あらすじ

朝の食卓で突然父は、「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」と宣言した。中学生の佐和子は驚いたが、兄はそれを肯定的に受け止めた。
中学生の佐和子の家族は少し変わっている。兄はトップの成績だったにもかかわらず高卒で農業をはじめ、母は家を出て一人で暮らしている。そして、教師だった父も仕事を辞め大学受験のための勉強を始めた…。

ここからネタバレ含む感想

タイトルからどんな家族なのかと想像したお話よりももっとぶっ飛んでいるような家族の話でした。
幸せな家族だったのが、あることが原因となり家族がそれぞれ自由に活動を始めてしまう。それでも、その中で日常生活を送る主人公の佐和子は、この家族の中で一番普通かと思っていたらそうでもないということがぼんやりと見えてきます。それでも、塾で知り合った大浦くんと同じ高校へ進学し、いろいろトラブルにも見舞われながらも将来の幸せを思い描きながら高校生活を送っていきます。
少し挙動の変わった家族ですが、それぞれの思いもふんわり見えてきて、新しい家族の形として形が固まってきたそんな時に、話が急展開していきます。これは予測できなかった…。それでも、佐和子はちゃんと足で歩いていくそんな物語でした。その後、佐和子がどんな人生を歩んでいるのかもし続編があれば読んでみたいと思いました。