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【レビュー】アナと雪の女王 / 個性という魔法

■あらすじ

エルサとアナは美しき王家の姉妹。しかし、触ったものを凍らせてしまう秘められた力を持つ姉エルサが、真夏の王国を冬の世界に変化させてしまった。行方不明になったエルサと王国を何とかすべく、妹のアナは山男のクリストフ、トナカイのスヴェン、夏に憧れる雪だるまのオラフと一緒に山の奥深くへと入っていく。

引用:シネマトゥデイ

■レビュー(ネタバレなし)

ありのままの姿見せるのよ/ありのままの自分になるの/何も怖くない

これはディズニー映画「アナと雪の女王」の主題歌の日本語版の歌詞だが、公開当時大変話題になっていたため、映画を観たことが無い人でも聞き覚えがあるだろう。

氷の魔力を持つ女王エルサ、そのエルサと王国を救うため冒険の旅に出るアナ、この二人の姉妹を軸に真実の愛が描かれるというストーリーだ。この映画がここまで人気になった理由は歌や映像が素晴らしいというだけでなく、主題歌の「ありのままで生きる」というテーマが現代の女性たちの思いにぴったり合致したのだろう。この歌は雪と氷の魔力があるために自分を否定し隠れて生きてきたエルサが、自分を認めて前向きに生きてゆこうと覚悟する重要な場面で歌われている。

きっと、どんな女性の心にもエルサとアナはすんでいる。幼い頃に個性(=魔力)を否定されたり他人から傷つけられて心が癒えないまま、ありのままの自分を認められず臆病になって、アナのように凡庸に生きることを選んでしまう。日本はしばしば没個性社会と揶揄され、皆と同じであることに重きを置いている。個性的でいてはいけないのだ。

「ありのまま」というフレーズは個性ゆえに社会や周囲と折り合いをつけられなくても構わないというネガティブなことではなく、個性のある自分から目をそらさず前向きに受け止めることなのかも知れない。

だってもう自由よなんでもできる/どこまでやれるか自分を試したいの/そうよ変わるのよ

そう歌いながら必死に前へ踏み出そうとする力強さに私たちは勇気をもらうのだろう。


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