ふぁなみりーでフリースタイルラップをやったらこんな感じ、という妄想

はじめに

本記事は、「fhánaカルチャーとラップをつなげたい」という発想に基づいたフィクションです。
fhánaの実在の楽曲・イベントをモチーフにしていますが、登場する人物は架空です。
また筆者はストリートで実際に行われているサイファーについてはかなり知識不足ですし、実際のサイファーに寄せようという意図も薄いです。
あくまで舞台設定としてお楽しみください。

~以下、フィクション~

本編

閲覧ありがとうございます、ふぁなみりーMC部の発起人、ウサミミガメでございます。
二年ほど前まではMC部がどうこう言いながら、TLの駄洒落に4小節単位のライミングでリプする孤独な戦いを続けていましたが。

一部ふぁなみりーのヒプマイ沼への没入やダンジョン旋風、何よりfhána本家でのkevinラッパー化計画の進行により、ラップカルチャーに興味のある人が出てきまして。

Twitterフリースタイルやラッパー沼への引きずりこみ合いを経て、いよいよ先日のfhána舞浜公演前に初の実践、サイファー(的なセッション)が行われました。

サイファーというのは本来、複数人が輪になって即興でラップをつないでいくというスタイルのことなのですが。今回はfhánaネタに絞ろうねというお題があったので、それぞれ事前に考えていた箇所も多かったようです。
ただ順番はその場で決めていたので、ストーリーのつなぎ方はライブ感ありましたね。

で、セッションを録音して文字起こしして、アフタートークを交えて紹介するのが本文です。

という訳でメンバー紹介。

ウサミミガメ
僕です。ラボ畜大学生。RHYMSTERきっかけでラップにはまりました。

PUPPY-T
パピちゃん。この前に大学進学したばかりの女の子です。Tは愛犬のトイプードルとtowanaさんからだそう。突っ込みの鋭さと回転の速さには定評。

Z指定
社会人のお姉様。普段はほんわりしているのですが、カラオケやライブになると獣のようです。
元からヒップホップは好きだったそうで、こんなにオマージュ分かりやすすぎる名前ある……?

末葉(すえば)
男子高校生。名前の通りご家庭では末っ子だそうですが、センスの成熟具合ではこの中でも最もオトナでは。

というメンバーで。アンフィシアターの前の広場にて輪になり。
ひとり8小節×4人×2周、計64小節。
トラックはZさんが編集した、「Relief」前奏の後半8小節のループ版です。
ジャンケンで順番を決めた所で、セッション開始です。

1. Z指定

始めようじゃない、オタクのサイファー
fhánaがつないだYouとmeとの対話
好きな音とビートの間
好きに揺らせばいいじゃん腕(かいな)

どの辺から始めるかなと思ったら、ど真ん中から自己紹介的に。
aiaで踏むという王道な選択ですが、「meとの」「ビートの」で踏んだり、後半で「好き」重ねているのもナイス。

「この街は虚像じゃないか」
よりも大きな声で「ただいま!」
リリカルでリテラルなあなたの
愛のリリック、聴きたいな!

この辺から曲の引用が入ります。
「reaching for the cities」「lyrical sentence」に、「サイファー」といえばな「Cipher」まで。「ただいま」はFC名のhomeを連想させたり。
そして後半で次ターンにつなぎます。

2. ウサミミガメ

ほつれそうなカーテンは非対称
その旋律が刺さったのが最初
壊れた言葉と、街の奏で
冬に凍える心にlight

僕です。まずは「Cipher」を掘り下げてから、アルバム「View from New World Line」の曲たちに。
ただ僕がfhánaに触れたのってWWWLからだったので、CipherからNWLみたいなルートは後追いなんですよね……

辿り着いた憂鬱の向こうから
時は刻み巡る飛ぶように
世界の浄化に負けないように
新しい定義の強さを装備

そして「Outside of Melancholy」と「時を刻む唄」にタッチしてから、2ndアルバムの「Antivirus」「ワンダーステラ」に落ち着かせます。
1stでもう少し踏もうと思ったんですけど、ou(i)で見つけたのがこの2曲だったのでそちらに。

3. PUPPY-T

え、2ndまではちょっと行き過ぎ
だってその前の曲も好きすぎ!
神曲ばかり生まれたよ次々
奈良でハマっていたよスピスピ

僕の展開への突っ込みから入るという鋭さ。しかも煽る仕草までご丁寧に入れてましたからね~。
脚韻でコンボして最後にスピスピ=スピラ・スピカ(fhánaファンを公言しているバンド、元気で格好いいです)のを持ってくるという爽快感。

未来のことなんて予測不能?
だけどスウィンギングして歩こう
春夏秋もモノクロの冬も
ソナタと奏でるインターリュード

言葉通り、1stから「ケセラセラ」「スウィンギングシティ」に触れて。
最後にアルバム「ソナタとインターリュード」にパスです。そらメソ好きを言い続けていた末葉くんが超嬉しそうでした。
ちなみにラスト、「冬のソナタ」「そなたと奏でる」あたりも絡んでていいですよね。パピーさん曰く「どこかで言いたかった」とっておきだそう。

4. 末葉

ほんとは泣きたかった夜を越えて
fhánaとみんなに焦がれる孤独を終えて
ほんとにほんとに会いたかったよ
約束はいま叶ったよ

「約束のノクターン」「春を待って ~Joyeux Noel!~」より。二重に踏みながらも「ほんと」を連打していたり。

Planning されたStageへとGo
始めよう、「にっこり」のメソッド
だって隣は夢の国だし
空も飛べそうだし虹も編めそう!

そらメソOPアーティストのLarval Stage Planningに触れつつ、舞浜でのライブ前という状況を引っかけます。そして「虹を編めたら」で改めて2nd ALにパスです。ここから2周目。

5. Z指定

叫ぼう!「素敵な世界線」
そりゃ依然、社会はだいたい大変
だけど灰色に見えた世界に一転
して色彩、奇跡を何度でも再演

前パートの終わりに被せるような「叫ぼう」に始まり、「What a Wonderful World Line」「The Color to Gray World」を混ぜます、Color toが大好きなZさんらしいチョイス。

分かり合えないことこそ希望らしいって
概念を実感した魂が
最善をキュレーションするリテラシーで
分かり合う、「今は素晴らしい!」

「Critique&Curation」も入れつつ、しっかりとWWWLのテーマに沿います。

6. ウサミミガメ

名前のない色同士が共存して
世界は回り続ける今日も
命短し恋せよ少女
ならば愛しきその名を呼ぼうよ

もう少し2ndに沿って、虹編めとWWWLとワンダーステラに触れながら「その名を呼ぼうよ」を召喚、前からやりたかった流れを引き寄せます。

歩けば陥穽、無数の穴
そんな社会を照らすような月の花
完成された歌声は永遠の罠
そんな君の名は?to-wa-na!

鷲崎健さん命名の「永遠の罠、towana」から着想した、最後に「と・わ・な!」と叫ぶ流れです。他の3人も途中で察してくれたらしく、「来る?来る?」みたいなノリで最後に合わせてくれたのが楽しかったです。

7. PUPPY-T

夢の外側に連れ出された
迷える僕らを見つけてくれた
さながらお互いへのユーレカ
歌と笑顔が交錯すれば

そろそろ次のアルバム行かないと、というタイミングを読んで。3rd ALと、「僕を見つけて」を汲んだフレーズです。

もう見失わない世界地図の在り処
今日も追い続ける一途な愛が
水のように広がり続け
胸に火を灯す色彩さ

「World Atlas」に「STORIES」までカバー。過去曲に触れるのは済んだからまとめに入ってね、というムードでパスです。

8. 末葉

fhánaがfade in した日々
illuminate された毎日
歌と交わしたnarrativeな契り
つなげたのはdivineな導き

ここに来てこのツアーの各ライブのテーマを順に織り込んできました。fade inに関しては大阪公演後のリアクションからの発想もあったようで。

さあ、祝祭を始めよう
今日も確かめよう、僕らの希望
「見つけてくれて、ありがとう」を
魂まで届けにいこう、Let's GO!

ストレートなライブへの思いを綴りつつ、「わたしのための物語~My Uncompleted Story~」を思わせるフレーズで締めです。

同じ題材でお互いの思考が読めるだけあって、いいパス回しに仕上がりました、次はもっと長めの尺で、お題とかも決めずアドリブ色を強めてつなげられれば、と思う所です。

~以上、フィクション~

あとがき

……という訳で。
文字通りに「自画自賛」な内容ではありましたし。
そもそもラップとは声に出してこそ、という突っ込みもその通りなのですが。

僕が思うラップ・ライミングの楽しさと、fhánaの魅力と掛け合わせて伝えたいという感情は割と強かったもので。もっと上手く踏めるやろという反省こそあれ、まずは一歩という達成感も割とあります。

質はさておき、こんな発想する人は相当にレアだと思いますし。

おすすめヒップホップの記事はまた書こうと思うので、他のふぁなみりーに興味持つ人が増えてくれたら嬉しいですし、ライミングから気になって読んでくださった人はfhánaに興味持ってもらえると嬉しいです。

お読みいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?