見出し画像

いちばん堂、ふたつのNovelJam審査員賞受賞作がBCCKSでリリースです

いちばん堂、note担当のデザイナー杉浦です。今回のNovelJam2018秋でチームとなった「いちばん堂」から二つの受賞作品が生まれました。たったの2泊3日で生まれた作品ですが、それだけに両作品ともに今を映すパッションがぎゅうぎゅうと詰められていると感じます。

今回のテーマは「家」。内藤みか賞を受賞した最堂四期「みんな釘のせいだ」は現代ファンタジー、かたや藤谷治賞受賞の一之瀬楓「あなたの帰る場所は」は社会派のドラマ、とアプローチの方法も仕上がりの読書感覚も全く異なりますが、イマを映すという意味では同じなのかもなぁ、と改めて思っている次第です。いちばん堂から生まれた二作品、どちらも良い作品なのでぜひこの機会に読んでみてください。

『あなたの帰る場所は』

一之瀬楓(著) ふくだりょうこ(編) 杉浦昭太郎(デザイン)著 

藤谷治賞受賞作品

賞をくださった藤谷先生もおっしゃっていましたが、小説としての完成度だけで見た場合、決して高いものではありません。しかし、老夫婦に幸福になってほしいと願う作者の心は、現役の准看護師なればこその「書かなければならない理由」として、読者の胸に迫ります。


『みんな釘のせいだ』

最堂四期(著) ふくだりょうこ(編) 杉浦昭太郎(デザイン)

 内藤みか賞受賞作品

内藤みか先生から「釘萌え」というパワーワードを引き出した怪作。釘の声が聞こえる男が、失った家族を取り戻してくお話なんですが、もうとにかく釘が可愛いくって仕方がない。読んでいてニヤニヤが止まらないのは何も審査員ばかりではありません。だって、釘ですよ?何で釘なんだよ。


表情も、読書体験も、まったく異なる二作品ですが「人は社会性の生き物である」という点で実に徹底している。それが共通項と思います。違う山を別々に登り始めたら頂上繋がってたよ、みたいな感じなので、読み比べてみるもの一興です。

というわけで「いちばん堂」レーベルから二作のご紹介でした。今後「あなたの帰る場所は」は藤谷先生からいただいた超貴重な赤字原稿をベースにした改稿版を(なんと赤字戻しをいただいたのです!)、「みんな釘のせいだ」は釘萌えスピンオフを(雄の釘と雌の釘とか内藤先生すごい事言っていたよ)、このnoteで順次リリースしていきます。

というわけで乞うご期待!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?