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~第155回 ~「蛍の話(後編)近代の芸術家たちと蛍の話

さいたま市立博物館所蔵の美術品のひとつに「木版画 大宮見沼川」があります。 版画家の川瀬巴水(1883~1957年)による木版画で、1930(昭和5)年の作品です。

川瀬は近代風景版画の第一人者であり「昭和の広重」「最後の浮世絵師」など称えられた芸術家でした。 この版画では、夜の見沼川沿いの中、飛び交う蛍と人家の明かり・・・そんな当時の大宮の風景が描かれています。

見沼の源氏蛍は氷川神社から皇室に献上されたこともある、地域を代表する風景のひとつでした。 絵画といえば、氷川神社は横山大観(1868~1958年)とも縁があります。

横山大観は言わずと知れた近代日本画壇の巨匠です。

その大観の作「秋色武蔵国」は現在、さいたま市指定文化財となっていますが、もともとは氷川神社社殿の造営を記念して1939(昭和14)年に氷川神社に奉納されたものです。

この絵の右下には、神社や皇室に納める作品に使われた「大観謹写」の落款がみられます。 氷川神社の遠藤権禰宜によると「横山大観の奉納絵画の御礼は蛍でした。」とのこと。

ここでも蛍が登場します。 近代の著名な芸術家たちとご縁がある大宮・氷川の蛍。

それは蛍の名所として知られていたからこそのご縁だったのです。


〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕


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