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100年団地 Karl Marx Hof / Wien ©Bwag / Commons

 オーストリア、ウィーン市、市民の9割が暮らしいる集合住宅(団地)の持続性。赤いウィーン時代(1918~1934)に建設された15ヵ所の住宅団地は、庭を配した空間、住居者の視線を意識できる安心、植物と自然環境との共生により、少子高齢化の進む中でやさしく安全な居住環境を再生し、コミュニティの再編を図っています。カール・マルクス・ホーフ(Karl Marx-Hof 1927-30)は、赤いウィーンを代表する公共集合住宅。敷地156,000㎥に1,382戸の住戸と店舗、レストラン、幼稚園、託児所、郵便局、図書館、歯科診療所、薬局といった共用施設があります。もともと共同施設には、浴室と洗濯室ありましたが、1階のWaschsalon no.2はリノベーションされ2010年から赤いウィーンに関する展示をする小さな博物館です。屋根裏部屋の研修室とともに訪問者にガイド付きツアーがあり、訪れる価値があるようです。    ウィーンでは1923年から34年の12年間に65,000戸の公共住宅が建設されました。住宅内部や共用階段、エレベーターの設置などはリニューアルされていますが、大規模改修がなされている建物の形態は、建設後90年近くが経ったいまでも、まちの景観や歴史に溶け込んでいます。日本では1923年(大正12年)に発生した関東大震災の復興支援のための同潤会アパートは、当時としては先進的な設計と設備がなされ、耐久性のある鉄筋コンクリート構造で建設されました。同潤会アパートはそのすべてが現存していませんが、ウィーンの団地では、いまでも立派にまちの要素として住み続けられることに学ばなければなりません。
Karl Marx Hof/YouTube(Caption:English 4:49)


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