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Gショックをなくした話(すこしSF・すこし哲学・フィクションあり)

(サンリオの腕時計を買った話を書こうと、出だしを推敲していたら、いろいろ思いついた)

先日、Gショックを落としました。

他にも良くないことが重なり(自転車がパンクなど)、時計うんぬんというより、何だかものすごく惨めな気持ちになった。。。。。

Gショックを失くして気がついたんだけど、「さがしもの」って「捜し物」であり、「探し物」だね。笑

捜しているのは自分がこれまで腕に着けていた「まさにあのGショック」。だけど、「どこにもない心のGショック」を探している自分に気がついたもん。笑 腕時計という形状をとった「自分探し」も併せてしている。

これはどういうことかというとですね。笑

「心のGショック」とは、悪いことが連続して、グラグラになってる僕の心の在り様に、腕時計を紛失するという事態まで起こり、ついに自分自身を見失ってしまった。

腕時計を捜しているつもりが、いつしか喪失した自分自身まで探し始めていることにはなかなか気がつかない。

あくまでも自分は失くした時計を捜しているのだと思っているけど、時計の見た目をしているだけで、探しているのは自分自身でもあるんだね。

捜し物のGショックも、探し物の「心のGショック」も、どちらも「目の前にない」という点では同じなので、頭の中で、時には、混ざり合っちゃうわけです。いくらこの世に存在するものでも、目の前になければ精神的な産物ですよね。

「ある朝、自室のベッドで目覚めると、おれは「Gショック」になっていた。」なんてことにも一時的ですが、なりました。笑

ここからカフカの「変身」っぽい話が始まりそうだけど、変身を読んでないですし、読んだと思われて下手なこと書くと、お前は分かってないとさらに思われそうなので、なんにも書けないです。笑

人間というのは生まれてきてから死ぬまでの「時間」という限定の中で生きる時間的な存在だと言える・・・・・云々。

(「腕時計を捜しているつもりが、自分探しをしていた。おれは小さな腕時計になってしまった」なんて書くとなんか深い気がする。例えば指を火傷したとします。指とは身体全体でほんの小さい部位なのに、自分が一本の指になってしまったというくらい全感覚が痛みで指に集中しますよね。腕時計だって、失くしたことで「より腕時計めいてきた?」ようにみえる。目の前に壊れたハンマーがあるとします。柄の部分と、槌の部分が分離した壊れたハンマーです。いつもは何の意識もせずに使っていたハンマーが、壊れることでよりくっきりと世界に現れ、ハンマーらしさを持ち始めたように見えませんか。失くし物にもそういう効果があります。こういう身近な感覚の延長で、思いついたことです。自己を喪失したというのも大げさに書いてます。笑)

Gショックは20気圧まで耐えられるけど、心のGショックも耐G仕様!

たて続く不幸に、心のGショックでは許容できないレベルの精神的な重力(G)がズーンとかかり、それでも腕時計の捜索は続いたが、頭蓋はひび割れ、背骨はミシミシと音を立て(物理的に!?)、いつの間にかサルバドール・ダリが描くようなグンニャリした腕時計を捜し求めていた。

そりゃ失くした時計の特徴を問い合わせ先から聞かれても、根本的に間違ってるから見つからないわけだ。「ダリの時計です」って言ったら、Gショックが遺失物として届いていてもありませんと答えるに決まっている。あーあ、また、一から捜し直しか(もちろん、嘘を書いているので問い合わせた際は黒いGショックを失くしたと伝えている)。

Gショックはデジタルだけど、ダリの時計の文字盤はアナログ。アインシュタインの理論では、重力が強いほど、時間がゆっくり流れるらしい。重力は時間を歪ませて、時間の進み方を変化させるということ。腕時計を失くした人が心のダメージを受け続けると、いつしか頭の中で思い描く時計の形状も変化することがわかった。笑

自分自身が時計になったり、時計の形が変わったり、大変だ。

時計捜しですが、一週間の足どりを思い出してみて、買い物や、ご飯を食べた店に電話をかけ、直接、出向いたけど見つからず。複合商業施設の防災センターまで問い合わせたけど、腕時計は見つかりませんでした。

もちろん、Gショックが壊れてしまう超重力の天体(ブラックホールや中性子星)や、マリアナ海溝の最深部に行った期間は除外して思い出そうと努めました。笑 そういう危険地帯に出向く前に当然、腕時計は外します。

たぶん物理的に頭蓋骨や、背骨が悲鳴をあげたのは、そういう所に行ったのが後から祟ったと思うんですよ。笑

新しい時計を買った話にいつまでもならないけど、キリがいいからこの辺にしとく。また次回。

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