高山が作家として更に飛躍することを願い創作活動を支援したい!~エッセイ「ガーターベルトの女」の作品化を目指して【501】

妄想家・夢想家無名居士の
夢物語の記録です
無名作家 高山のエッセイ
「ガーターベルトの女」の
映画化芝居化 
その他いろいろ作品化できれば
なんて途方もない夢を観ています

📖 高山のエッセイ〜「とんねるずの問題雑感」

サイトのエッセイでも書いたんですが、もう少し書きたいからこちらにもです。

とんねるずのホモオダホモオが、性差別って事でフジテレビが謝罪したとかです。

僕はとんねるず若い頃から観てるけど、好きな芸風ではないんですね。

先ずは客を弄っての笑いの取り方とか、それとコントやなんかも自分自身に合わなかった。

石橋貴明の俺様キャラも好きではなかった。

それでもホモオダホモオごときに、いちいち目くじら立てるかです。

Twitter等では、共演したらしいビート・たけしの鬼瓦権蔵まで、ブルーカラー差別とか言ってたね。

エッセイでも書いた部分とはなるべく重複しないように書きますと、差別は差別する側に悪意があるかです。

障害者を、言葉を変えて障がい者と言うようになりつつ有りますね。

これって、障害者団体の圧力なのか自主規制なのかですよ。

まあ、どちらでも良いんですが、これをいちいち気にしてる時点で、心の中に悪いなあとかの意識があるのではです。

そういう意識があるってことは、何処かで差別意識もないかです。

それと、人間は差別する動物ですよ。

これは、もう仕方ないしそこから文学が生まれたりします。

自分自身色々な差別を受けて来たけど、相手に悪意がない場合流せるんですよ。

悪意がある場合は戦いますよ。

乞食をホームレス、トルコをソープランドね。

トルコは国からのクレームで変えたから仕方ないけど、何でも英語風にするって滑稽ですよ。

ソープランドって聞いた時は、思わず笑いましたね。

泡姫逢い引き所とかね。

何かしらないのかねです。

僕は古い小説を良く読むけど、この表現は発表された当時のままにしてるため差別的表現が有るのを許してみたいなの、沢山見かける。

何処かで表現側は突っぱねないと、どんどん差別的となりますよ。

記憶ですが、北杜夫の作品に『さびしい乞食』って昔は有りました。

読んだけど覚えてないんですが、さびしい乞食って言葉の響き良くないですか。

内容は、童話的でユーモア溢れる物だったと思います。

北杜夫が、わざと差別的な物を書くわけないよね。

今はどういう風になってるのか知りませんが、中学生の時に読んで良かったです。

北杜夫の場合はまだ良いけど、僕の好きな筒井康隆の初期などは後年に焼かれるかもね。

それと、今の若い人は士農工商えた、ひにん、って習ってないんですね。

士農工商までらしいんですよね。

そうなると、島崎藤村の破戒とか読んで理解出来るのかな?

部落の方からの圧力で消えたのかも知れないけど、これは負の歴史として習うべきですよ。

何か有れば、傷つく傷つくでは生きて行けないからね。

勿論、悪意のある差別は駄目だしTwitterで延々と在日やなんかを誹謗中傷してるのは、頭おかしいからね。

傷つくと言えば、仮設住宅に住む人大変だなとこないだ現場でテレビを見ながら言ってたら、ある作業員が僕なんてこの十年以上仮設住宅ですよと言いました。

思わず笑いましたが、作業員は良くすればプレハブの宿舎です。

悪いと民家とかです。

プレハブの宿舎だとほっとしましたからね。

民家とかだと、共同用に作られてないから面倒でした。

仮設住宅は確かに普通の人にとっては大変だけど、僕らのような人間にとっては当たり前なんですよね。

つまり、一方で大変と言う人も居れば少ない人数でもプレハブの宿舎で良かったってのも居るんですよ。

こういう事が起こるわけですね。

良いと思ってした事で傷ついたとかもあるわけです。

決して仮設住宅を肯定して無いけど、様々な意見を全て取り込むのは無理なんですよ。

性差別や身体障害者差別に対しては戦えですよ。

そのやり方が、今回は失敗したのではと思うんですよね。

たかがテレビなんですよ。

嫌なら他の番組を見るべきだと思うんです。

それとヒステリックに何もかも規制するのは、どんどん狭い世界を作っていく事になりかねないんですね。

それなら同性婚を政府に認めさせるとか、大きな所を狙うべきでしょう。

それと、こっちで傷ついたと言う人がいると、また良かれと思っててやったことでも傷ついたって沢山有ると思います。

老人に席を譲ったら、老人じゃないと言われたとかね。

傷ついた傷ついたとヒステリックにならずに、何かを成し遂げようとするなら地道にコツコツやるか一気に動かすかですが、今回の件に関しては、とんねるずは好きでは無いけど少しおかしいです。

その上、たけしの鬼瓦権蔵までブルーカラーを貶めてるとなると、どれだけ噛みつくのです。

二つのギャグが決して面白いと思わないけど、寛容さも必要なのではと思うんですよね。

僕が危惧するのが、言論の自由と表現の自由が無くなって、口当たりの良いものばかりが流される事です。

そして、どんどん狭い世界を作っていく事ですね。

差別に対しては戦うべきですよ。

その手法を間違えたかなと思うんですよね。

それと、一億総傷ついた社会になるのは何だか違うなです。

社会に出れば沢山傷つきます。

タフでないといけないんですよね。

上手く言えないけど、僕は色々差別を受けてきてそう思うんですよね。

それと、人間は人に対して優劣つけたがるし、やってしまうんですよ。

それが、人間の性なんでしょうね。

戦うなとか、性差別を助長しろでは全くありませんからね。

今回も論点がぼやけたけど、どうも引っ掛かって書いたんですよ。

おわり

📖管理人・無名居士の 童話『花物語』〜小さなベルのかたちをしたお花さん

花の行商をしていたおかあさんから
お花の話を聞いて育った少女は
大きくなって念願のお花屋さんを開きました
少女のもう一つの夢は
子どもにお花のお話をすることでした
おかあさんがしてくれたように・・・

小さなベルのかたちをしたお花さんがあるでしょ
そのお花さんたちは可愛い音色で鳴るのよ
でも人にはその音色は聞こえないの
動物さんや鳥さんや虫さんたちはちゃんと聞こえるのよ
今日はそのお話をしましょうね

ずっとずっと昔
お山ではいろんな生き物が仲良く暮らしていたのよ
お山は動物やお花さんには天国だったの
そこへ人間がやってきたの
動物さんやお花さんたちをとっていったのよ

生きものの天国だったお山が
もう安全な場所ではなくなったの
次は自分の番だと思うとみんな悲しくなったの
でも悲しんでいるだけではいけない
どうしたらいいかみんなで話し合ったの

人間たちをお山から追い出すために
みんなで力を合わせようと約束したの
そしてみんなで自然の神様にお願いしたの
私たちに力を与えてくださいって
自然の神様はみんなの願いを黙って聞いていたの

自然の神様はベルのかたちをしたお花さんを
お山のあちらこちらに植えてあげたの
そしてそのお花さんたちに言ったの
動物さんやお花さんをとっていく人間が来たら
お花を鳴らしてみんなに知らせてあげなさい

お山を荒らしていく人間たちが来たの
さっそくお花さんはベルの花を震わせて鳴ったの
人間が来たよ注意しなさいって知らせたの
動物たちはお花さんが鳴るのを聞いて
人間に知られることなく隠れることが出来たの

霧さんもみんなの味方になってあげたのよ
霧でお山をすっぽり包んだの
人間たちは何も見えなくなって
何もとらずに仕方なくお山を下りていったの
お花さんが鳴って危険を知らせたのがよかったのね

動物さんたちはお花さんにお礼を言ったの
そしてお花を植えてくれた自然の神様にも
お山にまた生きものたちの笑顔と笑い声が戻ったの
悪い人間たちには聞こえなかったけど
いい子にはお花さんの鳴る音色がきっと聴こえるよ


まぐまぐ!「花を歌うかな」'08/10/26 No.1248 から転載

📖 高山の作品から〜「Yとの嬉しい再会 15」

Yの事をある程度まとめに入りながらも、エピソードが残ってるのを書きますね。
正直まとめと言っても、今まで書いてきた事ですね。

一生懸命やれば、時にはYのように周りに恵まれるです。
しかし、忘れてはいけないのが、この世の中はそうそう正義が勝つとは限らないです。
政治など見ててもそうですね。
Yは一つの奇跡ですし、色々重なって幸運が生まれてるけど、それまでのYの苦労を想像しましょうですね。

Eが最近色々思い出して、僕に話してくれます。
彼の記憶には驚くけど、彼にとっては初めての現場で初めて働いた場所ですからね。
年齢も十八歳とかですから、覚えてるんでしょうね。
僕も最初の現場はかなり覚えてますから、そういう物なんでしょうね。

EとYは、僕が掘削班の班長、コンクリート班の班長になってからは、雑工で何時も一緒でしたから仲良くなったようです。
Yの性格上、僕のようにEを小僧扱いしなかったのもEには嬉しかったようです。
二人で姫路のバイク屋にも行ってたらしいですね。
Eもバイクに乗るんですが、その時は、Eは車でYはハーレーだったそうです。
バイク屋に行って、姫路城まで行ったらしいです。
その帰りにYは、Eに合わせてある程度ゆっくり走ってたらしいです。
Eは車ですから、Yの運転技術で車の間を抜かれたら追い付けませんからね。
Eは一度、人に400のバイクを借りてYと狭い峠道を競争してますが、明らかに大型バイクが不利な状況でもYが勝ってます。
Eが下手だったので無くて、Yが上手すぎたんですよね。

その時も見てたけど、YとEの仲が良くなってるなあと見てましたよ。
姫路からの帰りに、YがEの前になるべく付けて走ったらしいです。
僕の時はすいすい抜いて行ったのに、YもEには優しかったんでしょうね。
と言うか、かなり年下で小僧扱いはしないけど、面倒を見てやりたいってあったようですね。
それは、Eが今は言いますね。
当時は、相当面倒を見て貰ったとね。
僕も面倒を見たけど、あくまでも何時辞めるか分からない小僧として面倒を見てましたね。
そりゃ十代の若者ですからね。
手塩にかけて面倒を見よう等は、普通は思いませんよ。
Yは、その辺り関係なく面倒を見てたようです。
Yらしいですけど、Eから見たら俺は悪役かと言いますね。
まあ、それはないみたいですけどね。

今の現場の元請けの所長は、珍しいタイプで作業員に非常に接近して来ますし、良い作業員ならきちんとリスペクトします。
元請けと下請けってのは表面は仲良いふりをするけど、何時対立するか分からないんですよ。
だから僕は一線を引いてるけど、今のY達の所の所長は一線超えて来ます。
現場にしょっちゅう居ますし、観察してますね。
Yに関しては、最初話した時は大丈夫かと思ったらしいです。
しかし、Yが現場で動いてるのをずっと見てたようです。

ある時僕に、高山君あの作業員は優秀だなあと言って来ました。そして耳が悪いのを上手く勘とか何かでカバーしてると言いました。
段々見てるうちに、勘では済まされない何かを彼は持ってるな、と言い出しましたね。
そのくらい中で見てるんですよ。
普通は、元請けの所長がそこまで見ませんけど、この所長は現場が大好きなようです。 
年齢は五十代の半ばで良い大学に行ってますが、現場から外れた方が出世コースだったのを断ったらしいです。
変わり者ですが、とにかく作業員を良く見てて作業を見てます。
特にYには感心してるようで、ああいうタイプの人間が居ると思わなかった、と言いますね。
そりゃそうでしょうけど、そこまで肩入れしてくれるのかです。

所長はYに対してだけで無くて、他の作業員がYを認めてからがまた素晴らしいと言います。
皆、Yの耳が悪いの知ってるから合図を上手く出してるし、その連携が凄いと言います。
しかし、Yは進化しててほとんど合図は要らなくなってます。
合図が欲しい時は誰かがピンと来るようですが、最初から比べたらYが先に先にきちんと行くから、合図が極端に減りつつ有ります。
それも元請けの所長には驚きのようです。
確かに僕も見てて驚いてますからね。
未だにと言うか、今進化を早めてるって感じです。
今まではそういう環境を与えられなかったから、出せなかったのが出てるのではと元請けの所長も言いますね。
水を得た魚とは言うけど、まさにそういう感じです。
そして、僕達のYを守ってやろうと言う意識にも、感心と感動を覚えると言います。
僕に、Y君が耳だけのせいで仕事に入れない事がもしもあったら、連絡してくれと言ってきました。
それなら俺が説得するし、圧力も掛けるとまで言いましたね。
僕は名刺だけ貰って、ありがとうございますと答えてます。
この人が動かないといけない状況になるって事は、僕達が駄目なんですよ。
だからお守り代わりにします、と言ってます。

それでも、頭も良いし面白い人ですから色々話してて勉強になりますし、元請けにもこういう人が居るんだと驚いてますね。
普通は、元請けは下請けの作業員を何処かで下に見てます。
これは田舎の元請けも、大きな元請けも基本はそうです。
君達労働しか出来ない人、自分達はそれを管理する人です。
一見親しそうに見えても根底には、これがほとんど有ります。
勿論、例外もたまに有るし非常に仲が接近する場合は有るけど、作業員の将来まで心配したのはこの所長が初めてですね。
しかし、所長とは二年程前に、営業と他の現場で少し会ってるんですよ。
その頃位から、あの会社のあの男は良い作業員を使ってると言われてたようですし、僕の父の会社も知ってました。
所長に言わせると四十代で営業してるのは、驚いたらしいですね。

それと、普通のカジュアルな何時もの服装で、初めてきちんと会いました。
僕は他の現場から移動して来てて、こんな格好ですいませんと言ったらしいけど、あー!こいつはヤバイかもと思ったと言いますね。
雰囲気ですね。チンピラではないし、雰囲気が気が合わないとヤバイかもと思ったらしいです。
所長が言うには、四十代から営業はしんどいだろうと言います。確かに、営業で実績を上げ始めるのは五十代からが多いですからね。
僕の父が言ってたのは、三十代後半だと相手にされなくて四十代半ばで、やっと実績を積むことが出来て、五十代から大きな仕事が取れるようになったと言います。
だから僕は、営業では相手から見たらかつてのEのように小僧なんでしょうね。
とにかく所長は現場が好きで、一生懸命やってる坑夫や作業員が好きですね。

Yに関しては尊敬さえしてますね。
鋭く人を見ながらも、非常に作業員側に寄り添うタイプですね。
Yは、仲間も元請けも巻き込んだって事ですね。
それだけ彼が凄いって事ですが、当人は気づいて無いですよ。
今後も彼は活躍するだろうし、周りは彼に協力しながらも彼に負けまいとするでしょう。
良い循環が生まれたって事ですね。

EとYとの姫路の話しに戻します。
帰りにとんでもない展開になったらしいです。
Eの車は何だったか忘れたけど、相当改造した車でした。
だから目立ったのかも知れないです。
後ろから改造したパジェロがずっと付いてきて、煽って来たらしいです。
Eは面倒だと思って、車線をどんどん変更しながら離したらしいです。
Yは前を走ってて、異変に直ぐに気付いたらしいです。
そう言う時の、Yの勘の良さは凄いですからね。
Eが引き離したと思ったパジェロは、高速に乗ると追い付かれたらしいです。
何度もパッシングしたり煽ったりで、何処かに入って喧嘩するかと思ったようです。
Eもそういう時は、相当気が短いですからね。
それでもしばらく様子を見ながら我慢してたらしいけど、相手の嫌がらせは止みません。

すると後ろを見るとYのハーレーがいつの間にかパジェロの横に付いてたらしいです。
減速して付いたんでしょう。
Yは相手の運転席側に付けると、思い切り拳を運転席のガラスに叩きつけました。
Eは、えー!?と見てたようです。
しかし、安定が悪いからと、そう簡単に拳で割れませんからね。

Yは相手の車の後ろに付けてしばらく動かなかったらしいですが、一気に離れてる所からスピード出すと、相手の車に近付いたらしいです。
そして片足を思い切り突き上げるように出して、相手の車のサイドミラーを折ったらしいです。
Yが大抵バイクに乗る時履いてるのは、エンジニアブーツです。
それで蹴り上げて、サイドミラーを叩き折ったんです。
頑丈なはずのパジェロのをです。
見てたEは、ゲ!!凄い事になってるとびびったらしいです。
僕らにはあれが、リアル十六文キックですよと言ってましたね。
パジェロはしばらく驚いたのと、パニックで蛇行して離れて行ったらしいです。
次の休憩所で二人で入るとYが、おかしいなあ、●●ちゃんと見た映画だと拳で割ってたよと言ったらしいです。
僕と見たB級アクション映画だと思います。
Eに続けて、あーでもしないと離れないよと笑ったらしいです。
そして、僕には言うなと念を押して来たようです。
どうしてかと言うと、拳で割れなかったのを笑われるとの事です。
Eは、この人頭がおかしいと正直思ったらしいですよ。
しかし、その日も次の日も本人は、僕にばれるのだけを気にしてたらしいです。
それを見てて、あー!高山さんとYさんの間では、こういうのが常識何だと勘違いしたようですね。
Yは単純に、拳で映画では割れたのに自分は割れなかったから、僕から笑われるです。
Eは、僕とYを一緒に考えてしまったらしいです。
僕にしてみたら迷惑な話しだし、当時聞いてたらYにお前はアホかと言ってるでしょうね。
映画と実際は違うぞ、と笑いながら怒ってると思いますよ。

この話し、最近休み時間に皆が居る前で話したんですよ。
Yは、そう言えばそうだったと笑うと、それとバレたく無かったのは、当時は三十代に入ったばかりでもしも、捕まったら●●三十歳とか出るのカッコ悪いじゃん、と来ました。
二十代ならまだしもねえ、と言うから笑いましたね。
それを、長年の盟友とも言える同い年のHが聞いてて、僕にお前も沖縄の高速で相手がやたら煽るからって俺に当てろと言って、それを嫌がると近づけろと言って、警棒で相手のガラスを相当叩いてたぞと言い出しました。
僕は、それは君の記憶違いだろうと逃れようとしましたが、確かにそんな事があったような気がするなです。
その時、既に三十五歳です。
元請けの所長もそれを聞いてて、狂気の二人だなと笑いました。
Yも僕も四十代になって、そういう事はしませんと笑いましたけどね。
Eは、驚いたけどこの人すげえと当時は思ったし、今でも違う意味で思ってると言いましたね。

確かに良くない事ですが、仲間を守るとかなら当時はむちゃくちゃでしたね。
今でも昔程じゃなくても、基本は変わってないのではと僕は思いますね。
周りは凄い伝説がどんどん出るなあと笑いながらも、Yの気持ちも分かるなあとも言ってましたね。
Hは僕の気持ちは分からなくて良いから、Yの良い所は見習おうなと笑いました。
元請けの所長は立場的にこういう風に言ってはいけないけど、なんと言うか結束みたいなのが羨ましいなと、少ししみじみ言いましたね。

あとがきに代えて、本来は今のYの様子をきちんと伝えたかったですが、Yは予想を超えて元気な上に素晴らしいです。
それだけ伝えておきます。
それと、今の現場で出会った元請けの所長が、ユニークと言うか独特なのでそれもそのうち書くでしょう。
予定は未定ですけどね。
Yのシリーズはとりあえず終わりにします。
何かしら書きたくなったらまた、書きますけどね。

全て予定は未定ですが、Yによって様々な希望や刺激を貰って貰えたら嬉しいです

おわり

📖「ガーターベルトの女」の映画化のためにエッセイをお読み下さい・・・「ガーターベルトの女 外伝」(フィクション編) 1

それは夏の事だった。

その日は特に暑かった。

Mこと、美樹との再会は偶然だった。

美樹と最後に会ったのが、彼女が確か二十八歳で僕が三十歳だったから、約二十年振りの再会だった。

僕の街のコンビニでコーヒーと煙草を買って出ようとしていると、女性に声を掛けられた。

僕は、その瞬間に美樹だと思った。

声で分かったからだ。

あの特徴のある、美しく可愛い声でだ。

振り返ると美樹が立っていた。

OL風の紺のスーツにスカートだった。

僕は四十九才、美樹は四十七才になってるはずだと思ったが。見た目は確かに若い頃と少し変わっていたが、円熟した中に昔の彼女が居るように見えた。

三十代半ばと言っても充分通用する美貌とスタイルを保っているのに驚きを覚え、見直した位だった。

美樹は笑いながら近付くと軽く蹴ってきて、変わらないね相変わらず前から見ると変な顔だねと、クスクス笑いながら今度は、パンチを思い切り僕のお腹に入れてくる。

あー!やっぱり少し緩んでるなあと笑った。

僕は、今何処に居るのかと聞くと生命保険会社と短く答えた。

気になっていた、結婚して子供が出来たと聞いたけどおめでとうねと言うと、彼女は笑った。

結婚はしたけど、子供は居ないし三年で別れたよと言いながら、またパンチを思い切り入れて来たので、避けながらわざと近づいて持ち上げた。

そして僕は、昔はありがとうと言った。

その瞬間、頭がぐるぐる回るような感じになった。

気がつくとかつての美樹の店だった。

美樹はOLスーツのまま歳を重ねていたが、昔より美しく見えた。

カウンターの中に入ってたが、軽く飛んでカウンターから出てきた。

ガーターベルトをしてたが、チラっとしか見えなかった。

前より上手くなったでしょうと笑うと、冷蔵庫からビールを三本出して栓を開けた。

僕にそれを渡すと、僕の横の席にそれを置いて言った。

生きてるよ。あの人は私達の中でね、と言うとクスクス笑った。

僕はおかしいかと聞くと、そうじゃなくて貴方や私が笑ってないとねとだけ言って、乾杯と言うとビールをラッパ飲みした。

そして半分ほど飲むとへへへと笑って、かなり飲めるようになったよといたずらっぽい顔で言う。

僕は煙草に火をつけ、もう一本出すとそっちにもつけてビールの前の灰皿に置きながら、ラッキーストライクだけど悪いなと言った。

美樹は僕から煙草を取ると吸ったが、やっぱり不味いねと笑った。 

しばらく沈黙が続いたと思ったら、美樹が僕の腕を触っていた。

四十九にしては相変わらず凄いね、と言うと抱きついて来た。 

そして、上に乗るとキスをして腰を動かし始めた。

昔に比べて更に技巧的で上手かった。

 

愛情も感じたが、奴が見てると言うと見てるからするんでしょう、と言われた。

あの人は喜ぶよ、歳を取っても相変わらずだと思うよ。

僕はあっという間に射精した。

その瞬間、コンビニの前に戻っていた。

美樹が僕を蹴ると、今の夢だと思うと笑った。

綺麗な歯が見えた。

美樹は僕のライトバンに勝手に乗ると、私の車はここに置いておくと言って早く出せ!!と笑った。

夕暮れが近づいていて道は混んでいたが、ラジオを付けると懐かしの九十年代ポップスと言うのをやっていた。

美樹は懐かしとかやだねと言うと、窓を開けてラジオをボリュームを最大にした。

高速ではないが三車線の広い長い道を走った。

昔に戻ったと言うより、今の美樹も昔の美樹も同じだなと思わず笑いが漏れそうになる。

そう思ってると、強引な形で黒のセダンが僕のライトバンを抜いた。

見ると若いカップルのようだったが、男はあばたが目立ち女は金髪で太っていた。

美樹は僕に向かって、抜き返しなさいよと怒ったように言った。

 

僕の中で何かに火がついた。

カチッと音が聞こえたような気がした。

僕はミッションのライトバンを加速させて黒のセダンを抜いた。

相手は驚いた顔をしたようだが、再び強引な形で抜こうとしてきた。

(そんなものか!!)

頭の中で、死んだあいつの声がはっきり聞こえた。

僕は、抜きかえそうとする車に軽くライトバンを当てた。

美樹はクスクス笑いながら、もっとやれ!!と叫ぶ。

相変わらずクレージーだな、と笑いが出た。

相手の黒のセダンはまさか当てられるとは思ってなかったようで、後ろに下がってピタリと付けてきた。

美樹は、今あの人の声が聞こえたよね。それなら徹底的にだね、と楽しそうに言う。

美樹にもあいつの声が聞こえたようだった。

僕たちは三人だと思うと嬉しくなってきた。

僕は大きな駐車場のあるコンビニに、相手の黒のセダンを誘導するように入った。

美樹が先に降りて、若い男が降りようとしてる所を思い切り蹴った。

若い男はまさか女から蹴られると思ってなかったようで、車の中に座り込むように戻った。

僕は煙草に火をつけながら、にやけながら近づいた。

金髪の太った女は完全に驚いたようで、車から出ようともしない。

若い男は女が見てるせいか再び車から出ると美樹に向かって行こうとしたが、僕がその腕を捕まえて車に押し付けた。

そのまま腕をアームロックの形で極めた。

最初は抵抗したが、ギリギリと片腕を締めながら何発か腹に膝を入れると大人しくなった。

腕を折るのは難しいが関節を外すことは出来たから、このまま腕を壊すぞと脅すと若い男は泣きながら謝ってきた。

美樹がおじさんと、おばさん舐めるなよとおどけて言って、更に舐めるならその不細工な彼女のでも舐めてなさいと付け加えた。

僕は思わず笑いながらコンビニに行こうと言うと、自然に軽く手を繋いで二人でコンビニに入った。

かつてはこういう風に、自然に手を繋ぐって事はなかった気がする。

美樹はコンビニでオレンジジュースを買った。

僕は缶コーヒー二つとマルボロを買うと、二人で手を繋ないで車まで歩いた。

車に乗ると、マルボロの封を開けて火をつけて、ゆっくり吸った。

ラッキーストライクに比べたら雑味がある独特な感じを、久しぶりに味わう。

僕は、死んだあいつに心の中で久しぶりに吸うと苦味が有るなと話しかけたが、もう声は聞こえなかった。

車をゆっくり出すと美樹がホテルに向かってと言うので、戸惑いながらもラブホテルに向かった。

美樹はラブホテルに入ると、昔のような身体じゃないよと言いながらも堂々と僕の前で脱いだ。

確かに昔のような身体では無かったがそこには、成熟した物と努力のあとがあるように思えた。

ガーターベルトをつけたまま僕の服を脱がせると、うーん中年になってるとクスクス笑った。

美樹は僕のものを咥えた。

僕はシャワーも浴びてないからと、美樹から逃れようとしたが離さない。

笑いながら気にしないのと言う。

しばらくすると美樹の口の中で出してしまった。

僕の方も火がついて、美樹をベッドに倒すと舐めた。

懐かしい匂いのように感じた。

結局二度セックスをした。

美樹は、あの時してなかった分を取り戻した?と聞いてきた。

別れた後に、美樹の部屋に泊めて貰って誘われながらもしなかった時の事だった。

僕は、取り戻したってよりこれからじゃない、と答えると美樹は笑った。

広くない街だけど見つけられるかな。携帯の番号とか教えないからねと美樹は笑うと軽く腹を殴ってきた。

僕は見つけられるよ。

俺にはあいつも付いてるからと言い返した。 

 

美樹はにやりと笑う。

目尻にかつてはなかった皺があったがそれも魅力になっていた。

僕は美樹と会ったコンビニ周辺をなるべく通るようにしたがなかなか会えなかった。

夏が過ぎて秋になっても美樹を常に何処かで探していたが会えなかった。

ある時レンタルビデオ店に寄ると心の中で声がした。

(アルバチーノの映画)

それだけだったが僕はアルバチーノの映画の『カリートの道』のある場所に行った。

しばらくしてると行きなり肩に思い切りパンチが入った。

美樹が笑いながら立っていた。

ジーンズに上着を羽織っていたが、相変わらずお洒落だった。

『カリートの道』好きなの覚えてたと言うと軽くキスをして来る。 

僕は勿論と言うと美樹を抱き締めた。

美樹の髪の匂いに混じって、あいつの煙草の匂いがしたように思えた。

美樹はこれを三人で観ようと言った。

美樹もあいつを感じたようだった。

僕は、三人でなと笑うと美樹も笑った。

だけど、電話番号はまだ教えないからね。また彼が導いてくれるよといたずらっぽく笑う。

そして僕のお腹に何発もパンチを入れた。

その目に涙が光っていた。

その顔はとても美しく見えた。

おわり

「ガーターベルトの女」 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 番外編 番外編2 14 15 番外編3
「ガーターベルトの女 外伝」(フィクション編)
1
「新・ガーターベルトの女 
 2 3 4 5 6 7 8 9 10
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