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Nobody Loves me

※「世界のまんなか」重版御礼

何だか、自分がくらげになったみたいな気分だった。旅先の温泉宿で転んで、目覚めてからずっと。頭を打ったせいか記憶に曖昧な部分が多く、最初は、自分の周囲の現実がふわふわと頼りなく感じられたが、やがて違うと思えた。
かたちを保てず、漂うように息をしているのは自分だった。世界のほうが、そんな自分を持て余している。国江田さんは不安だった。

※この続きは「OFF AIR2」に収録されております。

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