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ふじようちえん見学記 東京都立川市2019.1.26

 平屋の園舎の屋根が、園児のランニングトラック・バンクになっているウッドデッキ張りのプレイグランド(園庭)。楕円形の中庭も、天然芝張りのプレイグランド。敷地全体がこどもたちにとっての遊具と遊びの場所。日本で最も知られている幼稚園の一つを施設見学してきました。   快晴の日2019.1.26.

500人の子供のために作られた、外周183mの楕円形の幼稚園。
一つの村になるように想定されている。
内部は家具で緩やかに仕切られた一体空間。
高さ25mのケヤキが3本屋上デッキを貫いて残る。

手塚建築研究所

企画:佐藤可士和
設計:手塚建築研究所(手塚貴晴+手塚由比)、池田昌弘(構造設計)
構造:鉄骨造平屋建て
延床面積:1,304.01m²(394坪)
敷地面積:約4,700㎡(1,420坪)
施工:株式会社 竹中工務店
竣工:2007.1
受賞:学校施設好事例集(第4版)最優秀賞、OECD/CELE

幼稚園のスマイルファーム(農園)から見る楕円形園舎(中央)とツリーハウス(左)
天然芝張りの園庭(中庭)と屋根からのすべり台

 芝生とすべり台に遊ぶこどもたちの姿が目に浮かびます。毎年6回ほど一般見学会が開催されています。この日はこどもたちはお休みでしょうか。

屋根を突き抜けるケヤキの大木

 こどもたちが大きな木と戯れている姿は手塚建築研究所のホームページでご覧ください。幼稚園の求人情報からも園の生活の動画にアクセスできます。

ウッドデッキをくり抜いたネット張りも遊具に一役
痩せるウッドデッキには止め方に一工夫が!

 わたしも当日天気が良くて裸足でウッドデッキのトラックを走ってみました。懐かしの木造校舎の廊下を走っている感触を、足元で感じ取っていました。ウッドデッキの肌触りもよいのですが、幼いこどもたちには土の地面を伸び伸び走るのが、脳への打撃も含めてより良いランニング・バンクのような気がしました。

屋根に降る雨を集めてヒューム管の溜め桝に雨の滝
手塚建築研究所のスケッチから
水遊びの大好きなこどもたちの遊具水栓?

 この水場のディティールは、手塚建築研究所(手塚貴晴+手塚由比)氏のこだわりではないでしょうか。丸太タイルの感触は、いかなるものでしょうか。

 水遊びの場は、様々なディティールを見掛けます。ほんとうにこどもたちは、水と戯れるのが好きですネ。

井戸水の利用は野菜洗いから水遊びまで愉しい
オープンなスタッフルームも手作り感満載の木製家具
保育室仕切る壁は天井まで至らず開放的

 20室の保育室の仕切り壁は、完全な界壁ではなく天井まで届いていない掲示板の仕切り板なので、当時としては画期的な提案だったようです。

床下の通気ピットは湿気対策(断熱)処理が必要かな?
出来る限りの自然を取り組んだ工夫にあっぱれ!

 ふじようちえん園長 加藤積一氏のアイデアとこだわりの具体化がいたるところで露出オーバーしています。

古木を中心にこどもスケールのらせん形状のツリーハウス

 ガラススクリーン?のユニークな ツリーハウス(英語のおへや)Ring Around a Tree(日本建築学会作品選奨)

丸太のフラッグポール(園旗?大漁旗?吹流し!)
園内施設と設備説明図


2019.1.26.快晴の日の立川市からの富士山

 この日は素晴らしい天気でした。久々の上京に大変にラッキーでした。

学校法人 みんなのひろば なすび保育園
なすび保育園 屋上園庭 設計:手塚建築研究所

 なすび保育園では、屋上庭園のデッキの材料がおなじ設計者であっても違っています。適正と用途と予算によって選択される材質が変わってきます。

たちばな大路こども園 みどりの広場(天然芝張り園庭)/ 滋賀県草津市
風の広場(天然芝張り)/ 2階屋上園庭

「みどりの丘」をデザインコンセプトとし、園庭(みどりの広場)を中心に天然芝を敷設しました。さらに、園庭を囲む植栽や屋上菜園も設置し、園全体がみどりに包まれ、たくさんの自然を感じることができます。また、1階園庭から2階屋上広場までをスロープでつなぎ、子どもたちがみどりの丘を走り回れる工夫が凝らされています。

施設紹介

 2018年3月竣工の「たちばな大路こども園」は、園庭をすべて環境と安全と省エネを考慮した天然芝張りにされています。
設計:株式会社 類設計室(大阪市)
構造:鉄骨造2階建て一部鉄筋コンクリート造
延床面積:2,100.77m²(635坪)
敷地面積:約3,000㎡(900坪)
施工:株式会社 内田組(大津市)

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