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高山~沖縄で殴られる/沖縄差別雑感

2018/08/26

こないだ、現場の休憩所で作業員と雑談してて、喧嘩は誰が強いかと言うくだらない話しになった。

高山さん負けたの見た事無いですと、三十代の作業員が言うから苦笑いが出た。

若い頃は酔っ払ってて、自分自身から喧嘩を何人もに売ってぼこぼこにされた事もあるし何度も負けていると言うと、意外だなと答えが返ってきた。

確かに酔って無くては、ほとんど負けてないと思うがそう思ってたら、沖縄で素面で一度酷い目にあったのをふと思い出した。

そして、色々その背景について考えてしまったので、ここに書こうと思う。

当時、僕は三十歳で、沖縄で見つけた八歳年下の彼女がいた。

彼女は、名護市でスナックに勤めながら、市役所の臨時職員をやっていた。

名護市辺りで働いてる女の子達は、大抵二つの仕事を掛け持ちしていたし、二十代半ばから後半なら、結婚してるのを隠して飲み屋に出てる場合も多かった。

そのくらい普通の仕事の賃金が安いのと、結婚してる場合は、男が働かないと言うのが多かった。

結婚が、早いのにも最初は驚いた。

僕の彼女は、可愛いが、美人では無かったと思う。

当時の僕は、自分自身のコンプレックスからか美人としか付き合わ無かったが、この子はとにかく性格が優しく周りに慕われていたし、僕にも徹底的に尽くしてくれた。

結婚を真面目に考えて、実家に連れて帰って結婚を前提にしてると、両親に言ったのを覚えている。

ここまで言ったのは、一人きりだと思う。

結果的に、沖縄の仕事が一時的に中断したり父の会社がヤバくなったりして、僕は彼女に当たり散らして付き合いは終わった。

しかし、短い間でも楽しく彼女とは過ごしたし、悪い思い出は無かった。

しかし、沖縄でほとんど素面で、何人もに何も出来ずにぼこぼこに殴られたのは、彼女にも少しは原因があったのかも知れない。

当時は、彼女の店には必ず寄ったが、忙しくなると彼女の友達の所に行っていた。

何故その日はほとんど飲まなかったは、確か次の日の昼から、沖縄の中部に彼女と遊びに行くと約束していたからだと思う。

当時の僕は、茶髪か金髪で薄いサングラスを掛けて、人から見たら生意気に見えたと思う。

しかし、三十代の僕はそのスタイルを崩さなかったし、それが悪いとも思わなかった。

今でも白髪とか老眼がなければ、そのスタイルだったかも知れない。

三十代は、自分自身にとって仕事も遊びも必死だったからと、イケイケだったからだと思う。

父の会社に入って、しばらくは周りの眼を気にしてジャケット着てネクタイ締めたりしたが、途中からこれは自分らしくないと思って、仕事の時は何時も作業着に代えた。

プライベートはジーンズにTシャツと、昔に戻した。

髪を染めたりし始めたのは、美容師の女の子と付き合ってからだ。

まあ、そういうのは良いとして、沖縄の彼女の店に行っても本土程は気を使って無かった気がする。

本土だと、店の女の子に彼氏が居るのは、女の子のファンにとってはイメージダウンだからなるべくそれを隠したが、それほど気を使わなかった。

それは、一つは今思えば、僕は沖縄差別はしなかったつもりだが、沖縄だから良いかと言う微妙な差別の気持ちからだと思う。

もう一つは、その彼女は、店で若い女の子が十人以上居たが一番人気だった。

ルックスは可愛さはあったし、性格が良かったからだろうと思う。

そうすると、やはりしつこいお客も居た。

若い彼女と同年代の男数人が、毎日のように来て口説いてたような気がする。

ある時、そういう若い男の中でも特にしつこいお客に、彼女が彼氏が居るし今そこに座ってるよと僕を指差した。

彼女は、酔っても癖は悪くないし滅多に怒るって無かったが、後から聞くと職場や自宅の周りまで来てたらしくて、流石に参ってたらしい。

言われた男は、僕の方を見たから僕も驚きながらも相手を見た。

しかし、ひょろりとして背だけ高いような若者で、僕を見た瞬間に会計して出ていった。

お店のママに、あんなの言っても良いのか良いのか?と聞くと、私はあの子は信用してるから大丈夫と答えが返って来た。

僕の認識では、彼女はそれほど人気がないと最初思ってたが、それは間違いのようだった。

ルックス、プラス性格の良さで、実はかなり人気があったようだ。

僕は、店が多くなると彼女の友達の店に行ったが、彼女が人気があるホステスであると言う配慮に欠けていたように思う。

店に行くと、彼女が前に付くのが当たり前だったし、それが沖縄方式なのかと勘違いしていた。

それは、彼女が勝手に決めてた事のようだった。

そうすると、段々彼女の彼氏と言うのが広まって行ったが、沖縄の男のお客は、何処かで僕と一線を引いていた。

それは、本土から来てると言うのが大きかったのだと、今では思う。

彼らは、本土から来てる客とは一線を引いて考えて居たのだと思う。

そういう日が続いて、彼女と次の日に遊びに行くからとほとんど飲まずに店を出て、何時もの彼女の友達の店に行った。

その店は少し外れにあって、エレベーターで二階か三階だった。

そこの若いママと彼女が、友達だったのだ。

広い店で当時はまだ、本土ではそれほど流行って無かったダーツもあった。

僕は、その店の若い女の子とダーツを良くやったが、ママに他の女の子に手を出したら駄目よと言われて居たので、ダーツをやるか馬鹿話しをするかと言う感じだった。

中には、彼女のファンがママと彼女が友達って知ってて来ることもあったが、段々僕と彼女の仲が分かってくると、僕の顔を見ると帰るお客も出てきた。

名護市は狭いので、どうしても昼間二人で居たりすると見られて居たのもあった。

彼女の友達のママに悪いなあと言うと、そんなの気にしてないと答えたが、あの子は好きって決めたら真面目だから、大事にして欲しいと言われた。

僕は、僕のせいでお客が帰ったりしたらなるべく女の子達に飲ませたりしていたから、女の子達は恋愛感情は無くても現場に差し入れに行くとか、良く言って来た。

僕はそれは、断ると言った。

周りの作業員は、一人だけ年下で後は歳上ばかりだったから、彼女が沖縄で出来てる事に嫉妬されたから、現場には彼女でも滅多な事では来ないようにさせた。

そのほとんど素面の時も、二十歳位の女の子とダーツをやって、オリオンビールを二本か三本飲んだ程度だった。

そうしてたら、彼女からケータイに電話が入った。

店に行くつもりが、忙しくて行けないからまた、電話したら何時ものホテルの前で待ってると言ってきた。

市内に歩いて行ける古いがラブホテルではないホテルがあって、そこを良く使っていたから分かったと答えた。

こういう事は滅多に無かったし、何よりきちんと電話してきたのにほっとした。

彼女と付き合って唯一の不満が、時間にルーズって事だった。

ルーズと言うより、彼女達にとっては当たり前なのだが。

沖縄タイムと言うのだ。

三時に待ち合わせてと言うと、最初は平気で三時半に来た。

時には四時でも悪気ない感じで来たので、僕らトンネル屋は凄く時間を気にするし僕自身がそれは、嫌だと何度も言って変えたのだ。

しばらく待ってるとケータイが鳴って、もう出ても良いよと言ってきた。

僕は、ママに会計して貰うとエレベーターの所まで送って貰って、エレベーターに乗った。

ほとんど酒は抜けていて気持ちも良かったが、エレベーターを降りた瞬間、何かで頭を叩かれて何人もから地べたに寝込むと蹴られた。

相手は、ほとんど無言だったが、一人が彼女の名前を言ったので良く見ようとしたが、何となく見たことあるかな位で本当に会った事が有るかは分からなかった。

僕は、とにかく相手に急所を蹴られないように身を守ったが、相当な数蹴られたし相手が五人居るのが分かった。

異変に店のママが気づいて、上から警察呼ぶよと叫んで女の子達と降りて来てくれた。

僕は、女の子達に起こして貰って店に戻った。

ママが、僕の彼女のファンの連中だと言っていたが、それより傷を治しながら彼女にケータイで連絡した。

店に来てくれと言えと、ママが言うのでそうした。

彼女は、血相を変えて店に来ると傷の状態等を細々と見て、僕に謝った。

どうやら彼女のファンの仕業らしくて、彼女も珍しく怒っていて二度とこういうのが無いようにするからと言った。

彼女の友達の人脈は広くて、二度とそういう事は起こらなかったし、その時の傷も大した事は無くてそのままホテルにタクシーで行って、次の日も楽しく遊んだ。

彼女ははっきり言わなかったが、知り合いのヤクザを使ったようだった。

沖縄では、親戚にヤクザが居るとか珍しく無かったし、北部の名護ではヤクザも仕事をしながらのヤクザが多かったと思う。

その事があって、現場で沖縄の仲の良い業者の作業員と仕事をたまたま一緒にしてると、いきなり言われて驚いた。

高山ちゃん、こないだやられただろうとその中年の作業員は、言って笑った。

僕は驚いて、何で知ってるんですかと聞いた。


僕の所の作業員は喧嘩したな位にしか思ってなく、深く聞いては来なかった。

その人はたまには一緒に仕事をするが、うちの作業員では無かった。

業者の沖縄の作業員は、高山ちゃんは俺は好きだし俺達も好きだけど、沖縄の人間は、本土の人間を嫌うんだから少しは大人しくしないとヤバイよ、と言われた。

聞くと、僕を襲った中の一人が遠い親戚で、悪くて有名だったようだ。

それで、本土のトンネル屋が沖縄の女を取って調子に乗ってるからと、襲ったと言うのを聞いたらしい。

僕は、そいつが何処に住んでて何て名前か教えろよと言ったが、もう終わってるし、あんたの彼女の友達が動いてけりがついてるから、何もしない方が良いと言われた。

それと、本土と沖縄では違うんだから、彼女の為にも沖縄流ってのを少しは身に付けないと、この先もああいうのがあるよとも言われた。

高山ちゃんが沖縄を馬鹿にして無くても、連中は本土の人間に可愛い女の子を取られるの嫌うから気を付けてと最後に言われて、ニヤニヤ笑われた。

僕は、今思えば沖縄だから良いかとか言うのがあったと思う。

その後、彼女に辛く当たったのも沖縄の女なら耐えるだろうと、勘違いしたのだと思う。

それに彼女には、本土流を押し付けて自分自身は、沖縄流に対して無頓着過ぎたと思う。

その後、二度三度と沖縄に仕事で行ったが、そういう部分を非常に気を付けるようになった。

今、沖縄で基地の問題など有るが根底に、本土の人間のおごりが有るような気がしてならない。

かつての僕のように、沖縄だから良いかと言うおごりが有るのではと、つくづく思う。

沖縄も日本だし、沖縄県民も同じ人間だをリアルに肝に命じないといけない、と思うのだ。

ほとんど差別等してなかったつもりでも、沖縄には沖縄のやり方が有ると言うのは本当にそう思う。

政治も本土流を押し付けてばかりで無くて、沖縄流を身に付けないといけないと思う。

そうしないと、僕のように痛い目にあうと思うし、少しは本土の政治家も痛い目にあえば良いのだ、と思うのだ。

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