※「世界のまんなか」＆「おうちのありか」重版御礼、ならびに国江田さんお誕生日こばなし。

　正月休みも残り十分を切った夜、計の携帯が鳴った。私用のほうだから、両親のどちらかだ。計はつまらなさそうに画面をちらりと見やり、また携帯を枕元に戻す。
「メール？　何て？」
「誕生日おめでとうって」
「え？」
「もう寝るからフライングでお祝いしとくね、だって」
「待て、お前ひょっとしてあした誕生日？」
「うん」
「え、言えよ」
「何で」
「祝いたいじゃん」
「いらねーよ、ガキじゃあるまいし」
　ケーキはクリスマスに、いいめしは年末年始に食べたので別に何もいらない、と計は言った。お年玉時期とも被っているので、家庭内でも特に催しを開く習慣はなかったらしい。
「欲しいもんは？」
「ねーって」
「してほしいこととかさ」
「じゃあマスゲーム」
「どこの国の王さまだよ」
　

※この続きは「OFF AIR3」に収録されております。