#21 Vincent Zhou

https://soundcloud.com/user-983930015/no-21-vincent-zhou 2019年4月26日

みなさんこんにちは、Ice Time Podcastへようこそ。ホストのジャックと、共同ホストのあやのです。今日は福岡で開催されてた国別対抗戦の会場で、ヴィンセント・ジョウ選手にお話をききます。ヴィンセント、こんにちは。調子はどうですか。

こんにちは。

先ずは昨日の結果、昨日の素晴らしい滑りにおめでとうございます。スケート人生で最高のパフォーマンスだと言われていましたね。昨日のことについて話してください。

ありがとうございます。そうですね、昨日はこれまで競技会で滑った中で一番クリーンに滑れたパフォーマンスだと思います。それに過去最高点でもありました。そんなパフォーマンスをシーズンの最終戦で出すことができてとても嬉しいですね。世界選手権の銅メダルから点数を伸ばすこともできましたし、あの時よりもいい滑りができたと思います。だからすごく、今シーズンの結果が嬉しいですね。特にこの日本では本当にたくさんの人がフィギュアスケートを愛してサポートしてくれるので、昨日あのパフォーマンスができたことは本当にとても嬉しいです。どう表現していいのかわからないですがw

いえとても素晴らしいですよ、とてもわかります。日本の濱田美栄コーチにこの数シーズン教えてもらっているといっていましたね。この大会でも見てくれていたようですが、彼女との関係やそれがあなたの滑りにどういった影響を与えたのか、教えてください。

えぇ、そうですね、彼女が僕のためにしてくれた全てのことに感謝しています。世界選手権からこの大会までの数週間も。去年の夏にも彼女に少し教えてもらって、世界選手権の1週間前に環境に慣れるために日本に来ました。関西大学のリンクに。彼女とのトレーニングは、僕が予想していたよりもずっといいものでした。彼女はスケートの基礎に関する本当に素晴らしい理解と知識を持っていますし、どうやって回転するべきかどうやって高さを出すべきかどうやって体を調整するかなどといったことを学ぶために他のスポーツのことも勉強しているんです。そしてそれをスケートの基礎と合わることで良いエッジ使い、良い基礎力をつけてジャンプに挑むために使っているんです。どうやって正しいジャンプを飛べるかということに。そういったことは、普段はあまり考えないことでもありますが、すぐに意味をなすことでもあります。すごく僕のスケートの助けになっています。彼女は本当に、スケートや教えることが大好きで、そういったことをお金や名声のためにやっているんじゃないんです。僕がここに来てから彼女が助けてくれていることは氷の上のことだけではないんです。どうやって移動するのかとか食事、アポイントメントの取り方などたくさんのことを助けてくれています。それを見て、彼女は純粋に、彼女の選手たちが自分のやっていることを楽しんで、自信を持ってもらいたいと思っているんだと感じました。彼女は生徒にたくさん払わせることもしないし、名声も欲しいと思わないみたいです。ただスケートが好きで教えることが好きで、生徒たちを助けたいと思っているんです。すごく珍しくてスペシャルなことだと思います。この数週間の彼女のそういった助けがあったから、世界選手権の結果をさらに超えることができたんだと思います。

なるほど。日本のコーチにとって海外の選手を教えることはとても珍しいことですよね。でももし彼女が可能なのであれば、他の海外選手にもはまだコーチを勧めますか?それともあなた一人だけでありたい?

もしそれが僕を教える時間が減るっていう意味だったら!w いえ冗談ですがw どの生徒もアドバイスを聞いて成長したいと思っていると思います。それに日本の文化に合う人であれば、日本の文化はすごく礼儀正しくて謙虚でとても勤勉ですよね、そういう文化に合う人であれば誰でも彼女ととても合うと思います。彼女と一緒に滑ることができる人は誰でも、とてもラッキーだと思います。

同意します。あなたはチーム濱田、紀平梨花さんや宮原知子さんと一緒に練習しているということですよね。彼女たちについてはどう思いますか?

彼女たちのスケーティングスキルは素晴らしいです。彼女たちが繰り返し行なっている、濱田先生が生徒に教える基礎的なエクササイズを見ましたが、それが彼女たちの秘訣のように思います。スケーティングの流れの中にジャンプがあるんです。多くの人はスケーティングとジャンプを分けて考えるんです。難しいジャンプと、良いスケーティングスキルと行った具合に。でも濱田先生は生徒たちがいいエッジ使いと、いいジャンプの関係について理解させるんです。それが彼女たちのスケートになっているし、僕もそうなりたいと思っています。それが彼女たちの結果の大きな要因になっていると思うんです。彼女は僕のジャンプ、特にトゥの改善にも力を入れてくれました。だから今大会でもクリーンに飛べたんだと思います。それに・・・そうですね、多分それが全てかな。彼女は本当に素晴らしいコーチです。

なるほど。濱田コーチや女子選手について話をしてもらいましたが、あなたが競い合っている相手、羽生結弦さんや宇野昌磨さんについてはどう思いますか?

僕は彼らが競い合っているのを見ながら育ちました。僕がインターミディエイトやノービスやジュニアにいた頃・・・僕が12歳だった頃だからノービスやインターミディエイトよりはだいぶ大きいけど、とにかく子供の頃、彼らが世界選手権で戦っているのを見ていました。すごいことをしていましたよね。いつかそのレベルに行きたいと思っていました。いつか彼らと競い合うことを夢見ていました。実現したらすごくクールだと思って。それから少しずつ時間とともにたくさんの練習をして、自分自身をもっと成長させると決心したんです。理想とのギャップを埋めていこうと。もちろん今でも彼らは素晴らしい存在だと思っています。彼らの上にいるとは思っていません。彼らは僕よりもいいスケーターだと思います。そういう思いが、もっと向上していくためのモチベーションにもなります。いつか本当の世界一になる日まで。

今シーズンあなたは素晴らしい成績を残し、世界選手権でも銅メダルを獲得しました。来シーズンのゴールは何ですか?

そうですね、一つ目標を設定するとしたら、今大会での僕のスコアは299.01点だったので、来シーズンは300点を超えたいですね。それ以外では、今シーズンのクアドとスケーティングの融合をやりたいですね。去年の間に芸術性も随分伸びたと思うので、これからもそこを伸ばしていきたいです。一年で伸びきったと言うほどではないと思うので。自分が思っているよりも、まだまだ成長の余地はあると思っています。2017年のジュニアワールドでの世界新の演技はその当時のピークの出来ではありましたが、あの時から随分成長できていると思います。オリンピックでも人生最高の演技ができたし、その時からもまだ成長しています。今回の国別対抗戦での演技が僕ができるスケート人生最高の演技のように見えたとしても、まだこれからも成長して自分自身を驚かせ続けることができると信じています。

あなたとネイサンの功績を合わせて、アメリカでのスケート人気を再燃させることができると思いますか?

そうなるといいと思っています。僕のキャリアもずっと続くわけじゃないし彼のキャリアも、どのスケーターのキャリアもずっと続くわけじゃない。将来僕たちの世代の選手に刺激を受けた若い世代のスケーターたちが、例えばペアをやり始めてオリンピックチームに入るようにがんばる。それは繰り返されていて、心配することでもないのかなと思います。僕自身もオリンピックでエヴァン・ライサチェクを見て、「いつかあんな風になりたい」とモチベーションになりました。だから今度は僕が子供たちがスケートを始めるきっかけになって、その子達が育ってくれたら嬉しいなと思います。

最後の質問です。今シーズンの高橋大輔さんの復帰についてはどう思いますか?

えぇ、復帰については聞きました。彼が復帰したら無視できない存在になると思っていました。そのことがすでにすごいことですよね。長い間競技から遠ざかっていたのにそんな風に考えられているということが。彼は関西大学で滑っていますが、彼は素晴らしいスケーティングスキルを持っているし、濱田先生が教えている、さっきお話しした基礎を持っていると思います。彼を関西大学で直接見たこともあります。彼は本当に信じられない人ですよ。僕はエヴァン・ライサチェクやプルシェンコと同時に彼も見て育ちましたが、本当に素晴らしいスケーターだと思います。

ヴィンセント、今日はお時間をありがとうございました。今シーズンの素晴らしい結果に改めておめでとうございます。そして今後のさらなる活躍を楽しみにしていますよ。特に同じカリフォルニア、サンノゼ出身ですからね!ありがとうございました。


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