プリティが多すぎる 大崎梢

大手出版社「千石社」に務める新見佳孝は入社から2年在籍した週間千石からローティーン女の子向け雑誌「ピピン」へ異動になった。
雑誌の対象は中学生女子、新し編集部はチープなかわいい小物で溢れ、編集長以外はみんな女性…今までとは全く違う環境に戸惑う新見だが、担当する雑誌の内容に興味も持てない…。


ここからネタバレ含む感想

文芸希望で入った出版社、週刊誌を2年経験しいよいよ文芸と思いきや回されたのは女の子向け雑誌…。内容には興味が持てない、チープでかわいい小物だらけ、モデルも中高生、編集部の人たちは小物はどうするという些細なものまで白熱した議論を繰り広げる…。そんな冷めた状態から、仕事を進めるうちにいろいろ見えてきた新見くんの成長ぶりが微笑ましいなと思いました。
誰しも興味のない仕事を振られることがあるよな…そんな時、私ならどうするかな…と考えながら読みました。
最後の話で、最初は些細なトラブルだったのが大きなトラブルに発展し、そのせいで一人のモデルの未来を閉ざしてしまったかもしれない…そんな気を遣う仕事だったんだな…と深く反省する新見くんの今後どうなるのか楽しみです。
千石社シリーズとして、毎回主役が入れ替わりながら1つの出版社の中のお話が続くようです。よく考えたらミステリーな要素はなかったな…。

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