俺は元々食に興味なんてなかったけど、最近急激に鶏肉の評価が鰻登りで上昇してる。牛より鶏、豚より鶏。いや〜もうさキツイのよ、油が。まだそんなことで悩む年ではないんだけど、体が強制的に受け付けなくなってきてる。親鳥を焼いたやつに玉ねぎをおもくそ乗せてポン酢をぶっかける、それだけでいい。あるいはそのまま揚げてしゃぶりついてもいい。無敵。デビュー時の高橋しょう子ぐらいMUTEKI。それと新鮮なお刺身が3,4切れあればそれで良い。それだけで俺のユートピアは完成する。

　結局鍋なんだよね、鍋。子供の頃はさ、正直言って晩飯界トップ級のハズレだったけどさ。でも今はくたくたになった白菜と白ネギ、それと豆腐と鶏肉の団子を数個装う。そして出汁の効いた汁をたんまり注ぐ。ここで一つアクセント、味ポン。白だしの効いた汁に見事に酸味が混ざり合う。これぞ至高のマリアージュ。ガキの頃の俺は思ってもなかったね、こんな大人になるなんて。

　世間的な意見だとやずは油が乗ってなくて美味しくないなんて言うけど、全然そんなことないと思う。少なくともブリとかハマチのエッセンスは持ってるわけだし、いくら若魚だからって油の乗りが悪いわけじゃない。小骨が障る、みたいな部分はどうしても気になるけどそれを差し置いても全然美味しく食べられる。まあこれは生食においての話だけど。スーパーで3割引にでもなってたら最高に盛り上がる。この毎日虚無な人生の明確なハイライト。普通に声が出ちゃうくらい嬉しい。

　人生で初めて鳥貴族に行ったけど思ったより良かった。ただ、たこわさのたこが結構大きい切り身でその上に個体のわさびが乗ってた。俺としてはたこを細かく切ってそこにわさびを和えてぐちゃぐちゃにして欲しいんだけど、これはみんな同じ意見だと思います。ねえ、みんなそうじゃない？