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養育計画のチェックリスト:計画作成を始める際に役立つ情報

カナダ政府がウェブで公開している
「Parenting Plan Checklist: Information to help you get started」を
翻訳しましたので公開いたします。 PDF

養育計画のチェックリスト:計画作成を始める際に役立つ情報

 養育計画は、別居や離婚後に両親がどのように子どもを育てるかを説明するものです。別居親が、両方の家庭でどのように子どものケアをし、重要な決定を下すかを説明します。どのような養育計画に合意しても構いませんが、子どもにとって何が最善の利益になるのかを重視する必要があります。
 このチェックリストに加えて、カナダ司法省は、次のような無料のオンライン資料も用意しています。これらは、子の最善の利益に資する実行可能な子育ての取決めを考え出すのに役立ちます。
  ・「養育計画の作成~別離婚後の子育ての取決めガイド~」には、別居・離婚後の子育てや、子どもにとって最適な子育ての方法を決めるために役立つ情報が掲載されています。
  ・養育計画ツールは、個々人に応じた養育計画を立てるための幾つかの選択肢を提供する対話型ツールです。

注意:家族間で暴力や虐待があった場合、この資料に記載されている情報の中には、あなたの状況に適していないものもあります。そのような場合は、法的助言や保護が必要になるかもしれません。家庭内暴力の詳細情報については、「家庭内暴力ファクトシート」と「養育計画の作成」の各ガイドを参照してください。助けを得る方法の詳細を学ぶには、「家庭内暴力」のウェブページを参照してください。

 始める前に
 養育計画を作成する前に知っておくべき大切なことが、幾つかあります。
養育計画を書面にして、将来について一緒に決めたことを記録しておくことが重要です。書面にすることで、後々の紛争を避けることができます。
 養育計画を作成する際、法律用語を使う必要はありません。「養育時間」、「意思決定責任」、「コンタクト(接触)」、「監護」、「アクセス」などの法律用語を耳にしたことがあるかもしれませんが、これらは養育計画の様々な側面を表すものです。このような法律用語を計画に含める必要はありませんが、選択した言葉が、あなたと一方の親が合意した取決めの概要を明確にしていなければなりません。
 あなたが養育計画に署名する前に、あなたが法的権利と責任を理解していることを確認するために弁護士や家族法の法的助言者に相談することをお勧めします。両方の親が計画に署名することで、法的拘束力のある合意と認められる州と準州もあれば、証人または他の手続きが必要な州や準州もあります。
 離婚法に基づく命令に養育計画が含まれている場合、その養育計画は法的拘束力を持ちます。養育計画が裁判所に提出された場合、裁判所は、場合に応じて、養育命令または接触命令に養育計画を盛り込む必要があります。離婚法の下で子育ての取決めをしていない場合、州法または準州法律に基づく命令に養育計画を盛り込むことを決定できます。
 州および準州の家族法のウェブサイトで、州法および準州法に基づく取決めの作成および命令の取得に関する詳細情報を見つけることができます。
あなたの州または準州での家族司法サービスの詳細情報については、同省のウェブサイトを参照してください。

 このチェックリストは養育計画を作成する際に考慮すべき重要な事項を示しています。このチェックリストは、以下のような、もう一方の親と話し合うべき問題を特定するのに役立ちます。
  ・子どもに関する意思決定をどのように行うか(例えば、一緒に行うか、個別に行うか)
  ・各自が子どもと過ごす時間
  ・もう一方の親とどのように情報を共有し、コミュニケーションをとるのか
 養育計画は、子どもの関心事やニーズを反映したものでなければなりません。子どもの年齢を考慮し、子どもの成長に応じて計画をどのように変更するかを検討する必要があります。養育計画は、予定の見通しを明確に立てるために十分なディテールが必要ですが、一方で実践するために十分な柔軟性を持っていなければなりません。あなたの養育計画がどのように具体的であるべきかを考える際、一方の親と一緒にどれくらいうまくやれるのか考慮してください。
 子どものことはその子の親が一番よく分かっています。チェックリストの中には、あなたの状況に当てはまらない問題があるかもしれないことを覚えておいてください。また、リストに載っていない事項でも、あなたの状況に当てはまるものがあるかもしれません。

 チェックリストに記載されていないこと:経済的な問題
 養育計画チェックリストは、別居や離婚の際に必要となる経済的な問題をすべて網羅しているわけではありません。例えば、財産分与や配偶者扶養、養育計画に法的拘束力を持たせる方法などは含まれていません。また、別居・離婚後の子どもの経済的支援のために一方の親が他方の親に支払う金銭である養育費についても記載していません。養育費の詳細については、「連邦省養育費ガイドライン:一歩一歩」を参照してください。
 このチェックリストの項目の中には、費用の支払いを伴うものもあり、課外活動の支払いに関連する決定など、養育費に関連するものもあります。費用の支払いに関する問題は、養育計画の中で取り上げることもできますし、財産と養育費の問題をより完全に解決するための一環として対処することもできます。いずれにしても、子育ての取決めは、子の最善の利益になるものに基づいていなければならないことを覚えておくことが重要です。
 子育ての取決めついて行う決定により、あなたは、養育費、税金、および給付金の結果を含む、経済的な影響を受ける可能性があります。このような経済的な問題については、法的助言を求めるとよいでしょう。税務、児童手当、家族手当については、カナダの税金ページをご覧ください。

 一時的または暫定的なプラン
 親は、別居を始めたら直ぐに子どものための計画を立て始めるべきです。しかし、別居中は、親と子にとって特にストレスの多い、不確実な時期です。長期的な計画を立てられるほど状況が安定するには、しばらく時間がかかるかもしれません。
 このチェックリストは、長期的な計画を立てる準備ができるまでの間、一時的な計画を書面で作成するのに役立つでしょう。一時的な計画であっても、書面で作成すべきです。なぜなら、あなたと一方の親は、離婚や別居のプロセスを経る中で、一時的な計画を数年間使用することになるかもしれないからです。長期計画と同様に、将来の紛争を回避し、解決するためには、決定事項を書面で記録しておくことが重要です。

 アドバイスを受ける
 あなたと一方の親が、建設的なコミュニケーションをとることができれば、一緒に養育計画を立てることができます。子どもに関する事項を同意するのに助けが必要な場合は、メディエーター、弁護士、カウンセラー、セラピストやソーシャルワーカーのような専門家の支援を求めることができます。
 養育計画を確定する前に、あなたの法的権利と責任を理解するために、養育計画について独立した法的アドバイスを受けることをお勧めします。

 別居や離婚に対処するための子どものサポート
 両親がうまくいっていないと、子どもは往々にしてストレスや不安を感じます。親が子どもを大人同士の争いから守り、お互いに協力し合うことができれば、子どもは別居や離婚にうまく適応できます。養育計画は、見通しを明確に示し、それぞれの親の育児の役割と責任を明確にすることで、紛争を減らすのに役立ちます。あなたと一方の親の両方が、あなた方の関係における葛藤に子どもをさらすことを避ける必要があります。
 子どもが十分な年齢になると、子どもは通常、自分に影響を与える決定に対して発言権を持ちたがります。あなたは、子どもの意見や好みを把握し、子育ての取決めに関する議論に参加する機会を与えなければなりません。しかし、子どもを紛争に巻き込んだり、「どちらかを選ぶ」ように求めたりしてはいけません。
 子どもを巻き込むには、繊細さとバランスが必要です。以下のような場合には、専門家や、あなたが尊敬する他の中立的な人物を巻き込んで、子どもの意見を決定するのがよいでしょう。
   ・自分と一方の親との間に葛藤がある場合
   ・子どもとの間に葛藤がある場合
   ・子どもが自分の意見や好みを表現できない場合(例えば、年齢や障害などの理由で)
   ・親との接触に対して子どもが抵抗するパターンがある場合
 カナダ公衆衛生局は、子どもが別居や離婚に対処するのを助けるための情報を提供しています。小冊子「人生は続くのだから...子どもと若者が別居や離婚と向き合うために」では、子どものニーズや年齢、発達段階に応じて、親がどのように子どもを支援すればよいかをアドバイスしています。
カナダ司法省には、別居や離婚に対処している子ども向けの小冊子「これからどうなるの?別居と離婚に関する子ども向け情報」という小冊子があります。
 この小冊子を使って、家族が経験する変化を説明することもできますし、子どもが十分な年齢に達していれば、自分で読むように勧めることもできます。


養育計画に盛り込むべき内容

 以下のリストは、養育計画を作成する際に考慮すべきトピックを示したもので、話し合いを進める上での出発点として利用できます。チェックリストの中には、あなたの状況に当てはまらない問題があるかもしれないことを覚えておいてください。また、リストに載っていないことでも、あなたの状況に当てはまることがあるかもしれません。

コミュニケーション
 ・伝達すべき情報:どのような情報をお互いに伝達する必要がありますか。医療情報、学校情報、子どもの世話、新しいパートナー、連絡先、旅行の計画などを伝える必要がありますか。
 ・コミュニケーションの方法:対面式のコミュニケーションをとりますか。電話、ノート、テキストメッセージ、ビデオチャット、電子メールなど、他のコミュニケーション方法を使いますか。
 ・コミュニケーションの頻度:あなたと一方の親が子どもについてコミュニケーションをとる時間は決まっていますか。どのくらいの頻度で、あなたと一方の親は子どもについてコミュニケーションをとりますか。
 ・緊急時の連絡方法:子どもに関わる緊急事態には、どのようにしてお互いに連絡を取りますか。緊急時に子どもはどのようにしてあなたに連絡するのですか。
 ・一方の親と一緒にいる間の子どもとのコミュニケーション:連絡方法は、電話、電子メール、テキストメッセージ、ソーシャルメディア、ビデオチャットなどですか。子どもがもう一方の親と一緒にいるとき、それぞれの親はどのくらいの頻度で子どもとコミュニケーションをとるのですか。スケジュールは必要ですか。

1.家庭内暴力

注意:家族間で暴力や虐待があった場合、この資料に記載されている情報の中には、あなたの状況に適していないものもあります。そのような場合は、法的助言や保護が必要になるかもしれません。家庭内暴力の詳細情報については、「家庭内暴力ファクトシート」と「養育計画の作成」の各ガイドを参照してください。助けを得るための詳細な方法を学ぶには、「家庭内暴力」のウェブページを参照してください。

 〇安全:家族に暴力や虐待がありましたか。もう一方の親との間で子どもの安全やあなたの安全について心配していますか。
 〇子育ての取り決め:別離後、一方の親が子どもの安全を守り、子どもに焦点を当てたアプローチを維持する能力に懸念を抱いていますか。あなたと一方の親は、子どもの共同子育てができていますか。家庭内暴力は、一緒に意思決定する能力にどのような影響を与えていますか。もう一方の親と一緒に過ごすときに、子どもを監督するための取決めをする必要がありますか。子どもの受渡しは、監督下で行うべきですか。第三者を介して行うべきですか。
 〇コミュニケーション:あなたと一方の親が連絡を取る方法や時間を制限する必要がありますか。あなたの子どもが一方の親と連絡を取る方法や時間に制限がありますか。対面接触せずに済む取決めを考える必要がありますか。

2.養育時間の取決め
 〇養育時間:子どもはどこに住むのですか。子どもは、片方の親とだけ暮らすのですか。主に片方の親と暮らすのですか。あるいは両方の親の家で均等に暮らすのですか。子どもは、片方の親と一緒に暮らしていない時に、その親と一緒に過ごすのですか。ある日の夕方や週末に片方の親と一緒に過ごし、その後もう片方の親の家に戻るのですか。
 〇交通手段:誰が子どもをそれぞれの家に送迎するのですか。交通費は誰が負担するのですか。送迎はどのように調整するのですか。
 〇養育時間の変更:病気などの不測の事態のために、養育時間のスケジュールを変更できますか。社会的なイベントや特別な行事、旅行のために変更が必要な場合、どの程度の通知が必要ですか。
 〇育児とベビーシッター:子どもにどのような育児の取決めが必要ですか。(フルタイムまたはパートタイムのデイケア、放課後のケア、学校の休み時間など)、費用はどのように分担しますか。保育士が不在の場合、誰が子どものケアをするのですか。あなたが泊まり込みの保育やその他の保育を必要とする場合、もう一方の親に子どものケアをする機会を提供しますか。
 〇子どもの持ち物:子どもと一緒に荷物が家を行き来することはありますか。子どもが2セット持つものもありますか。誰が子どものために品物を購入するのですか。
 〇子どもの社会生活:子どもは友達とどのように過ごしますか。誕生日会、お泊り会、課外活動などの社会的なイベントに誰が連れて行き、それに伴う買い物(例えば、他の人への誕生日プレゼントなど)の手配や支払いをするのですか。

3.兄弟姉妹、祖父母、親戚
 〇子どもの子育ての取決めがそれぞれ異なる場合:兄弟姉妹の関係をどのように支援するのですか。子育ての取決めには、兄弟姉妹が一緒にいる時間も含まれていますか。
 〇祖父母や親戚:養育計画では、子どもと祖父母やその他の親戚との関係をどのようにするのですか。子どもを預かっている間、それぞれの親は、自分の家族との関係を維持する責任がありますか。他の家族は子どもの生活の中でどのような役割を果たすのですか。家族のイベントには誰が参加するのですか。

4.長期休暇、休祝日、特別な日
 〇休祝日と長期休暇:学校が休みの日、法定休日、市民の休日、宗教上の休日には誰が子どものケアをするのですか。子どもは毎年、特定の休日を片方の親と過ごすのですか。休日は各家庭で交互に過ごすのです。予定していた取決めを変更することは可能ですか。その場合、相手の親からどれくらい前に連絡が必要ですか。
 〇その他の重要な日:誕生日、母の日、父の日などの特別な日、結婚式、卒業式、葬式などの特別なイベント、家族にとって特に重要な日を子どもはどのように過ごすのですか。

5.旅行
 〇子どもを連れていく旅行の連絡:あなたと一方の親は、子どもを連れて旅行する計画について、お互いに通知するのですか。通知する場合、どのくらい前にするのですか。どのような種類の旅行情報を共有するのですか(例:フライト情報、緊急連絡先、目的地での位置情報など)。
 〇州やカナダ以外への旅行:子どもが特定の州や国に旅行する際に、場所や滞在期間などの制限がありますか。子どもが一方の親と一緒に旅行することに懸念がありますか。子どもが州や国を離れる際に、一方の親の書面による同意が必要になりますか。カナダ以外の国では、一方の親が旅行に同意していることの証明を求められることがあることを覚えておいてください。詳細については、カナダ政府観光局のウェブサイトをご覧ください。
 〇旅行に関する医療上の注意点:子どもが旅行のために追加の医療保険や予防接種、ワクチンを必要とする場合、誰がその決定と関連費用の支払いに責任を負いますか。
 〇子どものパスポート:子どものパスポートは誰が申請しますか。子どものパスポートは誰が保管しますか。子どもが複数の国の市民権を持っている場合、どのようなパスポートを使用しますか。

6.教育
 〇学校やプログラムの選択や変更:どのように決定するのですか。
 〇特別な教育的ニーズについての決定:教育上の必要性について子どもを評価すべきかどうかについて、どのように決定しますか。個人指導や試験にかかる費用は誰が支払うのですか。
 〇学業成績:この情報にどのようにアクセスし、共有しますか。誰が子どもの成績表のコピーを受け取りますか。
 〇親と教師の会議:誰が出席しますか。共同で出席しますか、それとも自分で教師との時間を確保するのですか。
 〇学校行事やボランティア活動:教室や学校のイベントの通知はどのように共有しますか。子どもの学校でボランティアをしたり、学校行事に参加できるのは誰ですか。誰が許可書に署名し、特別な学校行事の費用を負担しますか。
 〇学校の欠席:誰がどのような状況で子どもを学校から連れ出すことができますか。
 〇登校と下校:子どもはどのようにして学校に通いますか。誰が子どもの学校への送り迎えを許可しますか。
 〇宿題:養育時間が学校のある週に当たる場合、宿題を終わらせるための特別な取決めが必要ですか。
 〇学校との連絡:学校への緊急連絡先は誰になるのですか。学校の配布リストには誰の名前を載せるのですか。

7.課外活動
 〇課外活動:課外活動についてはどのように決定しますか。子どもはどのような活動に参加しますか。誰がこれらの活動の費用を負担しますか。誰が子どもの送迎をして、誰が活動に参加しますか。
 〇スケジュール:子どもの活動のスケジュールはどのように決めますか。片方の親がもう片方の親と一緒にいる時間に、子どもの活動を予定することはできますか。
 〇親の参加/関与:活動関連のイベント、旅行、ゲーム、発表会などの情報をどのように共有しますか。それぞれの親の参加/関与/出席について、どのように決定しますか。

8.宗教、文化、先住民族の遺産
 〇宗教教育:(該当する場合)子どもの宗教教育に関連する決定をどのように行いますか。それぞれの親は子どもの宗教的、精神的実践をどのようにサポートしますか。それぞれの親の宗教はどのように尊重されますか。
 〇文化活動:文化活動についてはどのように決定しますか。誰が文化活動に参加する子どもに責任を持ちますか。誰が子どもと一緒に文化的あるいは地域的なイベントに参加しますか。それぞれの親の文化的習慣はどのように尊重され、支援されますか。
 〇言語:各家庭で子どもはどのような言語を話しますか。
 〇先住民族の遺産:先住民族の遺産に関連する問題を養育計画で扱うことは重要ですか。可能であれば、子どもが先住民の言語に触れるように努力しますか。子どもが保護区に住んでいる場合、あなたやもう一方の親が子どもを訪問や送迎をすることに影響する可能性のある保護区へのアクセス制限がありますか。養育計画を立てる際に、長老、コミュニティリーダー、先住民の統治機関、その他の先住民の家族資源に相談しますか。

9.ヘルスケア
 〇医療や歯科治療についての決定:医療や歯科治療についての決定はどのように行いますか。予防接種やその他の予防的治療については、誰が決定するのですか。
 〇投薬やその他のケアの必要性:子どもが家を行き来する際に必要な薬やその他のケアをどのように管理しますか。歯列矯正治療、カウンセリング、理学療法、言語療法、食事、眼鏡、処方薬、健康診断、歯科検診などの手配はどのように行いますか。費用はどのように分担しますか。
 〇緊急時の医療処置:緊急時の医療判断は誰が行いますか。両親はどのようにしてお互いに通知しますか。緊急時に誰が子どもの学校や他の人に知らせるのですか。
 〇病気のときの子どものケア:子どもが病気の時、誰がケアするのですか。
 〇健康保険証:誰が子どもの健康保険証を持つのですか。子どもが両親の家を行き来するのに一緒に健康保険証を行き来させるのですか。
 〇医療記録や情報へのアクセス:医療情報へのアクセスや共有はどのように行いますか。
 〇医療保険と費用の取決め:子どもの医療保険はありますか。誰が保険金の請求をするのですか。追加費用は誰が支払うのですか。

10.特別なニーズを持つ子ども
 〇特別な試験や検査:子どもの身体検査、心理検査、その他の検査について、どのように決定しますか。あなたと一方の親は検査報告書に記載された勧告を、どのように実行しますか。
 〇子どものための決定:あなたと一方の親が治療計画に同意しない場合、あなたは子どもに代わってどのように医療上の決定を行いますか。かかりつけの医師、専門家、カウンセラーなどの第三者に判断を仰ぎますか。
 〇子育ての取決め:特別な支援を必要とする子どもは、2つの家を行き来できますか。それとも1つの家が子どもの唯一の住居となるのですか。あなたと一方の親の両方とも、子どもの症状、行動、薬、予約、緊急事態などを管理する能力がありますか。子どもの日常的なニーズに応えられる人はいますか。
 〇専門的なケア:子どもに継続的な理学療法、作業療法、その他の療法やカウンセリングが必要な場合、誰がその手配をしますか。セラピストやカウンセラーはどのようにして選びますか。誰が立ち合いますか、または参加しますか。在宅ケアが必要な場合、両方の家でケアしますか。子どもの補助器具、移動式機材、薬を入手する責任は誰が負うのですか。
 〇食事と投薬:特別な食事、薬、サプリメント、ビタミン剤など、子どもが必要とするものを、あなたと一方の親がどのようにフォローしますか。
 〇コミュニケーション:緊急の情報を一方の親に伝えなければならない場合、どのようにして伝えますか。他の人が子どものケアをしている場合、緊急時には誰に連絡を取るのですか。
 〇費用:検査と診断、治療、セラピー、投薬、サプリメント、機器、消耗品、レスパイトケアなどに保険が適用されますか。一部の費用が保険でカバーされない場合、誰がその費用を負担するのですか。特別なニーズに関連する援助のために、子どもが利用できる政府の資金補助はありますか。誰がその資金補助を申請し、受け取るのですか。

11.リロケーション
 〇親の転居:子どもと一緒か否かに拘らず、あなたまたは一方の親が引越しを提案した場合、どのように対処しますか。引越しの通知は引越し予定日どのくらい前に必要ですか?離婚法で定められている最低60日前に通知するのか、それ以上にするのか。引越しによって影響を受ける可能性のある子育ての取り決めにはどのように対処しますか。引っ越し後、子どもたちがもう一方の親との関係をどのようにサポートしますか?

12.新しいパートナーと混合家族
 〇新しいパートナーや家族との関わり:新しいパートナーとその子どもを、いつ、どのようにして自分の子どもに紹介しますか。新しいパートナーと義理の兄弟姉妹や異母(異父)兄弟姉妹との時間はどのように過ごしますか。新しいパートナーとの生活についての話合いをどのように管理しますか。

13.仕事で長期不在が必要な親(軍人の親、外交官、国際援助者など)
 〇長期不在の影響:子どもは長期不在の親と、どのようにコミュニケーションをとりますか。子どもが一時的な仕事場を訪ねるのですか。親が一時的または恒久的に帰宅した場合、子どもに関する取決めはどのように調整しますか。

14.メンタルヘルス/薬物乱用
 〇子育てへの影響:あなたや一方の親が、子育てに影響を与えるような精神的な問題や薬物乱用の問題を抱えていますか。その問題が解決されるまで、監督付きの養育時間やその他の制限付きの養育時間など、代替の育児方法を検討する必要がありますか。養育計画に盛り込むべき治療/セラピーのニーズはありますか。モニタリングのニーズを計画に盛り込むべきですか。

15.葛藤への対処
 〇葛藤の解決:養育計画に関する意見の相違を解決するために、メディエイター、弁護士、その他の家族司法の専門家、または地域社会の尊敬されるメンバーを利用することに同意しますか。家事紛争解決サービスの費用は誰が負担しますか?

16.養育計画の変更
 〇計画変更:計画には、子育ての取決めを見直すためのプロセスが含まれていますか?見直しは定期的に行いますか(例えば、一方の親が何かを変更するよう要求したとき、子どもが発達の節目を迎えたとき、あるいはあなたの置かれた状況や子どもの置かれた状況が変わったとき)。必要に応じて、メディエーション・サービスやその他の家事紛争解決プロセスを利用して変更を行いますか。

その他の子育ての課題

 これらの問題は、あなたの家族の状況には当てはまらないかもしれませんし、子どもの年齢に依存するものもあります。これらの問題については、養育計画の中で扱うのではなく、継続的に話し合うことを選んでもよいでしょう。
 ・基本的な安全要件:ヘルメットやチャイルドシートの使用、薬物やアルコール、狩猟用具、子どもが一人で留守番できる年齢などを検討します。
 ・しつけと生活習慣の観察:就寝前の習慣、宿題、お小遣い、デート、アルバイト、身だしなみ(例えば、ピアスやタトゥー)など。それぞれの家庭で全く同じ習慣を持つ必要はありませんが、 家庭間のルールが似通っていたり、アプローチの違いを認識していたりすると、子どもたちの助けになるでしょう。
 ・子どものテクノロジーの使用:インターネット、ソーシャルメディア、電話、ビデオゲームなどの利用について、何を何歳から利用できるかなどを検討します。
 ・食事と栄養:子どもに守らせたい食事に関するルールを検討します。
 ・プレゼント:子どもへのプレゼントは調整すべきですか。子どもに贈るプレゼントは誰が購入しますか。プレゼントには金額の制限を設けるべきですか。
 ・写真:ソーシャル・ネットワーキング・サイトに子どもの写真を掲載することに同意しますか。子どもが両方の家でそれぞれの親の写真を見ることができますか。子どもの写真をお互いに共有しますか。
 家族のペット:ペットはどこに住むのですか。そのペットは子どもと一緒に家を行き来できますか。誰がそのペットの世話をするのですか。ペットにかかる費用(医療費、食費など)は誰が払うのですか。
 重度の障害や病気に罹った親:一方の親が重度の障害や病気に罹った場合、養育計画をいつどのように見直すかを規定しますか。

(了)

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