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哀しみのトリスターナ(1970)

哀しみのトリスターナ。

トリスターナは孤児だったのを、あのロペという老紳士に引き取られたのが、始まりということが後でわかった。

ロペは落ちぶれた貴族だね。生活のために労働することは悪だと言っているところで、わかった。不良老人仲間も没落貴族だ。

決闘は男の名誉を守るためのもので、あの財産の多くも、若い頃の決闘の戦利品かもしれない。

トリスターナは鐘楼の鐘が、ロペの首になる夢を観た。こういうシュールな夢は、起きている時に聞いたことが元になっていたりするから、決闘の申し込みの話からかもしれない。

ロペは決闘を取り止める。

ルイスブニュエルの作品で夢は重要な役割を果たす。シュールレアリスムの芸術と夢は関係が深いからだ。

ロペの首の夢をみた時に、あの耳の不自由な少年の友達からスカートをめくられるイタズラも夢の内容に含まれていたことは興味深かった。

トリスターナの絵を描いた青年は、もともと画家というのは貴族のパトロンがつく仕事で、年齢的にも彼と彼女がくっつくことがふさわしいから、ロペは彼らに援助をしてもいいと思うけど、好きな女をモノにしたいというのが、落ちぶれても貴族の名誉だよね。

後半で、片脚を失ったトリスターナが、耳の不自由な少年に、二階から裸を見せるサプライズをして、びっくり仰天させるのも関係があると思うよ。二階から目薬じゃなくて、二階からすっぱだか。

ロペの首の夢は、彼が発作で苦しんだ晩もみたよね。これは彼のうめき声が原因。

シュールというのが単に意味の不明な芸術とはちがうというのがわかる。







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