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~第36回~ 「百味膳の話」

11月30日から始まる大湯祭(だいとうさい)は古くから伝わる特殊神事で、延宝年間(1673~1681)の社記には既に大湯祭の文字が登場しております。

本祭は12月10日に執り行いました。
本祭では米、酒、百味膳(ひゃくみぜん)、菱餅、海老、長芋、串付の大鮒をお供えいたします。
この百味膳(百取膳とも)は、海川の物八種、山野の物八種で一膳とし、種々の神饌をすべて熟饌(調理した神饌。神職が10日間の参籠潔斎のうえ調理します。)にして、本社三座六十膳(各二十膳)、摂末社十膳など百膳をお供えするものです。

「百味膳」を始めとする神饌は、神様へのお供えものであることは勿論ですが、先人の食文化・生活を私たちに教えてくれると同時に、当時の方々の信仰心の篤さを今に伝えてくれます。

食の実りを通じて感じる神様と私たちの絆は、これまで地域を大切に守ってくださった先人との絆でもあります。

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〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

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