CL東京6-3 分析レポ活用事例 のレシリザウルガモス
チャンピオンズリーグ東京大会・マスターリーグ(スタン)に参加してきました。
この大会へ臨むに当たって、ポケカ攻究会の分析レポートを活用してデッキの選定や調整を行い、レシラム&リザードンGX+ウルガモスGXを使用しました。
大会結果は6勝3敗の約150位。目標にしていた愛知大会の参加権利獲得(7勝以上)に届いておらず、良い成績だったとは言い難いです。
本記事は、分析レポートによるデッキ選定・調整の事例紹介です。
目標達成できず、しかし上位10%に入っている。レポート活用の成果が有ったか無かったか、微妙なラインなのですが、一事例としてお読みください。
ポケカ攻究会の分析レポートは別の記事で公開していますので、併せて読んでもらえると嬉しいです。
[1] 経緯と目標
ポケカ攻究会の分析レポートを活用することは、自主大会開催を決めたときからの既定路線です。発起人自らが使わなかったら、何のための分析レポートかわかりませんから。
前文でも書いたように、今回の目標は7勝3敗、CL愛知大会の参加権利獲得です。
ベスト4など高い目標を立てるべきかもしれませんが、しかしイベント準備と分析レポート作成で、時間が取れないことがわかっていました。高い目標は愛知大会に任せて、その機会を得ることを今回の目標としました。
ポケカ攻究会が9月7日、分析レポートの完成が9月13日です。よって、本稿の内容は約10日間の試行錯誤を紹介するものです。
[2] デッキの方向性検討
分析レポートからまずわかるのが、1進化GXとタッグチームのデッキの成績が良いことでした。
第一に、5勝以上の入賞デッキは全て1進化GXかタッグチームがメインのデッキです。そしてポケモン別勝率の上位は1進化GXデッキの関連カードで埋まっていますし、タッグチームのポケモンの勝率も概ね50%以上と好調でした。
(タッグチームポケモンの勝率)
(勝率上位は1進化ポケモン関連が並ぶ)
サンプル数が少なく偶然性や個人の力量などのブレが大きいデータではあります。ですが分析レポートを使うと決めたからには、得られた情報は信用していきます。
使うデッキは以下2系統のうちどちらかとしました。
(1) タッグチームメインのデッキ
(2) 1進化GXのデッキ
[3] デッキタイプ検討
◆ルカリオ&メルメタルGX
決めた方向性に従い分析レポートから候補となるデッキを探すと、以下4種類が目を引きました。
・ミュウツー&ミュウGX系統
・ルカリオ&メルメタルGX系統
・シルヴァディGX系統
・ゾロアークGX系統
加えて、攻究会では結果を残していませんが、発売直後のため構築が定まっていないことを考慮して、アルセウス&ディアルガ&パルキアGXも有力だと考えました。
レポート完成の直後、9月15日にはMTリーグ鋼王戦に参加しました。このときはルカリオ&メルメタルGXのデッキを使っています。攻究会でアサルトぴーまんさんが使っていたムウマージタイプに興味を持ち、情報交換して持ち込みました。
しかし一日使ってみた結果、CLへ持ち込むことは難しいと判断しました。理由は3つです。
(1) 対炎の不安が払しょくできない
(2) 初手事故率が無視できない頻度で発生する
(3) 25分で終わらない恐れ
ポテンシャルは感じましたし、1,2番は、構築を詰めれば解消する可能性がありました。CL東京が終わってみれば、優勝のルカリオ&メルメタルGXが実現したことがわかっています。しかし当時の自分には時間が足りずテスト対戦相手もおらず、先例が少ない道を選ぶことはできませんでした。
◆レシラム&リザードンGX
翌日(月曜日)になって、決めたデッキはレシラム&リザードンGX系統でした。
理由はいくつかあります。
まず他のタッグチームにはそれぞれ不安がありました。
・ミュウツー&ミュウGX
→ 強力だが、特性や弱点をカバーするプレイが必要となり、短期間で身に付く確証が持てなかった
・アルセウス&ディアルガ&パルキアGX、その他
→ ルカメタと同じく。時間とテスト相手の問題で断念した
レシリザなら海外含め参考デッキリストがたくさんありますし、明確な欠点が少なく管理しやすいと考えました。
またシルヴァディGX、ゾロアークGXに関しては、参考にできる手ごろなデッキリストがないため諦めました。
分析レポートによるとムサシ&コジロウの勝率が高く使いたかったのですが、けんてぃーGX杯の公開リストにもありませんでしたし。
週内に別案ができれば変えるつもりでしたが、結局レシリザで本番を迎えることになりました。
[4] 構築の調整
デッキリストの調整で意識したのは2点です。
(1) 分析レポートで勝率や勝ち点別採用率で上位のカードを、なるべく使用する
(2) 使用頻度でIN/OUTを判断する
◆調整観点が明確化するまで
初期案のレシリザは、マーシャドー(やぶれかぶれ)+カキ(+無人発電所)に寄せた構築でした。マーシャドーは分析レポートでの評価がそれほど高くないのですが、WCSの時点で「マーシャドーとカキがレギュ落ちして良かったね」と言われるくらい組み合わせだったので、十分戦えると思っていました。
ですが、トレーズリーグで惨敗。マーシャドーも無人発電所も殆ど有効打にならず、無人発電所とのシナジーの悪さから入れなかったデデンネGX(レポート上の評価高い)が欲しい場面がとても多かった。
この経験から得られたのが、先の2つのポイントです。レポート上の評価への信頼度が大きくなりました。
◆更に細かい調整
構成を大きく見直して現在の形に近くなってからは、微調整のフェーズです。ジムバトルへ行ったり、前日の練習会で気付いた点を見直していきました。
ウルガモスGXが入っていること以外、特徴といえるものは少ないかもしれません。それでも、意識した部分をコメントしていきます。
(1) ウルガモスGX
対タッグチームの、20ダメージ足りない問題の解決要員です。
ククイ博士を採用しているリストが多いですが、ククイ博士は既に4エネついている=有利なときしか使えないことが不満でした。
ウルガモスGXならサポ権と別枠で使用でき、ワザを使った次のターンでも追撃できます。
炎エネの回収手段が少ないので連発はできませんが、1回タッグチームを1ターンで倒せればOKとの判断しました。
ついでに、対ビーストリングでサイド調整したり、ラフレシアを倒せる可能性もあります。
分析レポートによると、入賞プレイヤーが1名使用していました。
(2) メガミミロップ&プリンGX
レシリザは溶接工+手札1枚だけでは200Dしか出せません。つまりビハインドで弱い。
メガミミロップ&プリンGXなら、相手依存ではありますが準備を始めたターンにタッグチームを倒してくれる可能性があります。
(勝ち数別の採用率)
(3) デデンネGX
分析レポートでは、採用と勝ち数に強い相関が現れたポケモンでした。
使ってみると理由は明白で、デデンネGXなしではビハインドを返す時に手札が足りないことがわかりました。テテフと別の方面から事故回避にも大きく貢献していて、分析結果の妥当性を実感できました。
(4) ジラーチ
分析レポートでは低評価だったにも関わらず、採用したカードです。
場に準備できる、リセットスタンプの対抗策であることが一番の採用理由です。攻究会で上位にあまりいなかったのが不思議です。
(勝ち数別の採用率)
(5) エリカのおもてなし
中盤の大規模ドローが欲しかったので1枚採用しました。
リーリエ採用を見かける機会が多い気がしますが、1ターン目に使いたいのはカキか溶接工なので、こちらにしました。
(6) ポケギア3.0・ダートじてんしゃ
海外リストに影響を受けた部分です。主として使いたいサポートは溶接工なので、それらにタッチしやすいよう可能な限りグッズドローを入れました。
全てポケギアにしないのは、中終盤でリセットスタンプに触れるカードを増やすためです。この環境、リセットスタンプが使えないのは致命傷になります。
(7) 無人発電所
ケルディオGXを倒す手段2個目であり、また無人発電所+リセットスタンプのシナジーに期待するものです。
ここから先は、採用しなかったカードです。
(8) バクガメス
ケルディオGXを倒したり、対GXでサイドレースを仕掛けられるので、レシリザでよく使用される1枚です。
使えばきっと強いのですが、HPが低く生存性が悪い上に、リソースを大量に消費するので「有利なときだけ強いカード」と判断して不採用にしました。
(9) タッグコール、マオ&スイレン、シロナ&カトレア
対1進化GXやミュウミュウ(ターボストライク)で有効なので、初期案ではマオ&スイレンを入れていました。さらにサーチ手段としてタッグコールと、そこからつながるドローとしてシロナ&カトレアまでがセットでした。
しかしながら、マオ&スイレンは使用頻度が少なかった。セットのシロナ&カトレアではドロー量が少なく相手に追いつかないことが多くて、没になりました。
対1進化GXでは優秀なので、マオ&スイレン1枚だけ残してもよかったかもしれません。
[5] 大会成績
大会当日の成績は6勝3敗、順位は約150位でした。
上位10%には入りましたが、目標の愛知大会優先権は獲得できませんでした。
今回はタッグチーム環境だったと思うのですが、私に限ってはタッグチームメインのデッキと対戦していません。偶然か、早くに2敗したせいかわかりませんが...
(1) カラマネロ・ギラティナ他 勝
(2) ラムパルド・アバゴーラ 負
(3) ゾロアークGX・ペルシアンGX 負
(4) サーナイトGX・アローラキュウコンGX・シルヴァディGX 勝
(5) サーナイトGX・アローラキュウコンGX・シルヴァディGX 勝
(6) カラマネロ・ウルトラネクロズマGX他 勝
(7) アルセウス&ディアルガ&パルキアGX・シルヴァディGX・ケルディオGX 勝
(8) ウルトラネクロズマ・アローラベトベトン 勝
(9) ズガドーンGX・アーゴヨン 負
殆どのゲームで先攻カキか後攻溶接工に成功しており、序盤から動けないような事故はありませんでした。デッキの調整は上手くできていたように思います。
反面、プレイングに難がありました。対戦練習は対タッグチームがメインで、そこから外れたラムパルドやゾロアークGX相手のときはゲームプランをうまく作れませんでした。プレイ方針がぶれていて、勝率を下げた要因になったと評価します。
[6] まとめ
ポケカ攻究会の分析レポートをメインに挑んだチャンピオンズリーグ東京大会。
分析レポート活用の評価をまとめてみます。
◆良かった点
(1) 使うべきデッキ方針を明確化できた
(2) デッキ調整において、カードの採用可否に数値的な基準ができた
(3) 2点により、1週間の短期間で一定の質を持つデッキを作成できた
デッキを検討・作成するとき、基準になるデータがあったためやりやすかったです。
◆いまいちだった点
(1) デッキリストが手に入るわけではない
(2) レポートの結果が絶対ではないこと
→ 今回については、レポートでの評価が低いジラーチを採用してる
(3) レポートの表のうち、どこが重要か判断するかセンスが問われる
分析レポートはデッキリストを元にして作りますが、デッキリストの提示はしません。
(告知で「デッキリストは分析用途に使用する」と書いており、自分の参考にするためデッキリストを見ることはしていません。)
レポートを活用するためには読み手が解釈する必要があり、その中で2番に挙げたような信頼性の問題や、3番のような注目するべきポイントの課題があると感じました。
◆今後の課題
(1) 信頼性の向上
いろいろな観点があって、例えばサンプル数=参加者数を増やすことで分析精度を上げることや、分析手法の向上、または表現方法の改善などが考えられます。分析レポートをもっと活用しやすいように改良する必要があります。
(2) 作成速度の向上
自主大会の開催から分析レポート完成までのを迅速化すれば、レポートを活用して考察できる時間が増えます。
私個人に限っていえば、レポート作成に使っていた時間をデッキ検討や練習に充てることができます。
(3) プレイング分野への進出
自分の対戦結果では、プレイスキルの低さを実感しました。練習不足と切り捨てることもできますが、分析レポートを何らかの形でプレイスキル向上に役立てたいとの思いがあります。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
いかがだったでしょうか。分析レポートは有益だったと思いますか? それとも、作成した時間を対戦練習に充てた方が良かったと、そう思われるでしょうか。
分析レポートの基となるポケカ攻究会は、次回12月に開催予定です。
次のCL愛知大会に出られたら、分析レポートをもっと活用していくつもりです。
当記事を読んで興味を持ってもらえたなら、12月8日のポケカ攻究会へご参加をお待ちしています。分析レポートをお送りしますので。
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