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旅のお供~パシュミナに憧れて&今一番旅したいところ

 1年に1度、自分に贈り物をすることにしている。と言いながら、去年は欲しいモノが特になく、しなかったのだが、一昨年は、自分にパシュミナを贈った。首に巻くものといえば、日本では何とかストンズのカシミヤなどが知られているようだ。デザインも洗練されていて、持ちも良さそうであるが、絶対にパシュミナが欲しかった。 

 だが実は、カシミヤとパシュミナは、私のような「衣」に詳しくないド素人から見ると、ほぼ同じものである。その僅かな違いとは?
パシュミナはカシミヤ山羊の体毛の中で特に柔らかい「首から胸の毛」のみで織られたもの。カシミヤはセーターなどの素材にも使用されるのに対して、パシュミナの方が繊維が細く、首周りの製品にしか使われないそうだ。

 

パシュミナに憧れて 

 それでも、パシュミナが欲しかった理由。それは「旅の達人」長谷川まり子氏の「旅のオススメ持ち物」だからであった。

 長谷川氏を元々知っていたわけではなかった。たまたま本屋で手にとった文庫本「アジア女子旅の達人」の著者が同氏だった。ノンフィクションライターである氏は、主にインドネパールの人身売買問題を取材し、メディアを通じレポートしている。仕事柄、アジアの各国をまわるため、自然と「アジア旅の達人」と名乗れるほどになられたようだ。

 その内容たるや、旅行情報誌に負けていないほどの充実ぶり。飛行機やホテルを、いかにお手頃な価格で予約するか。おススメのホテル。アジア各国の危険度や食事のマナー、タブー。持っていくべき旅の持ち物。そして市場での値切り方まで。すごく細かく、読んでいるだけで、想像ツアーできるほど。その中にわずかであるが、氏の旅に対する考え、想いも盛り込まれている。エッセイとしても楽しめる愛読書となった。

 これまで旅エッセイはたくさん読んできたが、個人的には、純エッセイよりも、ノウハウも学べてしまう作品が好きだ。特に、この「アジア女子旅の達人」は、どんなことが書かれているか、だいたい把握できるぐらいに読み込んだ。それでも、また最近読み始めた。コロナ後、どこへ行こうか^^ワクワク気分を味わいながら。

 南国の場合、レストラン、ホテル、ショッピングセンターなど、いたるところが過剰冷房の状態。バッグの中にコンパクトにしまうことができるパシュミナは、そうした場でも大活躍なのである。

 当書の一節を抜粋した。なるほど納得の内容。確かに、暑いお国でのガンガン冷房の極寒体験は「あるある」だ。涼し気ファッションなどしているから、なおさらのこと。寒さを防ぐアイテムは、必須。しかし、少しばかりオシャレにしているときなどは、あまり防寒したくないのが女の正直な気持ち^^

 そんなとき、颯爽とカバンの中からパシュミナを取り出し、サッと、自然に羽織る。いいんじゃない~。それに、「パシュミナ」という響きが、またカッコ良いではないか(笑)そして、ちょっと男気を感じさせる長谷川氏のパシュミナを羽織った素敵なお姿を想像すると、憧れないではいられなくなった。

 早速、韓国ネイバーで検索。「ベルエポーク」というパシュミナ専門ブランドを見つけた。↓

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 韓国人に好まれそうな色たち。どれも素敵だ。

 ちなみに、私の「衣」の基本色は3つ。白、青、カーキ。めんどくさがり屋の私。コーデを考えるのも嫌なので、どれを着ても合うような配色で揃えている。だから、数ある配色の中から選ぶのは、さして難しくない。顔回りなので、何とか効果で(笑)白系にしようかと思ったが、すぐ服を汚してしまう私には不向き。カーキも良いが、旅のお供として合わせたいのは、鮮やかなブルー系統。その中で目に入ってきたのは、湖の色をモチーフにした青のグラデーションシリーズ。その繊細な濃淡の色使いに惹かれ、注文した。

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 この品につけられた名は「心に映る湖」。それぞれに、丁寧につけられたネーミングがあり、お値段はそこまで高くないが、何か贈り物にふさわしい特別感を感じた。

 購入時期は、コロナ禍の真っ最中。旅の予定も何もない状況であった。しかし、その翌月、実家の事情で長崎に行くこととなり、夏まで滞在した間、このパシュミナは大活躍してくれた。保温性がありながらも、薄手ときているから、真冬から初夏まで身につけることができた。汎用性が高く、旅のお供に良きことを実感した。

今一番旅したいとこ

 このパシュミナを旅行鞄に忍ばせ、どこか、椰子の木が風に揺らいでいる南国リゾート地に飛び立ちたいと思っていた。しかしなぜか、今一番心が向いているとこ。そこは私の故郷である長崎市^^
 
長崎について発信されているnoterさんたちの記事を読みながら、韓国の方の長崎旅に関するブログを読みながら、何か自分の知らない故郷の姿が、新鮮みを帯びて見えてきた。そしてふと、旅人として「長崎」を旅したいと思うようになった。

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長崎市街と港が一望できる稲佐山からの眺め

 長崎が魅力的だと思ったことはなかった。以前、他地方の人に「長崎って異国情緒なイメージで憧れちゃうよ」と言われたが「ふーん、そうなんだ」とその頃はピンと来なかった。しかし、今その長崎の魅力が気になって仕方がない。(笑)長崎の歴史も詳しく知りたい。そして、実家に泊まればいいものを、長崎の夜景が楽しめるホテルにも泊まってみたいのだ。

 長崎はご存じ、鎖国中の江戸時代において、唯一開港され、外国との交流が許されたところ。交易国であったオランダと中国の文化が入り込み、「和華蘭」都市ができあがる。その街並みたるや、おそらく、その当時は田舎の漁港村に、ヨーロッパと中国の全く異色なものたちが不自然に共存する、アンバランスな風景だったに違いない。歳月が流れるにつれ、そのアンバランスさが馴染んでいき、純日本でもない外国でもない、独特な空間になっていった。それが、現在の長崎のベースなんだろう。

 さて、憧れのパシュミナを長崎にて初めて下ろした時のこと。その異国チックで鮮やかすぎるブルーは、日本の街並みには、そぐわないかなと思っていた。しかし、たまたま入った蕎麦屋さんの店員さんに「素敵な色ですね」と声をかけられた。違和感はないのかも知れない。
 そういえば、長崎の街並みをよくよく眺めると、異国の鮮やかな色はどこそこに存在している。中華街や孔子廟に代表される中国の色。グラバー園、出島やカトリック教会に代表されるヨーロッパの色。それらは、全く不自然さを感じさせることなく、長崎にて、日本に溶け込んでいる。

 育った街として以外、何の魅力も感じなかった「長崎」。しかし今は違う。外のモノたちを許容してきた懐の大きさを持つ長崎を旅してみたい。もちろんこのパシュミナをお供として。もし、長崎にて、この色を見かけたら声かけてください(笑)

 

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