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~第49回~「浦安の舞と祈りの心の話」

2011年3月11日14時46分に東日本大震災が発生しました。
本年は発災から10年の節目を迎え、当社では同日同時刻に「東日本大震災復興祈願演奏」を行い、浦安の舞を奉納いたしました。

浦安の舞は、巫女によって舞う神楽舞(正式は四人舞)で、前半は扇舞、後半は鈴舞で構成されています。
皇紀2600年にあたる1940年(昭和15年)11月10日に開かれた「皇紀二千六百年奉祝会」に合わせ、宮内省楽部長であった多忠朝が伝統的な神楽舞を基に作曲作舞されたものです。
全国でも一斉にこの舞を習得し各神社で奉納しましたが、埼玉県では氷川神社が講習会の会場となり、県内の巫女や氏子、神楽師が集まり、浦安の舞を習得をしました。

この舞は1933年(昭和8年)に昭和天皇が詠まれた御製
『天地(あまつち)の 神にぞ祈る朝なぎの 海のごとくに 波たたぬ世を』
が歌詞になっております。
戦争の色が濃くなる社会情勢に加え、関東大震災という未曾有の災害を目の当たりにされた昭和天皇が、災害のない世、戦争のない世へ、波風たたぬ平和な世を祈り詠まれた歌です。
この祈りの心を絶やすことなく未来へ紡いでまいりましょう。

被災された方々に改めてお見舞いを申し上げるとともに、皆様の安寧と被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕



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