういうタイプだったけど、この人がこうしてくれた、あの人はああしてくれたとか、そういう私視点の話を、最後に会社に残していこうと必死になって話した気がする。

人事の人は二人いたけど、いなくなる私の話を二人とも丁寧に聞いてくれたので有難かった。「真面目なのは氷女さんの良いところだけど、会社にあまり期待せず、早めに騒いだモン勝ちですよ。自分の身は自分で守るようにね。」とアドバイスをしてくれた。マジでそうだ。いつかの感謝祭のマラソンの土屋太鳳ちゃんのように、私は根性でぶっ倒れるまでやり切るタイプなのだ。(嘘です、誰にも頼れずに潰れただけでデブです)

会社を去る時、もうここに二度と来ないということが、全く信じられなかった。以前、7年常駐した現場を去る時も、同じ気持ちだった。でも、悲しいとか離れたくないという気持ちはいずれもなかった。死ななければ、会いたい人にはまた会える。私は環境が変わる時はいつもそう思ってるので、テラスハウスの翔平が何も言わずに出て行った気持ちがよく分かった。サヨナラは、言わないよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?