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お弁当という、やさしさ。

愛知県の豊橋市というところで、一期家一笑という八百屋を経営しています。

八百屋なのですが、お野菜や果物、それらを使ったお弁当をご提供しているので、今日はお弁当について。

レストランが料理人の腕を見せる場所であるなら、お弁当はあくまで食べる人が出発点です。

お弁当を作らせていただいていると、お客様の要望をたくさん耳にするようになってきました。

お肉が多め。

子どもが唐揚げが好きだから。

ヘルシーな野菜多めで。

などなど。


あるとき、こんな要望も。

保育園から遠足で園児が食べるお弁当をつくってほしい。と。

もちろん、ありがたいお話しだったのですが、ひとりアレルギーのお子様がいるとのこと。

内容を伺うと、ぼくたちの厨房設備では、対応が難しい問題でした。


そのことをお伝えすると、

アレルギーのお子様のお母さんはすこしだけ考えてから、

「しょうがないですよね。大丈夫です。」

とすこし困ったような笑顔でおっしゃってくれました。


帰ってからなんとかできないか、考えました。

思いついたのは、
当日、他の園児たちに使うお弁当箱やそれを入れる袋、割りばしなども一式セットにして、
当日のメニューもイラストに描いて、お母さんに事前に渡すというものでした。


そうすれば、見た目はみんなと一緒なので、孤独感は薄れますし、お弁当はお子様のことをいちばんよく分かっているお母さんがつくるから安心です。


そして、当日、お子様もとても楽しい遠足だったと、

今度は心からの笑顔でお母さんはお礼に来てくれました。


このとき実感したことは、

お弁当は、あくまで食べる人のことを、どれだけ考えられるかだと思いました。


相手のことを想像力を働かせて考える、それはやさしさです。

だから、お母さんがつくるお弁当っておいしいのです。


ぼくらも、すこしでもそうありたいです。


#八百屋 #弁当


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