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稲村悠「元公安捜査官が教える「本音」「嘘」「秘密」を引き出す技術」

・本書は、警視庁公安部捜査官として、数々の諜報活動の取り締まりや情報収集活動に従事、刑事として強盗致傷事件をはじめとする強行事件を担当し、現在は安全保障・地政学リスクに主眼を置いた各種コンサルティングの分野で活躍する著者が、交渉や採用、雑談などビジネスで応用できる対人テクニックについて紹介した1冊。

・人から情報を得るときには、
□選定
□基調
□接近
□獲得
□運営
という5つのステップを踏む。
・「選定」とは、文字通り情報を引き出す対象者を選ぶことで、ほしい情報を持っているのは誰なのかを検討するステップであり、リストアップした必要な情報を持っている人物、あるいは持っていると思われる人物を相関関係で捉え、点と点を線で結び、最終的にターゲットに近づく道筋として捉えることを目的とする。

・「基調」とは、"基本調査"の略で、プロファイリング(本書では「対象者となる人物像の分析・推測」を指す)という言い方をすることもある。
・基調にはできるだけ時間をかけ、住んでいる場所や家族構成、勤務先といった基本データはもちろん、学歴や職歴、資産状況、趣味嗜好、交友関係、恋愛関係、勤務先の人間関係、評判、行動パターンなど、対象者についての情報を徹底的に集め、正確な人物像を組み立てていくのだ。
※「基調」のとき、とても重要なポイントについても調べるが、そのポイントならびに「選定」「基調」「接近」「獲得」「運営」の詳細は本書をご覧ください。

・信頼関係を築くステップとして、
①相手と会う前の準備をする
②相手に好印象を与える
③相手のキャラクターを知る
④相手の心に寄り添う
がある。
・あなたが距離を縮めたいと思っている人がいたら、まずは「基調」で相手を知ること。職場や学校など、あなたと同じ組織に属する人に関する情報を得る場合、その人をよく知る人から評判を聞くのが一番である。
・そのときに、「いきなり評判を聞かない」こと。業務などの話から入り、人となりや性格の話題が出たら広げていく……という流れである。相手が怪しまないように、「やむを得ず連絡をとらなければならない」「興味はないけど一応聞いてみた」という「てい」で、さりげなく聞くことも必要である。
・一度にすべての情報を入手しようとしないこと。話をしているとき、話題が移りそうになっているときは、どんなに追加の情報がほしくても、そこでいったん切ること。そうしないと、後で「あなたが興味を持って聞いていた」という報告が、本人の耳に届いてしまう可能性があるからだ。
※①には、「相手と一緒に食事をする場所の選び方」「相手のテリトリーの入り方」などが紹介されている。信頼関係を築くステップの詳細は本書をご覧ください。

・本書では、「「公安」とはどのような仕事か」「私が情報を引き出す5つのステップ」「信頼関係を築くためのテクニック」「本音」「嘘」「秘密」を引き出す技術」「あなたの大切な情報を守るために」という章で構成されており、「情報を収集する3つのアプローチ」「「情報」を扱うときの3原則」「聞きづらいことを相手に語らせる方法」「嘘を見抜くテクニック・本音を引き出すテクニックとは」「個人情報、企業の情報流出の防ぎ方」など、誰でも今すぐできる情報の引き出し方、人の心の掴み方について紹介した内容となっている。
また、「スパイが尾行を振り切る方法」「質問しないで本音を語らせる」などのコラムも収録されている。

※本書で紹介しているテクニックは、あくまでも著者の個人的な経験にもとづくものであることをご理解の上、ご一読いただけたら幸いです。

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