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案外ダメじゃないってわかった社会人3年目

社会人3年目を迎える直前、今年の1月から、わたしはフリーランスになった。つまり、フリーランス歴でいうと半年で、フリーランス1年目だ。

フリーランスになってから、社会人1年目のときみたいに「初めて」が増えた。インタビュー、記事の書き起こしと執筆、編集者さんがくれるフィードバック、さらには毎月変化する収支に、仕事量の管理……。webメディアの会社で2年間働いていたとはいえ、初めての経験にたくさん直面した。

なんだか、社会人1年目に戻ったような感じだ。

でも、全く同じかというとそうじゃなくて、少しばかりの気づきや考え方の変化があるから、自分で言うのもあれだけど、ちょっとは前に進めてるんだなと思う。特にフリーランスになった今思うのは、「『やりたい』と実際に『やる』は全然違う」ってことと、「ダメだと思っていても案外ダメじゃない」ってこと。これは、ずっと心に留めておきたいなと思っている。

社会人1年目を思い返してみると、とにかく学ぶことが多かった。フリーランスになって出会った「初めて」みたいに、新卒での仕事は全部が初めてで新鮮で、楽しくてしょうがなかった。

その一方で、そのときは自分が本当にやりたい仕事ができていなかったので、「このままじゃ嫌だな……でもどうしていいかわからない……」と焦る気持ちもあった。社会人1年目の頃のわたしは、営業配属。当時の編集部の先輩や同期、ライターさんの仕事を「いいなー」と思いながら眺めていた。

焦りは募っても、何をすればいいのか全然わからなかった。社会人1年目の最初は営業の仕事に慣れることに精一杯だったけど、少し余裕が出てからは、営業の勉強そっちのけで編集や書くことについての本を読み、活躍している編集者さんのトークイベントに行きまくっていた。1年目の終わりには、ありがたいことに、会社の支援で宣伝会議にも通わせてもらった。

でも、いくらそうして俗にいうインプットをたくさんしても、自分が本当にしたい仕事はなかなかできなくて、ずっとずっと同じ場所で地団駄踏んでるような気持ちだった。

しかし、人生はわからないもので。「社会人3年目までにはやりたい仕事をするんだ」と思っていたはずが、社内で新しいWebメディアを作るからと、2年目にはディレクター職として記事執筆に関われることになり、さらに3年目にはフリーランスになっていた。入社した頃のわたしは、まさか自分が社会人3年目でフリーランスになるなんて思ってもみなかった。

そんなこんなで社会人3年目、ずっとやりたかった取材やインタビューの記事執筆の仕事をさせてもらって思うのは、「『やりたい』と実際に『やる』は全然違う」ということ。

編集・書くことについての本をいくら読んでわかった気になっても、いざ書いてみたら全然できないし、宣伝会議の授業や編集者のトークイベントで企画のコツを教わっただけじゃヒット作は生まれない。それに「あの人は、自分が憧れる仕事ができていていいな〜」と思ったり、憧れの人の仕事に関するツイートに「いいね」したりは簡単でも、実際にやってみたら本当に大変だったりするものだ。と、実際フリーランスになって学んだ。

もうひとつ、「ダメだと思っていても案外ダメじゃない」というのも、新卒時代を振り返ってみてそう思う。できないことだらけで、いくら学んでも、ひとつの仕事を終えても、また仕事がふってきて、がんじがらめで、全然前に進めていないような気持ちになったりする。「自分って本当ダメだ〜」って思ったりとか。

でも、その先に進んでそのときを振り返っていれば、そのときの「もがき」のおかげで少し前に進めていたりするもので。

だから、最近は「ダメかもしれない」「いや、ダメじゃなかった」を繰り返して、少しずつ前進できればそれでいいと思うことにした。

……なんて、結局ぜんぶフリーランス1年目の自分に向けた文章だったりする。

まだまだ「このままじゃダメだ」なことばかりだけど、でも、急に生まれ変わるなんて無理で、いまの自分で勝負していくしかないから、「ダメじゃなかった」って乗り越えられた気持ちを大事にしたい。

あと何より、いまの自分があるのは約2年間いた会社や、ライターとして記事を書かせてくれる編集者さん、仕事を紹介してくれた人たちのおかげでしかないから、わたしは「こうすれば成功できる!」みたいな話は全然できない。それでいいし、忘れないように、これからも。


#社会人1年目の私へ

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