見出し画像

編集ふくだりょうこは小説家である

デザイナー杉浦です。NovelJam2018秋で「いちばん堂」を率いる編集、ふくだりょうこさんは歴戦のノベルジャム戦士でありまして、今回「秋」に参加された向きにご紹介かたがた、ふくださんの凄さを見てください的な記事を書きます。

前史

2017年、栄えある第一回ノベルジャムで最優秀賞を「大人げなく」獲得したのは新城カズマ先生であったわけですが

最終的に売り上げナンバーワンを記録したのは最優秀賞作品ではなく、ふくだりょうこさんの「低体温症ガール」だったんですってよ?

本は書いて終わりではなく、読者のもとに届いてこそ価値がある。多くの文学賞は審査員の査読で賞が決しますが、それがすなわち「届く本」とは限らない。もしバイアスのかからない状態で候補作を出版したら、果たして受賞作がいちばん売れるのだろうか。出版の未来を革新するという高い志をもった日本独立作家同盟がこれを見過ごすはずがない。

そんなわけで第二回となるNovelJam2018からはレギュレーションが改訂され「グランプリアワード」があらたに生まれました。これはご案内の通り当日審査に留まらない、実際に読者に届いたか、またどのように届けたか、という工夫や実績まで評価する仕組みです。ここまでやる小説の賞レースは他にありませんが、これもふくださんの「低体温症ガール」の快挙があったからなのですきっと。

ふくだりょうこ、リベンジのターン

そうして迎えた第二回、NovelJam2018でふくださんは再び著者枠で参加します。もちろん目的は、まずは当日最優秀賞、なにより新設されたグランプリ狙いに他なりません。第一回ノベルジャムの売り上げ女王がGPに向けどう戦うか、俄然注目される展開の中、ふくださんはREcycleKiDsを書き上げました。

で結果ですが、残念ながら当日賞の獲得には至りませんでした。なんでだよ。

ですがここから怒濤の巻き返しがはじまります。なんとふくださんはREcycleKiDsの続編を毎週リリースし続けるというものすごい事をやりはじめます。主導したのは編集者の野崎さん、そして今回2018秋にも参加している波野さんでした。当時はデザイナーとしての参加でしたが、プロモーションにも腕をふるっている様子は、他チームからしてみても脅威を感じるものでした。なんといっても、リリース後1週間は無料、その後200円、という続編の価格設定が秀逸すぎる。

そうして迎えたグランプリアワードで、見事REcycleKiDsがグランプリを獲得したのはご存知の通り。GPは当日賞未獲得作品は売り上げ上位に入らない限りノミネートされないルールです。つまりシード権のある受賞作品をぶっちぎる、無冠をはねのけての受賞なわけで、これは本当にすばらしい快挙なのでした。

REcycleKiDsの続編は、2018GPが終わったいま、電子版無料で配信されていますので、未読の方はぜひ一作目をお買い求めの上、楽しんじゃってください。(もうすぐ完結の予定だそうですよ)

https://bccks.jp/search/REcycleKiDs ならぶと壮観じゃんね。

さてノベルジャムはチーム戦です。このREcycleKiDsも、当時ふくださんとチームを同じくして戦った編集とデザイナーの作品でもあります。REcycleKiDsのプロモーションを主導した波野さんは今回編集としてチームGOMERAを率いていますが、REcycleKiDsを生み出し、またノベルジャムにおける編集、ふくだりょうこへの道を拓いた事に謝意を表してこの稿を締めます。ありがとうございました!

ふくださんの作品読んでみてね〜



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?