高山が作家として更に飛躍することを願い創作活動を支援したい!~エッセイ「ガーターベルトの女」の作品化を目指して【492】

妄想家・夢想家無名居士の
夢物語の記録です
無名作家 高山のエッセイ
「ガーターベルトの女」の
映画化芝居化 
その他いろいろ作品化できれば
なんて途方もない夢を観ています

📖 高山のエッセイ~『君が僕を知ってる』

2017/08/27

もう十数年も前の話しだ。

その頃僕は広島県に居た。

そこで、一時的にトンネル工事の事務をしたり、あちこちの現場を手伝いに行ったりしてた。

父の会社倒産後に行った会社は、外の仕事では一流だったがトンネルに関しては、まだまだ始めたばかりで、僕のような雑用が欲しかっただと思う。

広島県の市内に一軒家を借りて、父と住んでいた。

給料は悪くないのでその仕事を受けたが、正直現場の方が良かった。

三十代の頃だった。

良くバスで市内まで出ると、夜の街に繰り出した。

帰りはタクシーだったが、少しでもお金が勿体なかったしバスも良いものだった。

広島県は幼少期を過ごしていたが、すっかり発展していた。

街はすっかり大きく発展していたが、昔住んでいた団地に行くと寂れていて驚いた。

そういう時にAから電話があって、そっちに行くけど会えるかと行ってきた。

Aは、十代の頃からの友人でヤクザになっていたが、会社倒産時も助けてくれたし僕にはヤクザのAと言うより友人だった。

Aもそう思っていたが、どうしても住む世界の違いは出てしまった。

それでも、一番大事な友人であることは変わりななかった。

僕は退屈してたのもあって、Aが来るのを喜んだ。

市内で待ち合わせすると、高級車で僕を拾うとホテルに行った。

ホテルは、何の変哲もないビジネスホテルだった。

Aはバックをベッドに投げると、シャワー浴びたら何処かで飯を食って飲みに行こうと行った。

Aは、ジーンズに革ジャンというラフな格好に着替えて、二人で何件か梯子した。

相変わらず酔わないようだった。

最後に、僕が当時付き合っていた十九才の女の子の店に行くと、何かの話しから最近は親父狩りが流行ってるとなった。

Aは、どの辺りでそれが流行ってるのか聞いたが、女の子もだいたいしか知らなかった。

Aは俺達も親父だな。それなら、親父狩りを更に狩ってやろうと笑った。

他の女の子にも聞いたが、だいたいの場所しか分からないがあちこちで起きてるのは間違いないようだった。

Aは店を出ると、取り敢えず行ってみようと言い出した。

僕は、あー!始まったなと思った。

そういうイタズラのような事が好きな男だったから、止めても無駄だと思った。

そこは、飲み屋街から少し離れた河川敷だった。

僕はその辺で石を何個か拾うと、ジーンズのポケットに入れた。

Aはそれを見て、相手は高校生とかだろう。びびってるのかと笑ったが、僕はもしもって事が有るだろうと言った。

Aは、まあ何人もに囲まれたら武器もないし、十代の時のように逃げるかと言って笑った後に、考えたらあの頃のようには走れないなあと言う。

まあ、何とかなるよとAは呟いた。

革ジャンにジーンズにブーツで薄いサングラスを掛けた僕達は、まるで双子か刑事ドラマの安っぽい相棒のように周りに見えたかも知れない。

身長差が約十センチほど有るのも何だか、でこぼこコンビのようでもあった。

河川敷を歩くとホームレスらしき人達を沢山見かけたが、酔って寝てるおじさん等は居なかった。

親父狩りってよりもホームレス狩りかもな、僕が言うとAも頷いた。

しばらく河川敷を歩いているから、自販機で温かい缶コーヒーを二本づつ買って二人で地べたに座って飲んだ。

煙草を吸いながら寒いなと笑う。

Aが着ていたのが黒のショットのボア付き革ジャンで、僕が着ていたのが黒のA2と言う米軍定番の物だった。

Aが突然、歌いだした。

「今までしてきた悪い事だけで、僕が明日有名になってもどうって事ないさ、まるで気にしない君が僕を知ってる」、これってタイトル何だったかな?

と聞いてきた。

僕は即座にRCサクセションの『君が僕を知ってる』だよと答えた。

そして、そのショット良いなと言うと、Aはお前は良く覚えてるなと言って、これなら後でやるよと言った。

『君が僕を知ってる』を、今度は僕が歌いだすと自然に二人で歌った。

三十代を少し過ぎたとはいえ、僕らはまだ親父にはほど遠かったのを今では思う。

そうしてると後ろから、金髪やロン毛の若い連中が何を歌ってんだよ、と五人で来た。

Aは歌を辞めずに懐から拳銃を出して、リーダー各らしきロン毛の若い男に銃口を向けた。

僕は、笑いそうになりながら歌い続けた。

若いロン毛のリーダー各らしき男は、マジかよとか言いながら後退りして皆逃げた。

しばらく、何度も『君が僕を知ってる』を歌い続けた。

缶コーヒーを二本飲むと、立ち上がって広島名物のお好み焼き食べに行こうとAが言ったから、旨い所を知ってるよと答えながら肩を思い切り叩いた。

最初からそんなもの持ってるなら言えよと笑うと、Aはいや使う気なかったけど久しぶりに気分良く歌ってたからなと答えた。

狭いし薄汚いが、地元民が美味しいと言う深夜までやってる店に行った。

Aは、広島のお好み焼きも旨いんだなと感心した。

そして外に出ると楽しかったと言って、RCサクセションのCD買うかと呟いて僕に革ジャンを脱いで渡した。

通りがかりのタクシーを拾うと、また連絡するとだけ行って去った。

十数年絶った今でもその革ジャンは、僕は愛用してる。

Aは背が高かったから40を着ていたせいで少し大きいが、冬場に中に着込めば丁度良かった。

四十九歳になってAはこの世に居ないが、お互い悪い意味での親父にはなってないと思う。

今でも、皆が良いと言っても嫌な物は嫌だし、迎合する事を極力避けている。

多少は丸くなったが、譲らない所は譲らない。

Aは、そこが余りに尖りすぎたのかも知れない。

それは分からない。

しかし、RCサクセションの『君が僕を知ってる』のように、僕はAを良く知ってる。

それだけは言える気がする。

夏に革ジャンの手入れをしながら歌を口ずさんでいたら、この話しを思い出した。

また夏が終わって秋が来て、冬が来れば着るだろう。

おそらく、一生着るのだろうと思う。

Aはそういう僕を、あの世で笑いながら見てくれてると思う。

おわり

📖管理人・無名居士の 童話『花物語』〜お花さんは歌が好き

花の行商をしていたおかあさんから
お花の話を聞いて育った少女は
大きくなって念願のお花屋さんを開きました
少女のもう一つの夢は
子どもにお花のお話をすることでした
おかあさんがしてくれたように・・・

お花さんはね
みんなといっぱいお話したいと願っているのよ
それからお花さんは歌が大好きなの
お花さんに「歌を聴かせてくれる」ってお願いしてごらん
きっとあなたのために歌ってくれるから

 私は今日もあなたを待っています
 あなたと逢えるのは年に一度だけ
 あなたは何も言わずに
 私を見つめるだけ
 それだけでも私は嬉しいのです

 最初に好きになったのは私
 ずっとあなたの姿を追っていました
 あなたを一目見たときから
 あなたを好きになってしまったから
 好きになるのは理屈じゃないのです

 花は見られているだけじゃないです
 花も人を見ているのです
 花を本当に愛してくれる人を
 そして愛したいと願っているのです
 花を愛する人を  私は今日もあなたを待っています
 あなたに逢いたいと願っています
 でも心のどこかで思っているのです
 あなたに逢えない方がいいと
 あなたにとってはその方がいいと

 私があなたを愛して
 あなたの心を癒せるのは
 ほんの短い間だけ
 あなたの心をずっと支えてくれるのは
 私じゃないって分かっているのです

 あなたが私を必要としなくなったときこそ
 あなたが本当の幸せを見つけたときです
 あなたのためには
 あなたに逢えない方がいいのです
 その方がいいのですその方が

 私は今日もあなたを待っています
 まだしばらくは時間があるから
 逢えずにお別れすることになっても
 そのときはあなたが幸せになったとき
 あなたを愛した私も幸せになるときなのです


  まぐまぐ!「花を歌うかな」'08/10/17 No.1239 から転載

📖 高山の作品から〜「Yとの嬉しい再会 7」

Yのシリーズ続いてるけど、トンネルって特殊な仕事とやはり耳のハンディあってもやれるってのを描きたいですね。

それと、決して皆が仲良しでは無い世界でも、男同士の結束って凄いんだよと言うのを伝えたいです。

実は、トンネル関係の仕事は男がほとんどだから男らしいと勘違いされますが、そうでは無いです。

競争ですし、一種の嫉妬とか派閥とか直ぐに出来ます。

女性の世界より醜い面も多々あります。

それでも、男らしい男がまだ残ってるってって言うのと、独特の人間が居るって事を今回のシリーズは描きたいです。

Yと初めての現場での話しです。

二人とも若かったです。Yが三十代に入ったばかりくらいで、僕が三十二歳くらいでしょうね。

Yは、何時の間にか僕の部屋が一人部屋になったから来て、相部屋にしました。

●●ちゃんなら気が楽ってのが理由です。

確かそれまで従兄弟と一緒の部屋だったから、従兄弟との反りが合わなくなったのも有ったのかも知れないです。

Yは、プライベートな事は余り言いたがらなかったけど、それでも彼が苦労してるのは色々聞きました。

僕らはタイプ違ったのに何故か気が合って、Yも他の人には話さない事を話してくれましたね。

それと当時、たまに近くのレンタルビデオ店に行くんですが、Yは僕が行こうと言うとタイトルとか見ても悩むから、僕にバイクが出てる映画を借りて来てと言いました。

ハーレーに乗ってて、バイクには非常に愛着あったからバイクが出てるのを観たいんですね。

映画を観たいと言うより、外国人がどういう風にバイクにカッコ良く乗るかを観たかったんですよ。

ボディービルのように身体を鍛えたのも、バイクは好きだけど速いバイクが好きなのにハーレーにしたのも、ターミネーターの影響からですからね。

しかし、借りて来ると内容を良く観てなくてバイクシーンばかり観てるから、ところでどっちが悪役なの?とか、どういうストーリーだったのととか、とんちんかんな事を僕に良く聞いてましたよ。

それでも、お互い気楽でしたね。

トンネルの掘削の仕事も一段落した時に、元請けの若い生意気な職員を罠に掛けようと、当時の掘削の班の班長が言い出しました。

この職員は、図面通りに行かないと気に入らないし、それを言い過ぎるので嫌われてました。

班長はイタズラ心で、あいつを少し懲らしめてやろうでした。

僕が二十代の頃は、気に入らない元請けの職員は現場が終わったら、皆に本当にリンチに近いような目にあったのも有りました。

しかし、この頃はもうそこまでしないって感じでしたね。

気に入られてないと分かってる職員は、現場が終わって飲み会になるとその場を逃げたことさえ昔はあったんですけどね。

まあ、その時はイタズラです。

しかし、けっこうハードなイタズラでしたね。

たまたまコンクリートミキサー車に、幾らかコンクリートが余ってたんですね。

それを知った班長が、トンネルの外に機械で穴を掘り始めました。

そして、周りに要らないブルーシート持って来いと言いました。

穴を掘ってそこにブルーシートを掛けて、その上に土を上手く乗せて落とし穴作ろうとしたんです。

そこに、その嫌われてる元請けの若い職員を呼んで落とそうでした。

その日は、かなり暇で僕ら見てましたね。

トンネルは、機械の故障や仕事の一段落で凄く暇な時が時々有ります。

そしたらYともう一人、コンクリート班の四十代半ばの人がコンクリートを練りに行きました。

僕は、イタズラにそれを使わ無くて、誰かに何かでコンクリートが必要だと言われたんだろうなと見てました。

しかし、Yと四十代半ばの人が戻ると、その落とし穴用のコンクリートを5リューベ練って来ました。

僕は、イタズラで余ったコンクリートを使うのは良いけどわざわざ練って来たのに驚きました。

あくまでもイタズラだから、5リューベ練るって事はそれだけのお金も直ぐには掛からなくても発生しますからね。

班長の命令だと思ってたから、班長もやり過ぎじゃないのかなあです。

穴を掘り終えたら、班長は元請けの若い職員を呼びに行ったから居なかったですけどね。

穴の中には、残ったコンクリートと5リューベのコンクリートを流し込んで、急いでブルーシートで隠して上から土を被せました。

僕も手伝ったけど、かなりの量のコンクリートになってしまって、こりゃ大丈夫かな?でした。

大丈夫かな?は、若い職員が大丈夫かなより、ここまでの事をしてしまって良いのかな?です。

その頃居た会社は、無駄を極端に嫌ってましたからね。

班長が、若い元請けの職員を上手く連れて来て自分自身は脇に避けて、元請けの職員が穴に落ちるように上手く誘導しました。

僕達は、無駄とかより成功するかに興味が移りましたね。

見事に、若い元請けの職員は穴に落ちましたよ。

そしたら班長が、コンクリートの量が余りに多いのに気付いて、誰がこんなに持って来いと言ったんだと、けっこう怒り始めました。

そこに、うちのおじさんである下請けの所長がたまたま来て、こりゃ要らないコンクリかよと言いました。

おじさんはイタズラはどうでも良くて、要らないコンクリを使ったなら良いけどです。

そしたら、誰も何も言わないんですよ。

元請けの若い職員はコンクリートでどろどろでしたが、それより要らないコンクリを使ったのかの方が重要になりました。

誰も何も言わないから、おじさんも班長も段々と怒って来て、お前達要らないコンクリ使ったのかと皆に再度聞きました。

その時、Yが前に出てきて、コンクリートが多い方が面白いって思って、勝手にコンクリートを練りましたと言って来ました。

僕は、一瞬馬鹿をやりやがってと思ったけど、Yが自分自身の判断でそんなのするかな?と思いました。

Yは、そういう点きちんとしてたから、誰かに言われたのではです。

班長がYの頭を軽くはたいて、要らないのを使えよでその場は収まりました。

おじさんも班長も、Yの独断でこういう馬鹿をするわけがない、と判断したんだと思います。

だから班長が、その場を収める為に軽くYをはたいたんだと思います。

所長のおじさんも、気を付けろよだけでその場を去りました。

元請けの若い職員は、コンクリートでどろどろで急いで宿舎に戻ったけど、その場の雰囲気はそんな事はもうどうでも良いになってて、シラケましたね。

元請けの若い職員にしてみたら災難ですし、その後は大人しくなりましたし、元請けからも何も言われなかったです。

元請けも、その若い職員が嫌われてるって分かってたから、その程度では言わなかったんでしょうね。

もしかしたら、おじさんである所長が、その辺り元請けを抑えたのかも知れないですけどね。

その日に、Yと数人で部屋でお酒を飲んでると班長が来て、僕を呼びました。

班長は、お酒が飲めない体質でしたが、皆と飲む場所に居て楽しく話すのは得意でしたね。

この班長は、現場に最初から居て最後まで居ました。

うちのおじさんや僕達のグループは、後から合流してるんですね。

そういうのも有るのか、実質的現場のリーダーはこの班長でしたね。

うちのおじさんの所長は、大きな事が起こらない限りはそれほど周りに、ガミガミ言わなかったです。

僕は言われましたけどね。

おじさんの所長は、肝心な所だけをきちんとして言ってましたけどね。

細かい人間関係の調整等、この班長がやってました。

この班長は、子供の頃から僕は知ってて、評判は分かれる人でした。

前に書いたけど、人のフィリピン人の奥さんを寝取った人ですが、この現場ではリーダーシップを発揮してたし、僕に対してはとても良くしてくれましたね。

この現場では非常に良かったけど、ケータイ電話も数年に一度は番号を変えるような人で、僕のおじさんに言わせたらアイツはあの現場では良かったけど、人間としては良くないぞでした。

僕はとても良くして貰ったから、何とも言えないんですけどね。

班長は、当時四十代後半になろうとしてたくらいです。

その人が僕を呼ぶから、宿舎の廊下で二人で話すと班長が言うには、コンクリートを勝手に練ったのはコンクリート班のYと一緒に練りに行った、四十代半ばの人だと言うんですね。

その人が勘違いして、Yに命令してYを連れてって二人でやったようです。

Yは、コンクリート班のその人が言うから、誰かの命令だろうと勘違いしたようです。

僕はあー!なるほどでした。

このコンクリート班の四十代半ばの人には、ほとほと困ってましたからね。

勘違いが多すぎるんですよ。

本人悪気は無いんですが、トンネル作業には向かない人でした。

その後、しばらくして辞めて地元に戻って木を倒してて、そのまま木の下敷きになって亡くなったようですけどね。

トンネルのように、ハードである種の勘がないと無理な世界では向かない人でした。

亡くなった人を悪く言いたく無いけど、この人には本当に参りましたからね。

しかし、今回の新しいコンクリートを勝手に練ったのは、Yだけが罪を被ったんですよ。

班長は、その人をかなりきつく問いただしたようで、明日には皆に謝らせるからとの事でした。

僕は、それを聞いてまあ、そうですよねと、Yが一人で勘違いするわけないですからねと言いました。

次の日の朝礼の時に、犯人の四十代半ばの人が皆の前でなかなか謝らないから、班長が苛立って自分自身で昨日の件を説明しましたよ。

犯人の四十代半ばの人は、下を向いてましたね。

犯人の人は自分自身で言う度胸とこのまま、無かった事にしたかったのかもです。

Yも同じように下を向いてました。

まあ、これで終わりって事で僕は良かったなでしたから、Yにも良かったじゃないと言ったら、別に自分も勘違いしたんだし一人が犯人になれば良かった、とYは言いました。

当時の僕は、そりゃお前違うよと言いました。

しかし、今思えば事が大きくなってしまい、自分自身だけが責められならそれでも良いって、いかにもYらしいんですね。

自己犠牲と言うと大袈裟ですが、Yは耳のハンディでそれまで色々な目にあってたと思います。

事を余り荒だてないと、自分自身が多少の損をするのは特に気にしないって感じでしょうね。

そこに庇った自分は偉いとか無くて、事を荒だててしまいたくないってあったと思いますね。

これが、耳のハンディがなければ、そういう風にならずに居たのかも知れないですけどね。

そこは、正直、当事者しか分かりませんよ。

僕に対して、●●ちゃんは何か起こってそれが自分自身のミスで無いなら、若い頃は激しく戦ったみたいにYは言います。

それがあったから、今の僕があるのではとも言いますね。

確かに僕はそうでした。

Yは違う方向を選んだんだと、今は思います。

どっちが良かったとかでなくてそれは、個人個人の心にしか分からないのかも知れないです。

Yは、そうして自分自身を守って来たのかも知れないです。

  

だけど、僕が今思うのはそれは、とても苦難のある道で、ある種の強さがないと出来ないなあです。

人には、多分それぞれの身の守り方があるのかもですね。

今のYもそれは変わらないですが、今、彼が皆に認められて良い仕事を出来てる事に、僕は素直に良かったと思います。

Yの道は、困難な道だったろうからですね。

当時は、何でお前はそこで言わないんだでした。

しかし、今は多少は彼の気持ち分かりますよ。

多少ですけどね。

そういう中で、僕が彼にどれだけの助けをこれから出してやれるかだと思います。

Yに無い部分を僕には有りますからね。

勿論Yもいかに仕事で僕に報いてくれるかです。

そういう関係に、外側から見えなくてもなりつつ有りますね。

この話しも何となく覚えてたのは、Yが少しだけ話したので思い出しましたよ。

歳を重ねると、やっと少し見えるものも有るんだと最近思いますよ。

それは、誰にでも見えるかと言うと分からないです。

良く観察する事と、肩書きとか見た目に左右されない事が大事なのかなと思います。

まあ、僕も出来てないけど肝心なのは、今は、Yが良い環境で仕事出来てるって事ですね。

おわり

📖「ガーターベルトの女」の映画化のためにエッセイをお読み下さい・・・「ガーターベルトの女 9」

Mの事を延々続けてるから、僕のファンは何してるのだろうって人も居るだろうけど、そういう人は仕方ないです。

読みたい人が読めば良いんですよね。

サイトに書くのと違うのは、所謂原石をここに置いておきたいのと、サイトで書けないのを書いてる。

それとセックスの事は細かく書こうと思えば書けますが、それをするのはこの話しの根本からずれそうなのでなるべく控えてます。

自分自身、今はMの事を書くのに乗ってますね。

理由の一つは、今は色々あって苦しいですが、Mの事を書くことで忘れられてる。

それと、やはり書いてたら色々思い出します。

書くって事の一つの特徴と言うか、書くことで思い出すってありますね。

今回は、Mと一つのエピソードを紹介します。

Mは、いたずら好きで強い女である部分でクールでしたが、うちの犬とは面白い関係でした。

うちの犬は、僕が二十歳位の時にいきなり帰省すると、家も新築されてるし犬も居るという状況でした。

家は借家から一気に大きくなってて、え!?でした。

僕には情報が全く来てなくて、驚きましたね。

当時は、京都か福岡に居たと思います。

その辺りの記憶は定かではないけどね。

家の新築も驚いたけど、犬ですよ。

僕は、子供の時に噛まれて以来犬が苦手なのに、何時の間にか飼ってるし、です。

それもグレート・ピレニーズです。

僕が初めて見た時は、小さい真っ白な可愛い犬でしたが、これが大きくなるのを知ってたから、何故だです。

妹が欲しがって父と見に行って、父が気に入ったらしいです。

しかし、メスですが成長したら四十キロ位になるんですよ。

それを、犬嫌いの僕が居るのに飼うとは、です。

犬嫌いって言っても、見るのも嫌だとかでないし、小さいのなら大丈夫でした。

見るのは好きでしたよ。

当時は、妹と父が飼うなら仕方ないか、です。

名前をBと付けました。

仮名ですよ。このBは、その後非常に煩わせながらも、我が家の一員になります。

家の新築と大きな犬が、我が家の一時的な隆盛を物語ってますね。

その辺りは詳しく、いつか書きたいですね。

Mと知り合った頃は、もうすっかり成犬でした。

立つと僕の肩くらいまでくる大きい犬で、最初は、成犬になってからは僕はビビってました。  

それでも慣れて来て、散歩を一時期させてましたが、大きいから引っ張られるんですよ。

自分自身の行きたい方に行こうとするんですよね。

ある時、Bがどうしても言うこと効かないから怒ったら反撃して来まして、その時に、あ!俺は犬が苦手だったと思ってびびったんです。

それからBは、僕を見下すようになりました。

犬には家族のランキングが有るようで、僕は一番下のランキングになってましたね。

散歩の時に反撃された時に、強気に行けば良かったと後から言われますが、時は既に遅しです。

それでもBとは仲良くやってましたよ。

Bはかなり広い庭を与えられてて、外からも見えました。

Mは、僕が当時住んでた元会社の事務所の部屋には余り来てないけど、Bを見てから驚いたのと可愛い、で触りに来ました。

Mに、犬を飼ってたのかと聞くと飼ってないけど、可愛いじゃんでしたが、飼ってないとBはじゃれてるように飛びかかるんですよ。

飼ってる人には犬の匂いが付いてるのか大丈夫でしたが、飼ってないと危ないな、でした。

やはりMが撫でようとしたら、飛びかかりました。

本人はじゃれてるのか、相手を試してるんですよね。

Mは、飛びかかられてもそれを受け止めて、頭を撫でました。

普通は、初めてそれをやられると大人の男でもビビりますが、Mは全くビビりませんでした。

しばらくするとBが鎮まって、尻尾を振りだしましたよ。

Mを認めたって合図ですね。

しかし、飛びかかった時に爪でMの腕に引っ掻き傷が出来てて血が出てるから、大丈夫か?と言って救急箱を持っていきましたが、Mは消毒して絆創膏貼ったら遊んでました。

ナウシカか、と笑いましたけどね。

Mは、貴方はビビり過ぎだよと笑いましたが、Mはビビらな過ぎでしたね。

散歩にも何度か連れていったけど、BはMを気に入ったようで、妹や父と同じくらい大人しく従ってました。

Mと散歩してるの見ると大してMと体重変わらないけど、Mは怒る時はきちんと怒り、綱で引っ張り回されたり無かったです。

僕は見てて凄いな、と思いましたね。

父や妹なら何時も行くから分かるけど、たまにしか行かないMが大型犬をコントロールするのは凄いですよ。

Bは大型犬で毛も長いから、当時は一ヶ月に一回とかペットショップで洗って貰って、毛も綺麗にして貰ってました。

これがお金かかるんですよね。確か一万円位かかりました。

小屋も作って、この中に夏用の簡易のクーラーも付けてました。

夏に弱いと言われてたのでね。

それにしても、一般的な家ではなかなか飼えないですよ。

ペットショップで洗って貰うと、早い時と遅い時が有りました。

大抵父か妹が迎えに行ってたけど、そうするとBは座って寂しそうに待ってるのが尻尾を振って喜びましたが、なかなか言うこと聞かずに車に乗らない事が多かったです。

ある時Mと、何故だったかハッキリ覚えてないけどBを迎えに行くことになりました。

父が僕に行ってくれと言って、たまたまMが車に乗ってたんだと思います。

 

Mは大喜びですよ。

Bを好きでしたからね。

Mと僕が迎えに行くと、Bは僕を無視してMに凄くじゃれて来ました。

珍しい自分自身の好きな人が来たからでしょうね。

車に乗るまで、MはBを遊ばせてました。

しばらく遊ばせたら、素直に乗りましたね。

上手く扱うなと感心しました。

後ろの席に乗せてもMにじゃれて大変でしたが、Mも喜んでましたね。

後で妹に言うと、Bは人をきちんと見るからねと言われましたね。

僕はBに舐められてたんでしょうね。

犬のくせに良く分かってるな、ですよ。

Mと別れても、一時期だけ疎遠になってまた友人関係が続きましたが、MはBは元気かと聞いてました。

MもBが気になってましたね。

飲みに行くと、帰りに袋でBの好きな犬用のジャーキーや缶詰め買ってて、お土産と渡してくれましたよ。

そして、会社が倒産して家から一時的に逃げたんですが、Bを置いて行くのはどうなのでしたから、知り合いに餌と水は置いてるからたまに見に来て、と言ってました。

自分達の事で必死で、Bが犬だからとついつい忘れがちになりましたね。

僕がMの所にしばらく逃げてる時、急にMが思い出してBは元気なの、と聞いて来ました。

一時的に置いてるけど大丈夫だ、と言いました。

Mは、僕の心配よりもBが今後どうなるのか心配し始めましたが、こっちが落ち着いたら引き取るから、と言いました。

妹がその後一時的に預かって、父が最終的に面倒見るんですけどね。

Mは僕との別れ際に、僕にも勿論身体に気をつけてと言うけど、ライトバンの後ろの席に大きな袋で缶詰めとジャーキーを大量にくれてBにあげてね、と言いました。

その頃のMは、生活は前ほど楽では無かっただろうに、大きな袋に入れてました。

そして、珍しく笑わずに真剣な顔で犬も家族だからね、と言いました。

Mは、Bを本気で心配してたんでしょうね。

Bは、病気をしてたけど長生きしましたが、死んだ時にMに連絡のつけようが無くて残念でしたが、知らせなくて良かったかなとも思います。

Mのある一面を今回は書いて見ました。

Bと言うグレート・ピレニーズの大型犬にも、最初からビビらずとても可愛がりました。

Bにとっても、大好きな人だったと思います。

おわり

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「ガーターベルトの女 外伝」(フィクション編)
1
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