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~第194回~「的神事」

2月7日、武蔵一宮氷川神社で的神事が斎行されました。
これは、的の裏側に「鬼」と書き、それを弓矢で射抜く行事です。

古くは流鏑馬の神事として、旧暦の1月7日に行っておりました。
現在は本殿祭の後、奉射の儀により邪を祓います。
神前には通常の神饌に加え若菜御飯をお供えし、祭典終了後、境内に設営された的場で、神職と弓道家が弓矢で的を射ます。

このように年頭に行われる弓矢を使った神事は、関東では「オビシャ」とも言われており、他にも的射、百手、弓祈祷などの名称があります。
オビシャは特に千葉県北・中部地域で盛んに行われた歴史があり、いずれも年の始め、1月から2月にかけて行われます。
弓を射て、その年1年の農作物の作柄など神意を占う予祝(よしゅく)行事でした。

予祝行事とは、新春の耕作開始に先立ち、小正月に豊作を祈って行う前祝いの呪術行事のこと。
日本人が古来大切にしてきた五穀豊穣への祈りが形になったものです。
地域によってはその年の豊作を祈って田植えから豊作までの様子を模擬実演することもあり、日本民俗学では「田遊び」と言います。

予祝は個人のための前祝いではなく、地域で生きる人々が共有する祈りの心。
大切にしていきたい心ですね。

〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

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