見出し画像

神奈川旅行【田谷の洞窟編】

続きまして、週末に行けるリアルダンジョンは同じく神奈川県にある「田谷の洞窟」。

ただはじめに断っておきますが、こちらの場所は基本的に撮影が禁止なので、一切画像はございません。なのでどうにかこうにか文章だけで説明していこうと思います。

場所は神奈川県の横浜付近という、聞いただけなら都会真っ盛りの舞台。関東圏なら日帰りでも余裕ですね。実は私も今回の旅の最後にたまたま発見して、閉館ギリギリに滑り込んで見学してきました。

定泉寺というお寺さんの中にある「田谷の洞窟」。正式には瑜伽洞(ゆがどう)というらしいのですが、一般的な呼び名の方が有名なんでしょうか。

お寺の受付を済ませると、蝋燭をいただけます。それを燭台に乗せて向かう先は、ついに待ちに待った洞窟。都会にぽっかりと浮かんだ暗闇は、まさに冒険気分。

「田谷の洞窟」は、その名の通り地下に広がる大迷路。と言ったら語弊があるかもしれませんが、なんでも宗教上の修行の場らしく洞窟としてはとっても長い全長約500m。さらに壁の崩落等の理由で閉鎖されている場所を合わせたらどのくらいになることやら。

中は基本的に撮影が禁止なので、画像的なものはあまり出回っていない様子。SNS時代においてインパクトのある画像は一番の広告でしょうが、こちらにはそれがありません。しかしそれが逆に良い、この洞窟には実際に体験してみないとわからない価値がある、そんな気がしました。

見学の所要時間は大体1時間くらい。梅雨の時期に行ったせいもあるかもしれませんが、雨の水滴が壁に染み出して全体的に湿り気を帯びているので、地面が滑りやすくなっています。それを加味しつつゆっくり回るとそのくらい。

入り口で火を灯した蝋燭の明かりが湿気のある洞窟の中でぼんやりと瞬き、消えそうになりながら進んでいきます。所々で雫の落ちる音が聞こえる以外、極々静かな空間。外界の音は一切聞こえない。

中は人が十分にすれ違えるくらいの広さで、要所に踊り場のような空間があります。そこが修行の地というか、巡礼の間のようなものなのでしょうか。仏様や干支が壁井面に描かれた小部屋があり、それを順番に回っていきます。ちなみに絵は土壁に直接彫られているので、迂闊に触ると削れてしまうようです。

洞窟内部は無数の道でつながっており、順路がなければ迷ってしまうほど。基本は一本道になるように案内がしてありますが、時折二手に分かれたりするので要注意。一度選ばなかった道を逃してしまうと、お参りする場が減ってしまうこともあります。

個人的に感動したのは、終盤に現れた通気口。空気を通す単なる風穴かと思いきや、なんとも芸が細かく、空気穴は洞窟の上部通路と下部通路とをつなげており、下から覗くとちょうど壁面の絵が浮かび上がってくるのです。行った方は是非ご覧あれ。

また更に冒険心をくすぐるのが、至る所にある潰された通路。通れる道だけでも相当な長さがあるのに、閉鎖されている部分も多く、全体像が全く掴めない。この先には何があるのか?暗闇に目を凝らしてしまう魅了があります。

何度も説明した通り、基本的には撮影が禁止のようなので最後まで画像は出てきません。しかし出来る限り言葉を尽くして説明したくなるほど魅惑的なところでした。特に私は閉館ギリギリに滑り込んだので、誰もいない道を歩けて尚良かったです。

なので色んな人に行ってみて欲しいけど、私だけの秘密にしておきたい…みたいな気持ちもあります。でも魅力的なので、とてもおススメ。

#エッセイ #コラム #小説 #田谷の洞窟 #旅行 #神奈川

作品を閲覧していただき、ありがとうございました! サポートしていただいた分は活動費、もしくはチョコレート買います。