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不払い養育費の確保のための支援に関するタスクフォース(第5回)議事要旨

この記事は、法務省ホームページに掲載されている「不払い養育費の確保のための支援に関するタスクフォース(第5回)議事要旨」を転載したものです。

1 日時

令和2年12月4日(金)午前10時30分~午前11時30分

2 場所

法務省会議室

3 議事要旨

○ 公的機関による養育費の履行の確保等に関する諸外国の制度例について

  • 公的機関による養育費の履行の確保に関する制度等について,ドイツ,フランス,スウェーデン,フィンランド,イギリス(イングランド及びウェールズ),アメリカ(カリフォルニア州及びニューヨーク州),韓国の7か国を対象に,法務省が民事法等の研究者に調査研究を委託した結果の概要が,参考資料の「公的機関による養育費の履行の確保等に関する諸外国の制度例について」である。

  • 日本では,養育費請求権について,審判手続等で債務名義化し,一般の民 事執行手続によって強制執行を行うという制度になっている。令和元年の民事執行法の改正では,養育費債権を含む一部の債権について,勤務先に関する情報取得手続が追加された。

  • 諸外国では,国が国民の財産情報にアクセスして義務者の財産を探知する,国等が養育費を徴収して,その行政コストを国等の財源又は当該権利者で負担するなどの例がある。私債権である養育費債権について,どこまで国民負担を伴う形で公的に回収する仕組みを設けることができるかは,一つの論点である。

  • 諸外国では,養育費の立替払い制度が社会保障給付の一つに位置付けられ ている例があるが,我が国においても,養育費と児童扶養手当等の社会保障制度との関係は,一つの論点である

○ 公的機関による養育費の立替払い制度・取立て制度の論点整理について

  • 公的機関による養育費の立替払いや取立て制度について考えられる制度的枠組みや論点を整理したものが,参考資料の「公的機関による養育費の立替払い制度・取立て制度について」である。例えば,立替払い制度については,①社会給付と強制徴収公債権としての求償を組み合わせるスキーム,②弁済による代位と強制執行手続を組み合わせるスキームが考えられ,取立て制度については,③権利者から申立てを受けた公的機関が権利者に代わって強制徴収公債権として取り立てるスキーム,④公的機関が権利者を代理して,強制執行手続を行うスキーム,⑤公的機関が,義務者の所在や資産について情報収集・提供し,権利者本人による強制執行の遂行を支援するスキームが考えられる。

  • 上記⑤の支援スキームに関連するが,現行法の下でも,厚生労働省の離婚前後親支援モデル事業における公正証書の作成支援や弁護士相談に関する支援など,既に国等の財源で支援が行われている例がある。上記の各スキームを検討するに当たっては,養育費権利者の負担の軽減や回収率の向上という観点だけではなく,制度導入のためにクリアしなければならないハードルの低さといった観点も重要になるのではないか。

○ 次回の会議について

  • 次回の会議では,自治体における戸籍担当部署とひとり親支援担当部署の更なる連携強化の推進に関して両省から発出予定の事務連絡案や,養育費の立替払い制度・取立て制度に関する制度面を中心とした論点整理の取りまとめについて,意見交換することとする。

以 上

[配布・参考資料]




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