なぜ世界が今BTSにハマるのか(BTSの人気をつくる5つの魅力)


BTS(防弾少年団)は2013年にデビューした韓国のヒップホップボーイズグループです。その名前には『10代・20代に向けられる社会的偏見や抑圧を防ぎ、自分たちの音楽を守り抜く』という意味が込められています。
(2017年からはそれに加え『Beyond the scene(現実に安住することなく夢に向かって絶えず成長していく青春)』という新たなブランドアイデンティーが追加されたようだがそれを一語一句残さず把握しているファンはとても稀少…!)

今BTSの人気は世界規模になっています。
サウジアラビアで海外アーティストとして初めてのスタジアム公演を行ったり、海外セレブが今注目しているアーティストとして“BTS”の名前を挙げるほどの人気ぶり。
2017年のBillboard Music Awardでは、ジャスティンビーバーが6年連続で受賞してきた記録を打ち破り、トップソーシャルアーティスト賞を受賞。2018年にはAmerican Music AwardでKpopグループとして初めてパフォーマンスをするなど、アジア人として初めての記録を次々と塗り替え、その功績が讃えられ、2018年には韓国政府から史上最年少で花冠文化勲章を受章しました。


へぇ、なんかすごいんだね〜。興味ねぇ…と思ったそこのあなた。
あぁ、BTSってアレか。めちゃくちゃ熱狂的なオタクがガッチリついてるアイドルグループか…と思ったそこのあなた。
好きになってくれなんて言わない。理解してくれなくても大丈夫です!
ただ家族や友人が隣国のKpopアイドルBTSにハマってるやばぁ〜と思う前にほんのちょっとだけこのnoteを読んでいただきたい。
なぜ私たちARMY(BTSのファンダムの名称)が狂おしいほどBTSに夢中になってしまうのか、なぜ私たちにとって彼らが特別な存在になったのか。
ほんの少しだけお付き合いいただけると幸いです。



1  個性あふれる7人のメンバー


BTSのメンバーは個性豊かな7人のメンバーで構成されています。

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左後列から時計回りに、
・世界のハンサムな男1位にも輝いた美しい顔をもち、感性豊かな愛嬌のある性格が魅力のV(キム・テヒョン)
・なんでも器用にこなすことに由来した“黄金マンネ”という愛称を持つジョングク
・初めてビルボードに立った日「左から3番目のイケメンは誰?」というタグがトレンドになったほどの端正な顔立ちと伸びやかな歌声を持つJIN(キム・ソクジン)
・“みんなのHOPE”“ハッピーウイルス”などの異名を持ち、いつも明るい笑顔と最高レベルのダンスパフォーマンスで観る人を魅了するJ-HOPE(チョン・ホソク)
・外部プロデュース作品でも確かな成果を残し、SWAGなRapスキルやしっかりとした考え、その人生観と普段の甘くかわいいギャップが魅力のSUGA(ミン・ユンギ)
・釜山男子の持つ男らしさと中性的な柔らかな微笑みを合わせ持ち、セクシーでキュートな歌声としなやかなダンスが魅力の妖精JIMIN(パク・ジミン)
・デビュー前からアンダーグラウンドで活躍していた類い稀なる才能を持ち、英語も堪能な防弾の心臓RM(キム・ナムジュン)



2  BTSのストーリーがすごい



韓国の地方出身者も多く、生まれも育ちもバラバラな7人7様の個性は、どこのグループとも違う魅力をつくる大きな要因の一つだ。
そして韓国というアジアの一つの国の中にある様々な町の片隅で、ただ音楽が大好きでいつか有名になりたいと思っていた普通の男の子たちのサクセスストーリーは一筋縄ではいかないものだった。

韓国の音楽業界はこれまで大手3社の独走状態といわれていた。そして彼らの所属しているBigHitは、所属アーティストのほとんどいないとても小さな名もなき新しい事務所だった。そんな弱小事務所からデビューした初めてのボーイズグループであるBTSは、ARMYとともに数々の批判や逆境を乗り越えてきたのだ。
彼らは今の現状について、この幸せはすべてARMYが作ってくれたものだと話す。
韓国の音楽チャートや音楽番組のランキングの集計にはストリーミングやファンからの投票枠があり、彼らのひたむきに努力する姿に共鳴したARMYたちが一丸となって再生回数を伸ばし、たくさんの投票をしていった結果、その努力が実を結び、着々とBTSはトップアーティストの道を駆け上がってきた。

特に2017年から2年連続受賞しているBBMAのトップソーシャルアーティスト賞を受賞したことはとても印象的な出来事だ。その賞はSNSからのファンの投票で決まる。ウェンブリー・スタジアムやサウジアラビアでのスタジアム公演を果たし、知名度の上がった今ならともかく、2017年、Billboardの舞台から遠く離れたアジアの国の男の子たちをその場所に連れて行ったのは、私たちARMYの力あってこそだっただろう。賞の設立時から不動の王座についていたジャスティンビーバーのファンよりもARMYが多かった…なんてことはなかったはず。勝因はおそらく、投票期間中一丸となって来る日も来る日も投票し続けたARMYの一人一人が、彼らに捧げる熱量の大きさだったのではないだろうか。

大好きな7人の男の子たちの喜ぶ姿が見たい。

私たちはただそれだけの為に、彼らに愛を注いできた。
なぜそこまでするのだろう?
どこにそれほどまでの魅力があるのだろう?

「BTSのどこが好きなの?」と聞かれたとき、ARMYたちはなんて答えるのだろうか?
BTSは2017年11月より韓国ユニセフ協会と#ENDviolence(暴力をなくそう)という活動を続けている。国連でのスピーチもとてもとてもすばらしいものだった。またLOVE YOURSELFシリーズのアルバムには“ありのままの自分を愛そう”という深いメッセージが込められている。BTSは尊い。世界の平和をつくる一つのピースだ。
だけどみんな思っているはず。
彼らを飾りたてるそれらの肩書きだけで、私たちの想いは語れない。すばらしい活動をしているから好きになったのかと言われれば、間違いではないけど少し違う…。かわいいじゃ足りないほどかわいいし、かっこいいなんて言葉だけではそのかっこよさを表現できない…。きっと私たちファンの心の中にはそんな、言葉にならない溢れる想いがあるのだ。



3  楽曲とダンスパフォーマンスがすごい



BTSを語る上で欠かせないのは、彼ら自身が楽曲制作に関わっている、その等身大の世界観やダンスパフォーマンスの完成度の高さだ。特にラッパーラインのポテンシャルの高さは他のグループにはない独特のセンスを放つ。リーダーであるRMの紡ぐ文学的な歌詞やSUGAの作る洗練されたビートに美しいメロディ。幼い頃から作曲をしてきた2人と違い、練習生になって初めて音楽製作のスキルを身につけていったというJ-HOPEの、スタンダードとトレンドをmixしながらもどこか自由な発想を感じさせるセンスもまた、大きくその楽曲たちの彩りを豊かにしている。
今では、ラッパーラインの3人に限らず、ボーカルラインの4人もそれぞれのカラーを感じさせる自作曲を発表している。


BTSのパフォーマンスのすばらしいポイントとして欠かせないのがカル群舞だ。
ダンスラインのJ-HOPE、JIMINを中心に、見ているだけでまるで心が踊りだすかのようなパワフルで美しいダンスが大きな魅力。
ジミンくんに“3:33の男”というあだ名がついたほど当時話題になった「FIRE」の3:33を観れば、そのすばらしさを説明するのに言葉は不要だ。
その力強いカル群舞は、“好きなように生きろ どうせお前の人生だ”というメッセージに、より強く説得力を与えている。


そして毎年年末に韓国で開催されているMelon Music Award・2018年のステージでは、ワールドクラスになった彼らの貫禄を見せつけるかのように、少年から青年へと成長したBTSの、すばらしいパフォーマンスを見せてくれた。

楽曲やパフォーマンスの魅力をさらに引き立てているのは7人の持つバラエティ豊かな声の魅力だ。
中でも個人的にはSUGAの声は特別だ。彼のパートがやってくると必ず、女の子たちの甘いため息がコンサート会場を包みこむ。罪なのは“ラップで香港送りにしてやるよ(イかせてやるという意味のスラング)”や、“お前の彼女も惚れる俺の声”…などのリリックからも伺えるように、何も気にしていないような態度を取りながらも自分の魅力をちゃっかり分かっているんじゃないかと思わせるところ…。ずるい。
ラッパーラインのスキルの高さから、Kpopアイドルというカテゴリーに収まらない魅力があることはすぐに把握できる。そしてとても重要なのは、全く個性の異なる4人の色彩豊かなボーカルだ。
テヒョンくんの声はとても不思議な魅力があり低く深みのあるその声で、激しい曲からバラードまで多彩な声色を使い歌いこなす。そしてKpop歌手の王道のようなジンくんの歌声にはバラードがとてもよく似合う。コンサートではとても安定感のある伸びやかな歌声にたくさんのARMYたちが心を奪われただろう。
ジミンくんは、この世界中探してもどこにも代わりの見つからない独特のトーンを持っている。エッジの効いたセクシーな歌い方や、高音になった時の中性的な歌声はBTSだけの持つ強みだ。そして個性豊かなメンバーの声を中和するかのような、優しい温かみを持ちながらもどこか哀愁を感じさせるジョングクの声がすばらしく、楽曲に耳なじみの良い安定感を作り出している。

ボーカルもダンスもいつどんな場所でのステージであっても、すべてにおいて完成度が高い彼らのパフォーマンス。それはデビュー当時から1日のうち13時間もの時間をダンスの練習に費やしてきた彼らの血と汗と涙の努力の結晶だ。そして、そんな個々の持つポテンシャルの高さは逆境の時こそ輝く。
2018年、ジョングクの怪我やジミンくんの体調不良により、出演した番組でのダンスパフォーマンスが最小限に抑えられた日があった。
グループの一番の魅力であるダンスがなくても、オーディエンスの盛り上げ方の巧みさやボーカルのスキルの高さが浮き上がっていて、とても新鮮ですばらしいステージとなった。


また、その身を削って世界中のARMYを楽しませるために努力し、悩み成長していく美しい彼らの舞台裏に密着したドキュメンタリーフィルムにはとてもとても胸を打たれる。
ARMYのために。自分のために。メンバーのために。お互いの欠点を補い合いながら、手を取り合い、完璧ではない自分を愛するための旅を続ける彼らは、とてもキラキラと輝いている。



4  7-1=7(仲の良い兄弟たち)


〈 7-1=7 〉というのはVliveで配信されたリアリティ番組『BON VOYAGE S3』Ep.4のタイトルだ。誰かがいなければそのメンバーの話ばかりして、たった3日ぶりに会っただけのメンバーに、まるで、今日の学校での出来事をお母さんに話す子供のように、3日間で起きた楽しかったことをそのメンバーに報告しようと6人が一斉に話し出していた。とても仲良くみえるその姿はBTSの最も大きな魅力のひとつだ。
練習生の頃から今までずっと同じ屋根の下で暮らし、きっと様々な摩擦をのりこえてきた彼らは、不思議と良く似ている時がある。
個性はバラバラなのに、寝顔やちょっとした表情が似ているときもあるし『RUN BTS!』というバラエティで見せるイタズラは、相談したわけでもないのに不思議とかぶっていることも多々…。



そんな彼らの魅力がつまった『フンタン少年団』という歌がある。デビュー初期からのファンたちが、いつも賑やかなメンバーたちを“フンタン(面白くノリが良いという意味)少年団”と呼んでいたことから、題名をつけたというこの曲は、SUGAがホソクくんにあげようと思っていたノリの良いビートが特徴の楽しい一曲だ。

どうですか……?????
ひかえめに言ってかわいすぎて泣きそうです。


同じ事務所からデビューしたTOMORROW X TOGETHERのメンバーたちのコンテンツの配信中、BTSのマンネライン(マンネ : 歳下という意味)のグク、ジミン、テヒョンが、その部屋を通り過ぎるという出来事があったが、少し離れている場所にいる時点で笑い声とバタバタした空気が流れ、ARMYたちならすぐに「いる!!」という気配に気づいたことだろう。そして穏やかに配信していた弟たちの放送に気づき、気を遣いながら声のトーンを落としたりと、静かに去って行ったような雰囲気を出していたけれど、とてもざわざわと騒がしく嵐のように通り過ぎて行った。これぞフンタン少年団!


特に何をするわけでもなくても7人のギャグセンは高く、基本くだらないことをしていてもとても面白い。その面白さはBTS BOMBというYouTubeにUPされる独自のコンテンツの中で余すことなく発揮されている。
ここで、言葉がわからなくても面白いであろうBOMBを厳選したのでご覧ください。

控え室でこのテンション。

これは最新の『BON VOYAGE S4』の予告だけれど今でもやってることは変わらない…というところがファンたちのハートをギュッと鷲掴みにします…!


最後に2016年の伝説の雪合戦のBOMBをご覧いただきたい…

どうでしたでしょうか?
まるで小学生です。((鬼かわいい))


ファンを大切にし、仲間やスタッフたちにも親切で礼儀正しい男の子たちは、絵に描いたような良い子ではなく、実はとてもやんちゃでのびのびとした一面がある。
デビュー当時から辿れば、その自由な行動の一部は時に物議を醸したことも。しかしながら、いつも彼らの心の根っこに悪意はないはずだ。世の中を賢く上手く生きていく術を知らないまだ幼い少年たちは、時に失敗し、少しずつ色々なことを学びながら成長してきた。

メンバー同士でもそうだろう。時には互いの違いにぶつかりケンカをし、歩み寄り、まるで家族のようなその絆を育んできたのだ。

“一緒にいれば 笑うことができる”

これは「花様年華」というBTSの人気を確立したアルバムコンセプトのキーワードだけど、この言葉のように、側から見ていても7人でいれば大丈夫だと思える。運命って言葉を信じるかも…とメンバーも言っていたようにこの7人が出会い過ごしてきた過程はまるで運命のような奇跡だ。



5  人生にたったひとつの防弾少年団



“君と僕は共に このメロディの上をまた歩くだろう”

この詩は2014年、BTS 1周年の記念に公開された曲の中のフレーズです。

それはまだ、BTSが世界を飛び回るアーティストになるなんて知りもしない、ただHIPHOPが大好きだった男の子たちによる、Kpopアイドルの世界に飛び込み抱いた葛藤と祈りの歌。
彼らを取り巻く世界は確実に変わっただろう。
彼ら自身もたくさんの苦難を乗り越え成長してきただろう。

だけどこの曲に吐露した等身大の想いや信念は何一つ新鮮さを失う事なく、私たちに希望と勇気をくれる。


BTSは最高にかっこよくてかわいい。寝ても覚めてもかわいい。
だけどそれだけじゃない…。

『Save me』という曲がある。

その手を差し伸べて 僕を救ってよ
堕ちてしまう前に 君の愛が必要なんだ 

私たちARMYはみんな自分の人生にとって必要なタイミングで彼らに出会ったのだろう。ナムジュンの言葉を借りるなら、彼らは私たちがさみしい時に現れた友達のような遊び相手だ。

私たち一人一人には暮らしの中の役割がある。
誰かの母親だったり、重要な仕事を任されていたり、誰かの恋人で友人で……私たちはひとりぼっちのようでいて、誰もがこの世界と強く関わっている。
必要とされていたくて、一人になるのは怖くて、私たちはいつの間にか本当の自分の望みをないがしろにし、自分を失い、“誰かの望む自分”になっていた。

そして、奇跡みたいな男の子たちに出会ったのだ。
完璧ではない彼らの努力の結晶や涙が、私たちの夢になった。
彼らを脅かす激しい雨風から守る盾になった。
切ないメロディと甘い言葉に誘われて、
私たちは頼りなくて、都合よく好きになったり飽きたりする、ずる賢いこの手を彼らに差し伸べることで、ARMYという新しいアイデンティティを持ったのだ。
ARMY、愛してるよ。ARMYのおかげで僕たちはとっても幸せだよ。
いつだって声のトーンまで鮮明に思い出せるその言葉たちは、必要とされる喜びをくれる。私は私のまま、ここにいてもいいのだと、君はそのままで充分美しいのだと、私たちにキラキラの魔法をかけてくれるみたいに。


私たちは未熟だ。
彼らはとてもすてきに見えるけど、私たちととてもよく似た悩みを持っている。
悩んだり迷ったり間違えて傷ついて、時には一緒に、思いっきり遊んで、とびきりの記憶を作っていく。同じ時に生きて、同じ歴史の中で、バラバラの心を重ねあえる喜びがある。
他の誰にも彼らの代わりはできないだろう。
“BTSは第二のビートルズだ”と誰かが言ったとき、第二の〇〇は存在しないと思うとSUGAは率直に話した。彼と同じ意見だと言ったジミンくんは、ファンの皆さんにこう呼ばれたいと言った。
“私の人生にひとつだけの防弾少年団”
本当に彼らを大切に想っているARMYにとって、彼らはとっくに他の誰でもない、“私の人生にひとつだけの防弾少年団”になっている。

そしてその喜びを噛みしめる。
昨日よりもっと 明日より少し、お互いを愛しながら、
その喜びを噛みしめる。
かわいいだけで乾いた心が満たされるから。
かっこいいだけでくじけそうな毎日にパワーをくれるから。
ARMYでいられることは幸せだ。
いつかそうじゃなくなる日がきても、あの時は最高に楽しかったと思えるだろう。



私たちは共に、このメロディの上をまた歩くだろう。

いつかまた夜がきて、今この夜が過ぎても
より良い人生のための演奏は続くだろう。


一緒にいれば、笑うことができるから…


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