【レビュー】博士と彼女のセオリー / 人間の挑戦に限界はない

■あらすじ

ALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病を抱えながらも最先端の研究に励み、現代の宇宙論に多大な影響を与える車椅子の天才科学者スティーブン・ホーキング博士の半生と、博士を支え続ける妻ジェーンとの愛情を描き、ホーキング博士を演じたエディ・レッドメインが第87回アカデミー賞で主演男優賞に輝いたヒューマンドラマ。物理学の天才として将来を期待される青年スティーブン・ホーキングは、ケンブリッジ大学在学中、詩を学ぶ女性ジェーンと出会い、恋に落ちる。しかし、直後にスティーブンはALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症。余命2年の宣告を受けてしまう。それでもジェーンはスティーブンと共に生きることを決め、2人は力を合わせて難病に立ち向かっていく。

引用:Filmarks

■感想(ネタバレなし)

映像や音楽がすごくきれいで、病気をテーマにしていても悲惨さが表立って出ていないし、だからといって、二人の関係を過剰に美化したりもせず、年月が経つにつれて迎える現実的な変化を描いているところは共感出来るし品のある作品だと思う。

ダンスパーティのシーンは本当に素敵です。
恋愛をすると世界のまるで自分たちを中心に回っているような気がするし、全てのものがキラキラして素晴らしいものに思える。
きっと、誰かを好きになったことがあれば、そんな経験は誰もがしたことがあるはず。

だからこそ、その後におとずれる悲劇が一層ドラマチックで残酷なものに思えるのかも知れません。

ストーリーや描写はかなり淡々としていてふわっとしています。
これは感じ方に個人差があると思うんだけど、分かりやすいものを求めている人にはぼんやりした感じで退屈かも。
病気が発症してなかなか受け止められないスティーブンがジェーンとクロッケーをして自分の体がどれだけ自由にならないか見せつけるシーンなんかは言葉は一言もありません。
だけど、言葉なんかが無くても表情や映像だけで感情の機微がひしひしと伝わってきて胸が締め付けられます。

主演のエディ・レッドメインは「レミゼラブル」のマリウス役でしか知らなくて役柄でただのイケメンアイドルみたいなイメージでいました。だけど、今回の映画の博士の演技は本当にALSを発症しているかのようなリアルさで圧倒されます。

愛する人の辛い現実を受け止めて、共に生きようと決心したジェーンの覚悟や彼にひたむきに尽くした一途さは本当に無限の愛情としか言いようが無い。間違いなく、今の彼を作り上げたのは彼女だと思う。そして彼もまたそんな彼女を愛して想っていたからこそ、ジョナサンの助けも受け入れたし介護に疲れてやつれてゆく妻を解放してあげたい、と思ったのではなのかな、と勝手に思ってしまいます。後半の二人で子供たちを見つめるシーンは本当に涙です。私たちが作り上げたものをご覧よ、とまるでどんな偉業よりも尊いものは私たちの愛なのだと言っているようで今の二人の関係性がどうあれ、心から愛し合ったことに違いないと思う。

最後の二人の出会いに時間が巻き戻される演出はハンカチ無しじゃ見られません!
時間を戻すことは出来ないけれど、どんなものにも始まりがあり今を支えているのはこれまでの自分と幸運にも出会えた尊い愛。

きっと、スティーブンにとって生きる希望をつないだのはジェーンであり、彼女の愛。それに他ならないと思う。

人間の挑戦に限界はない。どんなにひどい人生に思えても、生きていれば希望がある。 (There should be no boundaries to human endeavor. However bad life may seem, while there is life, there is hope.)

全力で、愛した。
今日が最後でも後悔しないために——


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3

ichika

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