最初に謝罪をします。

私ね、シソンヌが目に見えて”売れる”前から好きだったんです。でも｢好きな芸人は？｣って聞かれて｢シソンヌ｣って答えるとみんな｢誰？｣っていう反応だったから、言うのやめたんです。自信持って言えなくてごめんなさい。少し恥ずかしいと思ってしまってごめんなさい。そしたら全然劇場に行けなくなっちゃった。もっと声を大にして｢好き｣だと言ってもっと追いかけておけばよかった。

だから今ね、まだ世にしれてないどちらかというとみんながわからない芸人さんが好きでもちゃんと周りに｢好き｣だと伝えてます。シソンヌの時のように手遅れにならないように。好きなものを全力で追いかけられるように。もう二度と後悔しないように。

そして今回全公演申し込んでやっと当たった1公演。
この日のために生きてきたと言っても過言ではない。これは全く言い過ぎてません。

前日の夜、当日の朝、仕事中、劇場へ向かう道。
ずっとドキドキ。自分の心臓の音がわかるくらい。身体が少し震えていました。全く言い過ぎてません。事実です。

劇場に入って、”シソンヌライブonze”の文字と両端にある2人の写真。遺影にしてほしいくらいいい表情だ。劇場に入るとともに電波が遮断される空間、完全にシソンヌの世界。真正面の2人のパネルをじっと見つめるだけの30分。

｢ああ、30分後、目の前で2人のコントが始まる。｣
そう思ったら動悸が止まらない。深呼吸を何度しただろう。震える手を何度摩ったんだろう。

客層はほんとにバラバラで、若い子も大人も、おじいさんもおばあさんも1人で来てるサラリーマンもカップルもいて幅広い層に愛されてるコント師なんだと再確認。ここにいる人はみんなシソンヌが大好き。みんなが2人を待っている。

19:00ちょうど、始まる。

そこからはもう夢の時間。
一生笑い声で包まれてる空間。

何度見ても2人の細かい表情と仕草、”役”じゃなくて、”じろう”でも”長谷川忍”でもない。もうその人になっている2人の演技は、演技の域を超えている。私はその人の日常を見ているのだ。

じろうさんはサラリーマン、学生、国会議員、女の人、おじいさんの役をしてたんだけど、声の出し方、仕草が完璧で、普段から人のことよく見てるんだなぁ、と本当に思う。あとあんな早着替えなのに、すぐに人物を切り替えられるのもすごい。

思春期特有のちょっとソワソワしてる感じとか、真面目なサラリーマンの話の聞き方とか、国会議員の記者会見とか、カフェにいる女の人、ライブを見てる女の人、おじいさんの手と声が震えてる感じと少し猫背の立ち方。

本当にリアルで、そこらへんに本当にいそうなの。コントが始まったらもう”じろう”ではないの。本当にすごい。

長谷川さんもじろうさんと同じで、仕草や声色を変えるのがほんとにすごいって思うんだけど、長谷川さんはとにかく表情が細かい。ボケであるじろうさんに目が行きがちな時もずっと表情を変えている。とくに寂しそうに笑う顔が本当に好き。あの顔、日本遺産、いや世界遺産にしてもいいな。言葉の詰まるタイミングも、髪、服の触り方も自然すぎる。

コントの内容もただ笑えるだけじゃない。社会問題を取り入れた考えさせられるものや、当たり前の日常、少し泣けて胸がグッとくる。

一つ一つのセリフが全部に繋がってて、コントの中だけじゃなくて、私たちが生きてるこの世界にも言えることで、誰もが”こういう気持ちになったことがあるよね”のセリフだから泣けてしまう。

お笑いを見てて”笑いながら泣く”ってことはあるけど、シソンヌは”泣きながら笑う”って感じ。しんみりさせてきたかと思いきや絶妙なタイミングで笑いを入れてくる。

｢あーなんだよもう！泣いちゃったじゃん！涙返せ！！｣って笑えるコント。これ、多分じろうさんにしか作れないコントだろうなぁ。唯一無二のコント。多分一生2人を超えるコント師はいない。私はそう思いたい。そうであって欲しいとも思う。

”エモい”とか”最高”とかそんな薄っぺらい言葉でシソンヌを語るようなことはしたくない。もしかしたら今綴ってる私の言葉でさえも、薄っぺらく聞こえてしまうなら申し訳ない。ずっとずっと私の中で、ずっとずっと1番のコント師でありたい。

終わって”じろう”と”長谷川忍”が出てきて少しトーク。しゃっくり出ちゃった長谷川さんを心配してたじろうさん、可愛いすぎる。2人仲良しの中に、お互い信頼と尊敬があるって見ててわかる雰囲気がたまらなく好き。

2人が捌けた後も鳴り止まない拍手、全身が震えた。

一生コント師でいてね。
シソンヌの笑いは世界をも救ってしまうよ。
全員が見たら平和になるよ、絶対。

｢老後｣ ｢うちの息子、実は。｣
というコント本当におすすめです。
有難いことにYouTubeで見れます。

でも、できればシソンヌのライブは生で見てほしいです。2人の表情、仕草本当にすごいです。シソンヌのライブ見て笑ってください。泣いてください。

シソンヌのお2人へ。
たまらなく幸せな時間をありがとうございました。
私はシソンヌが大好きです。

どうかお身体にはお気をつけて。じろうさんのバカでかい声をずっと聞いていたいので喉にも十分お気をつけください。ゆっくり休んでください。

残りの公演も無事に完走できますように。